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第二章:領主二年目第一部
新しい土地と問題(六):王都の外の調査
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通路を調べてから上がると、殿下には椅子が用意されていた。さすがに立ちっぱなしにさせる訳にもいかないから、ツェーデン子爵が用意したのだろう。
「この通路はしばらく進んだところで、掘りかけのまま止まっています。ですが突き当たりから一キロほど先に別の空洞がありました。向こうから通路を繋げるつもりだった可能性もあります」
とりあえず分かる範囲のことは報告する。
「どこまで続いているかは分かるか?」
「さすがに魔力が続きませんのでどこまでかを調べるのは無理でした。方向としてはうちの屋敷の裏、王城、そしてこの屋敷を結んだ延長上のようです」
「そうか……」
殿下は顎に指を当てて少し考えると、立ち上がって護衛騎士の一人に指示を出した。現状の報告、そして明日になれば王都の外の調査に向かうので、少し兵を動かすというものだった。その騎士がここを出て行けば、次は俺たちの番だろう。
「ノルト男爵、明日時間があるなら卿にも同行してもらいたい。その先の調査を行う」
「問題ありません」
「ツェーデン子爵」
「はい」
「しばらく人が立ち入るかもしれない。迷惑をかけるが頼む」
「問題ありません。いつでもどうぞ」
子爵は落ち着きを取り戻したようだ。彼に落ち度は何もない。たまたま買い取った屋敷がマズかっただけだ。普通は地下室のさらに下を調べようなんて思わないだろう。
今回は調査が終われば何も問題はなくなる。崩した地下部分に関しては俺が責任を持って直せばいい。
◆ ◆ ◆
今日は昨日の続きで、あの地下通路の先を調べながら王都の外まで来た。殿下と護衛の騎士たち、そして何らかの作業が必要になるかもしれないので二〇人ほどの兵士もいる。
ここに来るまでに地上から地下に魔力を流して確認したが、あの先で途切れずに王都の外まで伸びていることが分かった。
その地下通路が繋がっていたのは、城門を出てしばらく進んだ先の森の近くにある、小さな集落の跡地だった。跡地なのは誰もいなかったからだ。おそらく小さな集落を装いつつ、地下を掘っていたということだ。
このような集落はこの国のどこにでもある。まさかその一つであのような地下通路が掘られていたとは誰も想像していなかっただろう。
集落の中心にある建物には地下への入り口があり、通路はやはり王都の中へと続いていた。時間から考えると、城壁と王城の間でこの通路は止まっていた。
どうもよく分からない。もし侵入路にする、あるいは宝物庫から金などを持ち出すつもりだったなら、うちの屋敷の裏にまで掘る必要はなかったのではないだろうか。
最初から王都の外から王城まで掘ればいいだけだ。それなら距離的にはすでに終わっていたはずだ。そうでなかったのは、最初は王都の外から繋げるつもりはなく、後になって外から掘る話になったのだろうか。
だがそれにしては通路が一直線過ぎる。地下通路が全て繋がっていたとすれば、上り下りはあるが、西南西から東北東にほぼ一直線だ。そこまで計算して掘ったのだろうか。
この国では関係者はほとんど処罰されたから、今さら確認するのは難しい。殿下を始め、騎士や兵士たちにも意見を聞いたが、誰も首を捻るばかりだった。もう一度やりとりの書類が残っていないかを確認してもらうしかないだろう。
「では殿下、順番としては王都内の突き当たりから王城の下まで、その次はこの通路を奥からここまで、そして最後に王城の下からうちの屋敷まで、このように埋め戻していきます」
「手間がかかるが頼む」
「私の手間は大丈夫です。ところで一つお願いがあるのですが」
「私にできることか?」
「陛下か殿下にしかできないことです」
俺が殿下に頼みたいのは土の確保についてだ。無から有は生じない。穴を埋めるためには土が必要になる。
何者かが地下を掘った時に出た土砂はどこに行ったのか。相当な量だっただろう。固めて石材にでもされ、王都のどこかで建材として売られたのかもしれない。
「ここを掘った者たちが出た土砂をどうしたのかは分かりませんが、埋め戻しには土なり砂なり、何らかが必要です。どこか適当になくなってもいい小山や丘などが近くにあればそれを使いたいと思います。地形を変えるとなると許可が必要でしょう」
実は向こうに戻ればトンネルを掘った時に出た土が大量にあり、それを固めたものはトンネルのドラゴネット側の出口から少し離れたあたりに大量に積んである。邪魔にならないように長い柱状にし、それをカレンに外へ持ち出してもらっていたからだ。
折って異空間に詰めるだけ詰め、俺ごとカレンに運んでもらえば魔力を節約できるが、それでも一度にそこまで大量には運べないので何度も繰り返す必要がある。あのトンネルほどではないにせよ、この地下通路もかなりの長さになるからだ。
カレンが[収納]を使えるなら相当な量が入りそうだが、残念ながらまだ使えない。
それなら王都の近くで調達した方がいい。ついでに邪魔な山でも削ってしまえばいいだろうと考えた。
「山か丘か。何か思い付くか?」
殿下は騎士の一人にそう問いかけた。
「山でしたら南東のロッゲンブルク方面に向かう途中には岩山が張り出している場所がいくつかありまして、あれのせいで街道が大きく曲がっています。真っ直ぐになれば喜ぶ商人は多いと思います。見通しが悪いので盗賊が出るという話です」
「ああ、あちらか。確かにあった。高さはそれほどでもないが、横にかなり張り出していたな」
南東方面にはほとんど行ったことがないな。
「帰ってから父に確認しておく。明日の午前には知らせられるだろう」
「分かりました。ではとりあえずそこの山を片付けます」
おそらく掘り出した土砂の残りだと思うが、ちょっとした小山になっている。適当に固めつつブロック状にし、それを異空間に詰め込む。少々空き空間が心許なかったので、生き物が入る方にも入れておく。ほぼ更地になっただろうか。念のためにもう少し地面を削っておこう。
「お前の異空間には相変わらずいくらでも入るな」
「いくらでも入るわけではありませんが、以前よりも容量は増えました」
「やはり訓練すると増えるというのは正しいのか?」
「はい。向こうでは地面や山を掘ってばかりでしたので、そのお陰でずいぶんと増えた気がします」
「そうか、私も訓練はしているが、なかなかな」
殿下も魔法は使える。四属性とも器用に使えたはずだ。だが魔力量はそれほど多くはないと言っていた。俺の場合は幼い頃から毎日使っていたからな。
そんな話をしている間にも兵士たちは建物の残骸を片付けていた。そして一通り片付くと殿下は王城へ戻っていった。
さて、明日からは久しぶりに大規模な土いじりだな。
「この通路はしばらく進んだところで、掘りかけのまま止まっています。ですが突き当たりから一キロほど先に別の空洞がありました。向こうから通路を繋げるつもりだった可能性もあります」
とりあえず分かる範囲のことは報告する。
「どこまで続いているかは分かるか?」
「さすがに魔力が続きませんのでどこまでかを調べるのは無理でした。方向としてはうちの屋敷の裏、王城、そしてこの屋敷を結んだ延長上のようです」
「そうか……」
殿下は顎に指を当てて少し考えると、立ち上がって護衛騎士の一人に指示を出した。現状の報告、そして明日になれば王都の外の調査に向かうので、少し兵を動かすというものだった。その騎士がここを出て行けば、次は俺たちの番だろう。
「ノルト男爵、明日時間があるなら卿にも同行してもらいたい。その先の調査を行う」
「問題ありません」
「ツェーデン子爵」
「はい」
「しばらく人が立ち入るかもしれない。迷惑をかけるが頼む」
「問題ありません。いつでもどうぞ」
子爵は落ち着きを取り戻したようだ。彼に落ち度は何もない。たまたま買い取った屋敷がマズかっただけだ。普通は地下室のさらに下を調べようなんて思わないだろう。
今回は調査が終われば何も問題はなくなる。崩した地下部分に関しては俺が責任を持って直せばいい。
◆ ◆ ◆
今日は昨日の続きで、あの地下通路の先を調べながら王都の外まで来た。殿下と護衛の騎士たち、そして何らかの作業が必要になるかもしれないので二〇人ほどの兵士もいる。
ここに来るまでに地上から地下に魔力を流して確認したが、あの先で途切れずに王都の外まで伸びていることが分かった。
その地下通路が繋がっていたのは、城門を出てしばらく進んだ先の森の近くにある、小さな集落の跡地だった。跡地なのは誰もいなかったからだ。おそらく小さな集落を装いつつ、地下を掘っていたということだ。
このような集落はこの国のどこにでもある。まさかその一つであのような地下通路が掘られていたとは誰も想像していなかっただろう。
集落の中心にある建物には地下への入り口があり、通路はやはり王都の中へと続いていた。時間から考えると、城壁と王城の間でこの通路は止まっていた。
どうもよく分からない。もし侵入路にする、あるいは宝物庫から金などを持ち出すつもりだったなら、うちの屋敷の裏にまで掘る必要はなかったのではないだろうか。
最初から王都の外から王城まで掘ればいいだけだ。それなら距離的にはすでに終わっていたはずだ。そうでなかったのは、最初は王都の外から繋げるつもりはなく、後になって外から掘る話になったのだろうか。
だがそれにしては通路が一直線過ぎる。地下通路が全て繋がっていたとすれば、上り下りはあるが、西南西から東北東にほぼ一直線だ。そこまで計算して掘ったのだろうか。
この国では関係者はほとんど処罰されたから、今さら確認するのは難しい。殿下を始め、騎士や兵士たちにも意見を聞いたが、誰も首を捻るばかりだった。もう一度やりとりの書類が残っていないかを確認してもらうしかないだろう。
「では殿下、順番としては王都内の突き当たりから王城の下まで、その次はこの通路を奥からここまで、そして最後に王城の下からうちの屋敷まで、このように埋め戻していきます」
「手間がかかるが頼む」
「私の手間は大丈夫です。ところで一つお願いがあるのですが」
「私にできることか?」
「陛下か殿下にしかできないことです」
俺が殿下に頼みたいのは土の確保についてだ。無から有は生じない。穴を埋めるためには土が必要になる。
何者かが地下を掘った時に出た土砂はどこに行ったのか。相当な量だっただろう。固めて石材にでもされ、王都のどこかで建材として売られたのかもしれない。
「ここを掘った者たちが出た土砂をどうしたのかは分かりませんが、埋め戻しには土なり砂なり、何らかが必要です。どこか適当になくなってもいい小山や丘などが近くにあればそれを使いたいと思います。地形を変えるとなると許可が必要でしょう」
実は向こうに戻ればトンネルを掘った時に出た土が大量にあり、それを固めたものはトンネルのドラゴネット側の出口から少し離れたあたりに大量に積んである。邪魔にならないように長い柱状にし、それをカレンに外へ持ち出してもらっていたからだ。
折って異空間に詰めるだけ詰め、俺ごとカレンに運んでもらえば魔力を節約できるが、それでも一度にそこまで大量には運べないので何度も繰り返す必要がある。あのトンネルほどではないにせよ、この地下通路もかなりの長さになるからだ。
カレンが[収納]を使えるなら相当な量が入りそうだが、残念ながらまだ使えない。
それなら王都の近くで調達した方がいい。ついでに邪魔な山でも削ってしまえばいいだろうと考えた。
「山か丘か。何か思い付くか?」
殿下は騎士の一人にそう問いかけた。
「山でしたら南東のロッゲンブルク方面に向かう途中には岩山が張り出している場所がいくつかありまして、あれのせいで街道が大きく曲がっています。真っ直ぐになれば喜ぶ商人は多いと思います。見通しが悪いので盗賊が出るという話です」
「ああ、あちらか。確かにあった。高さはそれほどでもないが、横にかなり張り出していたな」
南東方面にはほとんど行ったことがないな。
「帰ってから父に確認しておく。明日の午前には知らせられるだろう」
「分かりました。ではとりあえずそこの山を片付けます」
おそらく掘り出した土砂の残りだと思うが、ちょっとした小山になっている。適当に固めつつブロック状にし、それを異空間に詰め込む。少々空き空間が心許なかったので、生き物が入る方にも入れておく。ほぼ更地になっただろうか。念のためにもう少し地面を削っておこう。
「お前の異空間には相変わらずいくらでも入るな」
「いくらでも入るわけではありませんが、以前よりも容量は増えました」
「やはり訓練すると増えるというのは正しいのか?」
「はい。向こうでは地面や山を掘ってばかりでしたので、そのお陰でずいぶんと増えた気がします」
「そうか、私も訓練はしているが、なかなかな」
殿下も魔法は使える。四属性とも器用に使えたはずだ。だが魔力量はそれほど多くはないと言っていた。俺の場合は幼い頃から毎日使っていたからな。
そんな話をしている間にも兵士たちは建物の残骸を片付けていた。そして一通り片付くと殿下は王城へ戻っていった。
さて、明日からは久しぶりに大規模な土いじりだな。
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