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第一章:領主一年目
嫉妬?
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この領地は恵まれている。いや、このアルマン王国の一番北の端にあり、簡単に他の領地と行き来が簡単にできないのを恵まれているとは言わないだろうが、資源としては他にはないものがある。それが竜の鱗や爪や牙だ。
少し前まで遊びに来ていたクラースとパウラの二人、そしてその娘のカレンは、この領地の北にある高い山に暮らす竜の家族だ。カレンが俺の妻になり、この町が完成するのを見届けると、クラースとパウラは旅立った。山にある彼らの家はカレンが管理しているが、人が訪ねてくることもないから、基本は入り口を閉じて放置だ。
竜は魔獣と考えられることもあれば聖獣と考えられることもある。どちらにせよ軽々しく手を出すような相手ではない。下手に怒らせば国が簡単に滅ぶような相手だ。竜がいる場所には近付かない、それが基本のはずだ。
だが竜の方から近付いてきたらどうなるのか。俺の場合は参考にもならないだろうが、その竜と結婚することになった。クラースとパウラの双方からカレンは例外だと思った方がいいと言われたが、それに関しては確かにそうだと生活をする上で理解するようになった。
さて、竜と一緒に暮らしていると色々な点で人との違いが気になってくる。気になるからと言って嫌なわけではないが、気になることは多い。それが鱗のことだ。
人の姿になったカレンの見た目は、人間とまったく変わらない。青味がかった黒髪を肩の下まで伸ばした小柄な少女だ。だがごく稀に角や羽や尻尾を出していることもある。たまに出したくなるらしい。
人の姿のまま竜としての特徴が出せるのは、角と羽と尻尾くらいのものらしい。人の姿で羽と尻尾を出すと、普通に作られた服なら破れてしまう。以前は魔力で作った服を着ていたが、最近は買ってきた服を着ることも増えたので気を付けているようだ。
今は妊娠中だから無理だが、竜の姿に戻ると当然だが体は大きい。カレンは去年成人したばかりで竜としては小柄らしいが、それでも口元から尻尾の先までで三五メートルくらいはある。クラースは六〇メートル近くあり、パウラでも五〇メートル近い。そうなると鱗によっては両腕で丸を作ったくらいの大きさになることもある。
その鱗だが、竜本人にとってもどのような仕組みでそうなっているかは分からないそうだが、寝ている間に生え替わるらしい。起きると周りに散らばっているそうだ。人なら髪の毛が抜けるようなものだろう。
爪は大きく折れると伸びて長さが戻るそうだ。そのままだと太さのバランスが悪いので削るらしい。だからそれを薬の材料に使うこともあると。
牙は折れるとそのうち新しい牙が後ろから生えてきて、折れたものはポロッと落ちるそうだ。子供の歯が生え替わるような感じだろうか。ただし何度折れても生えてくるそうだ。
鱗は寝ている間に生え替わるが、生え替わる瞬間は見たことがないらしい。クラースも生え替わる瞬間がどうなっているのか気になったことがあったそうだが、待っていても生え替わることはなかったそうだ。そのうち余計なことは考えなくなったと。
竜の鱗は体から生えている間は少ししなるくらい柔らかいが、剥がれ落ちると剣も通さないほど堅くなる。成人する頃までは脱皮をするので、そのときはごっそりと生え替わることになるそうだ。俺がクラースから受け取った結納品の中には、カレンが初めて脱皮したときの皮があった。あれは大切に保管してある。
成人を迎えると脱皮はなくなり、鱗もいきなり全部生え替わることはなく、目が覚めたら落ちている程度だそうだ。大きなものはそのまま倉庫に放り込み、寝返りで潰してしまったり、うっかり潰したり踏んだりして細かくなってしまったものは適当に処分するのだとか。
適当に処分とは言っても、人の間では価値があることを彼らだって分かっている。だから冒険者のふりをして売却したり、以前に聞いたように農地に肥料として撒いたりするらしい。売却したときには、その金を教会や孤児院などに寄付したり、職人を助けるために商品をまとめて購入したり、そのようなことをしてからその町を立ち去るそうだ。そのようにして市場に竜の鱗が出回るようになる。
竜の中でもカレンたちのように人の言葉を話したり人の姿になることができないような小型で下級の竜もいる。そのあたりは種族によって最初から決まっているそうだ。
下級の竜でも十分に恐ろしい生き物だが、それでも狩りの対象になることはある。あるいはワイバーンなどの亜竜と呼ばれる生物の鱗が竜の鱗だとして売られることもある。それらも竜の鱗であることには変わりないそうだが、溜められる魔力量はかなり少ないそうだ。そして魔力が多い方から少ない方に流すという特性も、クラースたちのように一定の魔力を持っている上級の竜でなければ弱いのだとか。
「なるほど、これくらいあればいいのか」
ダニエルさんからの手紙が届いたのは、俺が空き部屋で鱗を分けていたときだった。何かあればと言っておいたので何があったのかと思えば、なるほど、そういうことだったのか。
「ねえ、お母さんの鱗をしみじみと見てどうしたの?」
たまたま俺の顔よりも大きい鱗を手に取って調べていると、部屋に入ってきたカレンがそんなことを聞いてきた。
「これか? クラースとパウラの鱗を分けようと思ってな。ダニエルさんがトンネルの天井に取り付ける伝達路や照明を作るのに、どれくらいの鱗が必要かを計算してくれたから、そのためだ」
「ええっと、たしかにこれくらいの太さならそう簡単に折れたりはしないわね」
「俺の言葉が足りなかったのかもしれないが、最初は貴重な鱗だから糸のように細くしようと考えていたようだ。だがそれなりに量があるから大丈夫だと思ったらしい」
「人にとっては貴重みたいだからね。いくらでも出てくるのに」
「けっこう頻繁に生え替わるのか?」
「さすがに毎日とかじゃないけど、ポロッと落ちてるのよ。寝ている間に。そのときには新しいのが生えてるの。前にも言ったと思うけど、生えている間は柔らかいのに、落ちたものは硬いのよ。不思議よね」
竜自身が不思議だと言っているわけだから、本当に不思議だ。
「それよりも、どうしてお母さんの名前しか出ないの? 私のも入ってるのよ!」
「いや、俺にはカレンとパウラの鱗の違いは分からないぞ。クラースのは色が違うから分かるが」
「これがお母さんので、これが私の。手触りが少し違うわ。お母さんのは少しサラッとしていて、私のはツルッとしてるの。匂いも少し違うから、これからは覚えてね」
これも嫉妬か?
少し前まで遊びに来ていたクラースとパウラの二人、そしてその娘のカレンは、この領地の北にある高い山に暮らす竜の家族だ。カレンが俺の妻になり、この町が完成するのを見届けると、クラースとパウラは旅立った。山にある彼らの家はカレンが管理しているが、人が訪ねてくることもないから、基本は入り口を閉じて放置だ。
竜は魔獣と考えられることもあれば聖獣と考えられることもある。どちらにせよ軽々しく手を出すような相手ではない。下手に怒らせば国が簡単に滅ぶような相手だ。竜がいる場所には近付かない、それが基本のはずだ。
だが竜の方から近付いてきたらどうなるのか。俺の場合は参考にもならないだろうが、その竜と結婚することになった。クラースとパウラの双方からカレンは例外だと思った方がいいと言われたが、それに関しては確かにそうだと生活をする上で理解するようになった。
さて、竜と一緒に暮らしていると色々な点で人との違いが気になってくる。気になるからと言って嫌なわけではないが、気になることは多い。それが鱗のことだ。
人の姿になったカレンの見た目は、人間とまったく変わらない。青味がかった黒髪を肩の下まで伸ばした小柄な少女だ。だがごく稀に角や羽や尻尾を出していることもある。たまに出したくなるらしい。
人の姿のまま竜としての特徴が出せるのは、角と羽と尻尾くらいのものらしい。人の姿で羽と尻尾を出すと、普通に作られた服なら破れてしまう。以前は魔力で作った服を着ていたが、最近は買ってきた服を着ることも増えたので気を付けているようだ。
今は妊娠中だから無理だが、竜の姿に戻ると当然だが体は大きい。カレンは去年成人したばかりで竜としては小柄らしいが、それでも口元から尻尾の先までで三五メートルくらいはある。クラースは六〇メートル近くあり、パウラでも五〇メートル近い。そうなると鱗によっては両腕で丸を作ったくらいの大きさになることもある。
その鱗だが、竜本人にとってもどのような仕組みでそうなっているかは分からないそうだが、寝ている間に生え替わるらしい。起きると周りに散らばっているそうだ。人なら髪の毛が抜けるようなものだろう。
爪は大きく折れると伸びて長さが戻るそうだ。そのままだと太さのバランスが悪いので削るらしい。だからそれを薬の材料に使うこともあると。
牙は折れるとそのうち新しい牙が後ろから生えてきて、折れたものはポロッと落ちるそうだ。子供の歯が生え替わるような感じだろうか。ただし何度折れても生えてくるそうだ。
鱗は寝ている間に生え替わるが、生え替わる瞬間は見たことがないらしい。クラースも生え替わる瞬間がどうなっているのか気になったことがあったそうだが、待っていても生え替わることはなかったそうだ。そのうち余計なことは考えなくなったと。
竜の鱗は体から生えている間は少ししなるくらい柔らかいが、剥がれ落ちると剣も通さないほど堅くなる。成人する頃までは脱皮をするので、そのときはごっそりと生え替わることになるそうだ。俺がクラースから受け取った結納品の中には、カレンが初めて脱皮したときの皮があった。あれは大切に保管してある。
成人を迎えると脱皮はなくなり、鱗もいきなり全部生え替わることはなく、目が覚めたら落ちている程度だそうだ。大きなものはそのまま倉庫に放り込み、寝返りで潰してしまったり、うっかり潰したり踏んだりして細かくなってしまったものは適当に処分するのだとか。
適当に処分とは言っても、人の間では価値があることを彼らだって分かっている。だから冒険者のふりをして売却したり、以前に聞いたように農地に肥料として撒いたりするらしい。売却したときには、その金を教会や孤児院などに寄付したり、職人を助けるために商品をまとめて購入したり、そのようなことをしてからその町を立ち去るそうだ。そのようにして市場に竜の鱗が出回るようになる。
竜の中でもカレンたちのように人の言葉を話したり人の姿になることができないような小型で下級の竜もいる。そのあたりは種族によって最初から決まっているそうだ。
下級の竜でも十分に恐ろしい生き物だが、それでも狩りの対象になることはある。あるいはワイバーンなどの亜竜と呼ばれる生物の鱗が竜の鱗だとして売られることもある。それらも竜の鱗であることには変わりないそうだが、溜められる魔力量はかなり少ないそうだ。そして魔力が多い方から少ない方に流すという特性も、クラースたちのように一定の魔力を持っている上級の竜でなければ弱いのだとか。
「なるほど、これくらいあればいいのか」
ダニエルさんからの手紙が届いたのは、俺が空き部屋で鱗を分けていたときだった。何かあればと言っておいたので何があったのかと思えば、なるほど、そういうことだったのか。
「ねえ、お母さんの鱗をしみじみと見てどうしたの?」
たまたま俺の顔よりも大きい鱗を手に取って調べていると、部屋に入ってきたカレンがそんなことを聞いてきた。
「これか? クラースとパウラの鱗を分けようと思ってな。ダニエルさんがトンネルの天井に取り付ける伝達路や照明を作るのに、どれくらいの鱗が必要かを計算してくれたから、そのためだ」
「ええっと、たしかにこれくらいの太さならそう簡単に折れたりはしないわね」
「俺の言葉が足りなかったのかもしれないが、最初は貴重な鱗だから糸のように細くしようと考えていたようだ。だがそれなりに量があるから大丈夫だと思ったらしい」
「人にとっては貴重みたいだからね。いくらでも出てくるのに」
「けっこう頻繁に生え替わるのか?」
「さすがに毎日とかじゃないけど、ポロッと落ちてるのよ。寝ている間に。そのときには新しいのが生えてるの。前にも言ったと思うけど、生えている間は柔らかいのに、落ちたものは硬いのよ。不思議よね」
竜自身が不思議だと言っているわけだから、本当に不思議だ。
「それよりも、どうしてお母さんの名前しか出ないの? 私のも入ってるのよ!」
「いや、俺にはカレンとパウラの鱗の違いは分からないぞ。クラースのは色が違うから分かるが」
「これがお母さんので、これが私の。手触りが少し違うわ。お母さんのは少しサラッとしていて、私のはツルッとしてるの。匂いも少し違うから、これからは覚えてね」
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