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第二章:領主二年目第一部
骨董品の扱い(三)
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「クラース、あの大量の焼き物を展示したいと思うが、それでもいいか?」
俺はドラゴネットに帰ると、焼き物の件でクラースに相談することにした。クラースは好きにしろと言ってくれているが、あくまで所有者はクラースだからだ。
「好きに使ってくれ。しかし、展示とはどこにだ?」
「王都で文化・芸術に詳しい貴族と話をしたが、展示をして入館料を徴収すればどうかという意見があった。中で食事もできれば嬉しいと。それなら展示する以外にもそれを使って食事ができれば面白いと思った」
「なるほどな。それなら割れないように[硬化]の魔法をかけておこう」
「頼む。俺は割れても気にしないが、首を吊るやつが出てもおかしくない」
博物館で働く者たちにとってもそちらの方がいいだろう。一度全部渡して、空いている時に[硬化]をかけてもらうことにした。博物館を建てるのにも時間がかかるので、すぐに必要というわけでもない。
◆ ◆ ◆
「ふーん、展示ね。そういうのが好きな人が見るのよね」
「でもそのお皿で食事というのは試したいような試したくないような気がしますね」
「エルザさんっ、前に使いましたよっ」
「えっ? あ、そうでした」
「私も後から話を聞いて、色々な点で手が震えそうになりましたわ」
四者四様の意見だが、価値があることが分かっているのかどうか、その価値をどれくらいだと考えているのかによるだろう。
俺はあまり意識しなかった上にクラースが焼いたものだと聞いているので、何百枚とあった皿がそれぞれ金貨何十枚もすると言われても実感がないのが正直な意見だ。エルザとアルマのよく似たものだろう。
カレンはそもそも骨董には興味がない。この一年ほど俺と一緒にいて、これまで見るもの触るものが新鮮だったので、価値が高かろうが低かろうが関係ないようだ。興味があるものを楽しむという、ある意味では非常に正しい生活をしている。
ナターリエは現物を見たことがあるので価値も知っていて、それもあって食事の際にはビクビクしていたようだ。一方で高価な食器で食事ができるのは貴重な体験だと思えたそうだ。
「ハイメンダールの食器を使うのであれば、王都であればかなり注目されることになると思います。購入したいと思った人はいたとしても、それを使って食事をするという人はいなかったはずです。間違いなく話題になりますわ」
「それなら計画を進めよう」
行啓の前に大量に運び込んだ食器だが、貴重なものだと分かってからはまた仕舞っておいたが、[硬化]をかけてもらうために今はクラースの家にある。
◆ ◆ ◆
「なるほど。私としては問題ありません」
「私も同じです」
ラーエルとアグネスは顔を見合わせて頷いた後、あらためて俺の方を向いてそう言った。
まだ単なる思い付きでしかないが、ハイメンダールの焼き物を展示する博物館を王都に作り、そこのレストランで食事もできるようにしたい。使う食器が食器だからそれなりの値段にするつもりだ。そうなると客は自然と貴族が多くなるはず。二人にはそこで料理長として料理をしたり提供する料理を決めたり、あるいは料理人を指導したり、そのような仕事をしてもらいたいと言った。
「二人のうちのどちらかはこちらにいて、もう一人が王都に行くということになるでしょうか」
「そうだな。一定期間で交代するという形でやってくれると嬉しい。二人ともが向こうに行くとこちらの料理が寂しくなる。向こうでもそれなりの料理人を雇えるように手配するが、レオナルト殿下にも認められた二人が指導すれば一段階上がるだろう」
「三人とも一人前になってくれましたので、どちらかが抜けても問題ないと思いますが、そう言っていただけると励みになります」
二人の下にはヘッダ、イザベル、ヨハンナの三人がいる。元々は台所女中だったが、こちらに来てからは料理人補佐として二人の下で料理を学んでいる。そろそろ正式に料理人にしてもいいだろうというのが二人の考えだそうだ。ラーエルとアグネスはそれぞれ大公家と伯爵家で料理人をしていたから、料理に関する目はかなり厳しい。この二人が問題ないと言えば問題ないのだろう。
台所女中とは料理人が料理を作る下準備が仕事で、食材を洗ったり切ったり、調味料を用意したり皿を準備したり、目立たないが大切な仕事だ。
「その三人を料理人にすると、また女中の中で料理人になりたい者を料理人補佐にするか、それとも新しく探すか、そのあたりも考えないといけないな」
「しかし旦那様、もはやこの城の使用人は規模的には大貴族です。今後はどうなさいますか?」
「それは悩みの一つではあるんだがな」
正直なところ、城に関してはやや行き詰まり感はある。俺は人口一〇〇〇人に満たない町の領主だが、城と王都の屋敷の使用人が合わせて一〇〇人を超える。そもそも町の規模に対して城が立派すぎるのが原因だ。
クラースが厚意で建ててくれた訳だから文句を言ってはいけないが、王都の屋敷も含めて掃除やら何やらを考えればそれくらい必要になってしまう。
「解雇するとかそのようなことはないとは言っておく。だが前にブルーノにも言われたが、この町は色々な点でバランスが悪い。それをもう少し正常な形に持って行くにはどうするかだ」
「領民を増やすしかありませんね」
「博物館の人気が出れば、ここへ来ようと考える人もいませんか?」
「ここまで来てほしいが、実際は難しいだろう」
王都で博物館を運営して知名度を上げる。ドラゴネットにも王都よりも立派な博物館を作る。料理も使う食材などを一段上にして、集客を図る。貴族は来るかもしれない。護衛たちも同行するだろう。だが領民が増えるかどうかは微妙だな。
結局今のドラゴネットは、元の領民以外には王都からの移住者とヴァイスドルフ男爵領からの移住者で成り立っている。使用人もほとんどが王都から集めたものだ。外からやって来て領民となった者はそれほど多くはない。
今後はそれまでほど大量の移住者がいるとは思えない。口にすると反対のことが起こると言うが、移住者が大量に来てくれるならありがたいものだ。
俺はドラゴネットに帰ると、焼き物の件でクラースに相談することにした。クラースは好きにしろと言ってくれているが、あくまで所有者はクラースだからだ。
「好きに使ってくれ。しかし、展示とはどこにだ?」
「王都で文化・芸術に詳しい貴族と話をしたが、展示をして入館料を徴収すればどうかという意見があった。中で食事もできれば嬉しいと。それなら展示する以外にもそれを使って食事ができれば面白いと思った」
「なるほどな。それなら割れないように[硬化]の魔法をかけておこう」
「頼む。俺は割れても気にしないが、首を吊るやつが出てもおかしくない」
博物館で働く者たちにとってもそちらの方がいいだろう。一度全部渡して、空いている時に[硬化]をかけてもらうことにした。博物館を建てるのにも時間がかかるので、すぐに必要というわけでもない。
◆ ◆ ◆
「ふーん、展示ね。そういうのが好きな人が見るのよね」
「でもそのお皿で食事というのは試したいような試したくないような気がしますね」
「エルザさんっ、前に使いましたよっ」
「えっ? あ、そうでした」
「私も後から話を聞いて、色々な点で手が震えそうになりましたわ」
四者四様の意見だが、価値があることが分かっているのかどうか、その価値をどれくらいだと考えているのかによるだろう。
俺はあまり意識しなかった上にクラースが焼いたものだと聞いているので、何百枚とあった皿がそれぞれ金貨何十枚もすると言われても実感がないのが正直な意見だ。エルザとアルマのよく似たものだろう。
カレンはそもそも骨董には興味がない。この一年ほど俺と一緒にいて、これまで見るもの触るものが新鮮だったので、価値が高かろうが低かろうが関係ないようだ。興味があるものを楽しむという、ある意味では非常に正しい生活をしている。
ナターリエは現物を見たことがあるので価値も知っていて、それもあって食事の際にはビクビクしていたようだ。一方で高価な食器で食事ができるのは貴重な体験だと思えたそうだ。
「ハイメンダールの食器を使うのであれば、王都であればかなり注目されることになると思います。購入したいと思った人はいたとしても、それを使って食事をするという人はいなかったはずです。間違いなく話題になりますわ」
「それなら計画を進めよう」
行啓の前に大量に運び込んだ食器だが、貴重なものだと分かってからはまた仕舞っておいたが、[硬化]をかけてもらうために今はクラースの家にある。
◆ ◆ ◆
「なるほど。私としては問題ありません」
「私も同じです」
ラーエルとアグネスは顔を見合わせて頷いた後、あらためて俺の方を向いてそう言った。
まだ単なる思い付きでしかないが、ハイメンダールの焼き物を展示する博物館を王都に作り、そこのレストランで食事もできるようにしたい。使う食器が食器だからそれなりの値段にするつもりだ。そうなると客は自然と貴族が多くなるはず。二人にはそこで料理長として料理をしたり提供する料理を決めたり、あるいは料理人を指導したり、そのような仕事をしてもらいたいと言った。
「二人のうちのどちらかはこちらにいて、もう一人が王都に行くということになるでしょうか」
「そうだな。一定期間で交代するという形でやってくれると嬉しい。二人ともが向こうに行くとこちらの料理が寂しくなる。向こうでもそれなりの料理人を雇えるように手配するが、レオナルト殿下にも認められた二人が指導すれば一段階上がるだろう」
「三人とも一人前になってくれましたので、どちらかが抜けても問題ないと思いますが、そう言っていただけると励みになります」
二人の下にはヘッダ、イザベル、ヨハンナの三人がいる。元々は台所女中だったが、こちらに来てからは料理人補佐として二人の下で料理を学んでいる。そろそろ正式に料理人にしてもいいだろうというのが二人の考えだそうだ。ラーエルとアグネスはそれぞれ大公家と伯爵家で料理人をしていたから、料理に関する目はかなり厳しい。この二人が問題ないと言えば問題ないのだろう。
台所女中とは料理人が料理を作る下準備が仕事で、食材を洗ったり切ったり、調味料を用意したり皿を準備したり、目立たないが大切な仕事だ。
「その三人を料理人にすると、また女中の中で料理人になりたい者を料理人補佐にするか、それとも新しく探すか、そのあたりも考えないといけないな」
「しかし旦那様、もはやこの城の使用人は規模的には大貴族です。今後はどうなさいますか?」
「それは悩みの一つではあるんだがな」
正直なところ、城に関してはやや行き詰まり感はある。俺は人口一〇〇〇人に満たない町の領主だが、城と王都の屋敷の使用人が合わせて一〇〇人を超える。そもそも町の規模に対して城が立派すぎるのが原因だ。
クラースが厚意で建ててくれた訳だから文句を言ってはいけないが、王都の屋敷も含めて掃除やら何やらを考えればそれくらい必要になってしまう。
「解雇するとかそのようなことはないとは言っておく。だが前にブルーノにも言われたが、この町は色々な点でバランスが悪い。それをもう少し正常な形に持って行くにはどうするかだ」
「領民を増やすしかありませんね」
「博物館の人気が出れば、ここへ来ようと考える人もいませんか?」
「ここまで来てほしいが、実際は難しいだろう」
王都で博物館を運営して知名度を上げる。ドラゴネットにも王都よりも立派な博物館を作る。料理も使う食材などを一段上にして、集客を図る。貴族は来るかもしれない。護衛たちも同行するだろう。だが領民が増えるかどうかは微妙だな。
結局今のドラゴネットは、元の領民以外には王都からの移住者とヴァイスドルフ男爵領からの移住者で成り立っている。使用人もほとんどが王都から集めたものだ。外からやって来て領民となった者はそれほど多くはない。
今後はそれまでほど大量の移住者がいるとは思えない。口にすると反対のことが起こると言うが、移住者が大量に来てくれるならありがたいものだ。
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