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第三章:領主二年目第二部
戦争(二):援軍
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「クラース、少し力を貸してほしい」
ドラゴネットに戻るとその足でクラースの家に寄り、協力してくれるかどうかの確認をすることにした。
「エルマーから頼み事とは珍しいな」
「楽しいことでもないから言いにくいが……」
南西部のマルクブルク辺境伯領にゴール王国軍が侵入したので、それを追い払うために戦場の上を飛んでくれないかと頼んだ。
「戦うのは軍の仕事だが、あのあたりはここ数年毎年起こる戦争でかなり疲弊している。できる限り味方の消耗を減らしたい」
「かまわんぞ。最初に敵将の周辺だけ派手に燃やして、他に何か所か人がいないところにでも火を吐けば逃げるのではないか?」
「手伝ってくれるか?」
「ああ、それくらいはな。さすがに私も無差別に人を殺すような趣味はないが、戦闘や戦争に参加したことはある。指揮官が死んで身の危険を感じれば、兵士たちもさすがに逃げるだろう」
クラースは二つ返事で引き受けてくれることになった。
「その線で頼む。とりあえず中央に一発だな。軍旗があるから分かるだろう。それからなるべく兵士の少ないところに適当に撃てば、そのうちに逃げるだろう。俺も敵だからって皆殺しにしたいわけではない。騎士は仕方ないと思うが農兵たちはなあ」
「それなら、すぐに向かうか?」
「いや、少し準備がある」
「準備?」
「いきなり竜が戦場に現れたら味方も驚くだろう。その対策だ」
「そうだな。ビラでも撒くか?」
「いや、国旗だ」
その瞬間だけ使えればいいが、クラースが持つくらい大きな国旗を作ってもらい、それをぶら下げながら戦場に現れる。そこまですればさすがに味方だと分かるだろう。
上から手紙を落としてもいいが、それがマルクブルク辺境伯の手にすぐに渡るとも限らないし、その前にクラースを見て味方が逃げ出しても困る。
「なるほどな。私が両手に持って戦場に現れればいいわけだな」
「ああ、とりあえず布を縫い合わせて染める時間も惜しいから染料を塗るくらいでいいだろう。その準備があるから明日の出発で頼む」
「分かった。では明日まではゆっくりさせてもらおう」
手間賃代わりにツェーデン子爵に貰った中で一番上等な酒を渡す。口が軽くなってまたパウラに絞められないかが気になるが。
◆ ◆ ◆
「竜になったクラースさんが持てるくらいの大きさですね」
「ああ、飛びながら見せるから、それなりに丈夫に作ってもらいたい。作ってもらうのに適当でいいと言うのもおかしいが、遠く離れたところから見てアルマン国の国旗っぽく見えればそれでいい。無理を言うが、明日の朝までに頼む」
染織を仕事にしているアメリアに対して、失礼な言い方であるのは分かっているが、今は時間がない。理解してほしい。
「分かりました。突貫で仕上げます。報酬は期待していますね」
「ああ、希望は聞こう。ドーリスたちにも、最新の道具も含めて何か欲しいものがないか聞いておいてくれ。今回は袖の下なしだ」
「はい」
翌日、ヘロヘロになったアメリアたちから巨大な国旗を受け取った。素材は布だが、これだけの面積があるとかなり重い。
「ある程度しっかりしていないと風でなびいて破れるかもしれませんし、しっかりしすぎると重さで破れるかもしれませんでしたので、縁取りをしっかりして切れ目を入れることで対処しました。それにしても、これだけ大きいともはや布の重さではないことがよく分かりました」
完全に一枚の布にすると風を受けて飛ぶのが大変になる上に、縫った場所から破れるかもしれない。そのあたりを考えて作ってくれたようだ。
俺自身が剣を振るうことはないかもしれないが、戦場に向かうことは間違いない。食糧や水などは持っていった方がいいだろう。他には上から落とす岩は……異空間にあるな。
「無事のお戻りを願っております」
「新婚早々に寡婦にさせるつもりはない」
「あなたなら大丈夫でしょ」
「直接切り込むことはないだろうからな」
「エルマー様、無理はしないでくださいね」
「お守りですっ」
俺は一人ずつ抱きしめてキスをすると、クラースと一緒に転移で王都へ移動した。
◆ ◆ ◆
一度王都に寄って陛下にクラースが協力してくれることを伝えると、そのまま南部へ向かうことにした。
「さて、どうやって驚かすか」
《このまま戦場へ向かい、敵軍の真ん中へ向けて息吹を吐けばいいだろう》
「俺は落ちないようにしているから、細かいところは任せた。意外にここにいるのは難しい」
俺は体長が六〇メートルほどあるクラースの頭の上に立っている。左右に出ている大きな角ではなく、頭に何本もある小さめの角にしがみ付く感じだ。
小さいとは言っても角に触ることになる。俺とカレンの時の話を思い出して大丈夫なのかと思ったら、異性の場合は愛情表現になるそうだ。同性の場合は普通は単なる親愛の情らしい。そもそも俺の場合はクラースと義理の親子だから何も問題ないというわけだ。
戦場の遠く上空から戦況を確認する。兵力はゴール王国が二倍以上いるか。最初から多かったのか、それともアルマン王国の方が減ったのか。
陣形はゴール王国がU字形をし、アルマン王国軍を包囲しかけている。敵の本陣は……あの位置か。どうやら本陣は後ろに下がっているようだ。
ありがたいことに、クラースが俺に遠くを見ることができる魔法をかけてくれている。そうでなければとても見えない。
「クラース、あのU字から少し下がったところにいるのが敵の本陣だ。頼む」
《任された》
俺を乗せたクラースが頭を下げて急降下すると、双方の陣形が乱れた。クラースは敵の本陣に十分近付いてから火球を一つ吐いてそのまま上昇した。
ボフッ!
後ろで悲鳴が上がったようだが、振り向くような余裕はない。結界があって風も熱もはかなり防いでくれるが、クラースの頭が動けば俺の体も振られる。体を支えているのは二本の腕だけだ。落ちたら洒落にならない。
今度は旋回して存在を見せつける。今回アメリアたちに無理を言って用意してもらった巨大なアルマン王国の国旗が風になびく。とりあえず今回だけ使えればいいので、布を繋いで染料を塗っただけの簡易な物だ。雨が降れば色が落ちる。それでもどちらの味方かは分かるはずだ。あまり上昇すると見えなくなるが。
《大丈夫か?》
「揺れるがなんとか大丈夫だ。敵味方の間に何発か頼む」
《よし》
この間にアルマン王国軍は下がって態勢を立て直そうとしている。ゴール王国軍は完全に足が止まっている。両軍の間に隙間ができた。狙うならそこだ。
クラースは戦場を横切るように飛び、敵の先頭がちょうど巻き込まれるかどうかという絶妙な具合で火球を飛ばした。
ドラゴネットに戻るとその足でクラースの家に寄り、協力してくれるかどうかの確認をすることにした。
「エルマーから頼み事とは珍しいな」
「楽しいことでもないから言いにくいが……」
南西部のマルクブルク辺境伯領にゴール王国軍が侵入したので、それを追い払うために戦場の上を飛んでくれないかと頼んだ。
「戦うのは軍の仕事だが、あのあたりはここ数年毎年起こる戦争でかなり疲弊している。できる限り味方の消耗を減らしたい」
「かまわんぞ。最初に敵将の周辺だけ派手に燃やして、他に何か所か人がいないところにでも火を吐けば逃げるのではないか?」
「手伝ってくれるか?」
「ああ、それくらいはな。さすがに私も無差別に人を殺すような趣味はないが、戦闘や戦争に参加したことはある。指揮官が死んで身の危険を感じれば、兵士たちもさすがに逃げるだろう」
クラースは二つ返事で引き受けてくれることになった。
「その線で頼む。とりあえず中央に一発だな。軍旗があるから分かるだろう。それからなるべく兵士の少ないところに適当に撃てば、そのうちに逃げるだろう。俺も敵だからって皆殺しにしたいわけではない。騎士は仕方ないと思うが農兵たちはなあ」
「それなら、すぐに向かうか?」
「いや、少し準備がある」
「準備?」
「いきなり竜が戦場に現れたら味方も驚くだろう。その対策だ」
「そうだな。ビラでも撒くか?」
「いや、国旗だ」
その瞬間だけ使えればいいが、クラースが持つくらい大きな国旗を作ってもらい、それをぶら下げながら戦場に現れる。そこまですればさすがに味方だと分かるだろう。
上から手紙を落としてもいいが、それがマルクブルク辺境伯の手にすぐに渡るとも限らないし、その前にクラースを見て味方が逃げ出しても困る。
「なるほどな。私が両手に持って戦場に現れればいいわけだな」
「ああ、とりあえず布を縫い合わせて染める時間も惜しいから染料を塗るくらいでいいだろう。その準備があるから明日の出発で頼む」
「分かった。では明日まではゆっくりさせてもらおう」
手間賃代わりにツェーデン子爵に貰った中で一番上等な酒を渡す。口が軽くなってまたパウラに絞められないかが気になるが。
◆ ◆ ◆
「竜になったクラースさんが持てるくらいの大きさですね」
「ああ、飛びながら見せるから、それなりに丈夫に作ってもらいたい。作ってもらうのに適当でいいと言うのもおかしいが、遠く離れたところから見てアルマン国の国旗っぽく見えればそれでいい。無理を言うが、明日の朝までに頼む」
染織を仕事にしているアメリアに対して、失礼な言い方であるのは分かっているが、今は時間がない。理解してほしい。
「分かりました。突貫で仕上げます。報酬は期待していますね」
「ああ、希望は聞こう。ドーリスたちにも、最新の道具も含めて何か欲しいものがないか聞いておいてくれ。今回は袖の下なしだ」
「はい」
翌日、ヘロヘロになったアメリアたちから巨大な国旗を受け取った。素材は布だが、これだけの面積があるとかなり重い。
「ある程度しっかりしていないと風でなびいて破れるかもしれませんし、しっかりしすぎると重さで破れるかもしれませんでしたので、縁取りをしっかりして切れ目を入れることで対処しました。それにしても、これだけ大きいともはや布の重さではないことがよく分かりました」
完全に一枚の布にすると風を受けて飛ぶのが大変になる上に、縫った場所から破れるかもしれない。そのあたりを考えて作ってくれたようだ。
俺自身が剣を振るうことはないかもしれないが、戦場に向かうことは間違いない。食糧や水などは持っていった方がいいだろう。他には上から落とす岩は……異空間にあるな。
「無事のお戻りを願っております」
「新婚早々に寡婦にさせるつもりはない」
「あなたなら大丈夫でしょ」
「直接切り込むことはないだろうからな」
「エルマー様、無理はしないでくださいね」
「お守りですっ」
俺は一人ずつ抱きしめてキスをすると、クラースと一緒に転移で王都へ移動した。
◆ ◆ ◆
一度王都に寄って陛下にクラースが協力してくれることを伝えると、そのまま南部へ向かうことにした。
「さて、どうやって驚かすか」
《このまま戦場へ向かい、敵軍の真ん中へ向けて息吹を吐けばいいだろう》
「俺は落ちないようにしているから、細かいところは任せた。意外にここにいるのは難しい」
俺は体長が六〇メートルほどあるクラースの頭の上に立っている。左右に出ている大きな角ではなく、頭に何本もある小さめの角にしがみ付く感じだ。
小さいとは言っても角に触ることになる。俺とカレンの時の話を思い出して大丈夫なのかと思ったら、異性の場合は愛情表現になるそうだ。同性の場合は普通は単なる親愛の情らしい。そもそも俺の場合はクラースと義理の親子だから何も問題ないというわけだ。
戦場の遠く上空から戦況を確認する。兵力はゴール王国が二倍以上いるか。最初から多かったのか、それともアルマン王国の方が減ったのか。
陣形はゴール王国がU字形をし、アルマン王国軍を包囲しかけている。敵の本陣は……あの位置か。どうやら本陣は後ろに下がっているようだ。
ありがたいことに、クラースが俺に遠くを見ることができる魔法をかけてくれている。そうでなければとても見えない。
「クラース、あのU字から少し下がったところにいるのが敵の本陣だ。頼む」
《任された》
俺を乗せたクラースが頭を下げて急降下すると、双方の陣形が乱れた。クラースは敵の本陣に十分近付いてから火球を一つ吐いてそのまま上昇した。
ボフッ!
後ろで悲鳴が上がったようだが、振り向くような余裕はない。結界があって風も熱もはかなり防いでくれるが、クラースの頭が動けば俺の体も振られる。体を支えているのは二本の腕だけだ。落ちたら洒落にならない。
今度は旋回して存在を見せつける。今回アメリアたちに無理を言って用意してもらった巨大なアルマン王国の国旗が風になびく。とりあえず今回だけ使えればいいので、布を繋いで染料を塗っただけの簡易な物だ。雨が降れば色が落ちる。それでもどちらの味方かは分かるはずだ。あまり上昇すると見えなくなるが。
《大丈夫か?》
「揺れるがなんとか大丈夫だ。敵味方の間に何発か頼む」
《よし》
この間にアルマン王国軍は下がって態勢を立て直そうとしている。ゴール王国軍は完全に足が止まっている。両軍の間に隙間ができた。狙うならそこだ。
クラースは戦場を横切るように飛び、敵の先頭がちょうど巻き込まれるかどうかという絶妙な具合で火球を飛ばした。
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