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第一章:領主一年目
自給自足
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「それではな」
「行ってきますね」
「気をつけてな」
「行ってらっしゃい」
クラースとパウラは陽が昇ると北の空へ向かって飛んで行った。戻ってくるのがどれくらい先になるかは分からないが、一年や二年ではないだろう。二人が戻ってくるまでにそれなりの町にしておかないとな。
「ねえ、とりあえずみんなの住む場所はできたけど、これからどうするの?」
「トンネルの細かい相談はまだしていないからなあ。それまでにできることは、食料集めか人集めか……」
食料は麦以外で手に入るものを探さなければならない。麦は……一〇日ほどで実ることが分かったので、もう一度蒔いて確認することにした。次も一〇日で実るなら、鱗の効き目は確実だろう。効き目を疑っているわけじゃないんだが、次も同じ日数で実るかどうかを知ることは重要だ。次が二〇日かかるなら、効き目が落ちたことになるからな。
麦以外に芋や野菜も畑で育てるとして、町の外で肉や木の実などを得る必要はあるだろう。周りには魔獣も野獣もいるので、それらを狩って肉を得るのが手っ取り早い。王都でまとめて買うことも可能だが、俺がいなくても食料が得られるようにしておきたい。長期でここを離れる可能性だってあるからだ。
狩り以外でとなれば、お隣のマーロー男爵領に買いに行くことになるだろう。そのためにはマーロー男爵領に十分な量が存在する必要があるが、うちよりも魔獣や野獣が多いとは思えない。やはりできる限り自前で用意するのがいいだろうな。
「肉が必要なら、山の向こうで狩ってこようか?」
「あの北の山の向こうか? 何がいるんだ?」
「一匹でそれなりの大きさなのはヒュドラやワイバーン、ガルーダくらいかしら。マンティコアやグリフォン、ヒポグリフ、ペガサスあたりも数を狩れば大丈夫ね」
「お前が怪我をしたらどうするんだ。危ないだろう」
「そう? たぶん大丈夫よ」
「それでもやめておけ。それは最終手段だ」
人の姿で熊や猪を狩る分には何も言わないが、竜の姿でヒュドラやワイバーンと戦うのは、大丈夫と聞いても心配だ。しかも「たぶん」ときた。山の家を出たのがあのときが初めてなら、実際にまだ狩ったことはないはずだ。
「竜にとって、ヒュドラやワイバーンはどういう存在なんだ?」
「食事?」
「まあその一言で大丈夫そうだとは分かった。でもどうして急に体を動かしたくなったんだ?」
「どうも最近、なんか体が鈍ってね」
「そうなのか?」
「うん、夜はきっちり動いてるけど、どうも昼間がね」
「……一緒に狩りにでも行くか?」
「行く」
このままでは夜がもっと激しくなりかねない。寝不足は大敵だ。俺の安眠のために、魔獣たちには我慢してもらおう。
「明日からしばらく山の方で狩りをする。剣や槍、弓矢が得意な者は参加してほしい。大物を買ったやつにはとっておきの酒を出すぞ」
男連中と狩りに出る前に、とりあえず今日のうちに俺とカレンで山を調べることにした。場所はマーロー男爵領との間にある南の山で、そこにはそれほど凶悪な魔獣はいない。うちでは南の山と呼んでいるが、この呼び方はうちから見た場合の話で、デニス殿なら北の山と呼ぶだろう。
「この近くにどれくらいいるかだが……」
「エルマー、上から誰かが見てるわ」
「上? 山の上か?」
「ほら、あれあれ。前に下りたでしょ、ベンチが置いてあったあたり」
「んん? さすがに目では見えないぞ」
望遠鏡を取り出して見ていると、山の上でも望遠鏡でこちらを見ていると思わしき二人連れがいた。
「ああ、あの展望台のところか」
望遠鏡で覗きながら手を振ってみると、向こうも振り返してきた。
「カレン、上まで運んでくれるか?」
「いいわよ」
カレンは羽を出すと俺を抱きかかえ、山の上まで運んでくれた。
俺とカレンが頂上に下りると、まあ当然だが驚いていた。さすがに飛んでくるとは思わなかっただろう。俺より年上と年下の男が一人ずつだ。
「君たちは、デニス殿のところの?」
「あ、は、はい。ノルト男爵様ですよね?」
「ああ、そうだ。こちらが妻のカレンだ」
「よろしくね」
「あっはい。よろしくお願いします」
「ところで、君たちはどうしてここに?」
「はい、それが——」
今日の夜、エクセンの住民たちが山の向こう——つまりドラゴネット側——の空が赤くなり火柱が立つのを見てデニス殿に相談した。デニス殿は問題はないと思うが念のために誰か見てきてほしいと言い、それで二人が見に来たと。
昨日の宴会で、酔ったクラースが竜の姿になって火を吐いていたが、途中から空を飛んで吐いていた。どうもそれが山の向こうから見えたらしい。暗い夜空が赤くなれば誰だって怖いだろう。クラースはもうここにはいないが、この件はこちらが悪い。
「それはこちらが原因だな。実は町の完成記念の祝い事をしていたから、そのときに少々派手にやったのが見えたんだろう」
「完成記念ですか?」
「ああ、向こうに見えるだろう。あの丸い部分だ」
「もう完成したのですか?」
「大まかにだがな。まだ家を建てただけで、店もなければ人も来ないが」
二人は望遠鏡で俺が言ったあたりを確認している。「城だ」とか「麦が青い」とか聞こえてきたが、今は説明しなくてもいいだろう。
諸々の説明は簡単にしておいた。さすがに彼らに「送別会で妻の父が酔って竜の姿で火を吐いていた」とありのまま伝えるのもどうかと思って誤魔化した。デニス殿は何か気付くかもしれないが、麦も育って家も完成したわけだから、決して間違いとは言えないだろう。
「トンネルのこともあるから、来週デニス殿に会いに行く。そう伝えておいてもらいたい」
「分かりました。間違いなく伝えます」
「頼む」
彼らは南側へ下り、俺たちは北側に下りる。
「やっぱり向こうに見えてたのね」
「広場で火を吐く分にはさすがに見えないだろうが、飛んで吐くのはマズかったな。戻ってきたときには気をつけてもらおう」
何年後か分からないが、二人が戻ってきたら伝えよう。それまでに覚えていられるかどうか分からないが。
「さあ、そろそろ簡単に狩りをしようか」
「行ってくるわね」
下まで来るとすぐにカレンはすっ飛んでいった。よほど体を動かしたいらしい。まあ熊や猪ならそれほど危なくないから大丈夫だろう。俺にはヒュドラはワイバーンがどれほど危険なのか想像もできないが、さすがにカレンでも少しは怪我でもするんじゃないだろうか。絶対安全だと分かっているなら、カレンが竜の姿でヒュドラと戦うのはいい娯楽になるとは思うが。
「とりあえず二匹ね」
「ああ、これは一撃か」
「首に手刀を入れただけね。じゃあ次ね」
「気をつけろよ」
最終的にカレンが狩ってきたのは、熊が一二頭、猪が七頭、鹿が四頭だった。明日の分はあるのか?
「なあ、カレン、明日の分は残っているのか?」
「大丈夫よ。今日は西側ばっかりで獲ったけど、東側にもそれなりにいそうね」
「それならいいが」
その後は俺も鹿を一頭倒して体が鈍っていないのを確認し、それから二人で街へと戻った。
「行ってきますね」
「気をつけてな」
「行ってらっしゃい」
クラースとパウラは陽が昇ると北の空へ向かって飛んで行った。戻ってくるのがどれくらい先になるかは分からないが、一年や二年ではないだろう。二人が戻ってくるまでにそれなりの町にしておかないとな。
「ねえ、とりあえずみんなの住む場所はできたけど、これからどうするの?」
「トンネルの細かい相談はまだしていないからなあ。それまでにできることは、食料集めか人集めか……」
食料は麦以外で手に入るものを探さなければならない。麦は……一〇日ほどで実ることが分かったので、もう一度蒔いて確認することにした。次も一〇日で実るなら、鱗の効き目は確実だろう。効き目を疑っているわけじゃないんだが、次も同じ日数で実るかどうかを知ることは重要だ。次が二〇日かかるなら、効き目が落ちたことになるからな。
麦以外に芋や野菜も畑で育てるとして、町の外で肉や木の実などを得る必要はあるだろう。周りには魔獣も野獣もいるので、それらを狩って肉を得るのが手っ取り早い。王都でまとめて買うことも可能だが、俺がいなくても食料が得られるようにしておきたい。長期でここを離れる可能性だってあるからだ。
狩り以外でとなれば、お隣のマーロー男爵領に買いに行くことになるだろう。そのためにはマーロー男爵領に十分な量が存在する必要があるが、うちよりも魔獣や野獣が多いとは思えない。やはりできる限り自前で用意するのがいいだろうな。
「肉が必要なら、山の向こうで狩ってこようか?」
「あの北の山の向こうか? 何がいるんだ?」
「一匹でそれなりの大きさなのはヒュドラやワイバーン、ガルーダくらいかしら。マンティコアやグリフォン、ヒポグリフ、ペガサスあたりも数を狩れば大丈夫ね」
「お前が怪我をしたらどうするんだ。危ないだろう」
「そう? たぶん大丈夫よ」
「それでもやめておけ。それは最終手段だ」
人の姿で熊や猪を狩る分には何も言わないが、竜の姿でヒュドラやワイバーンと戦うのは、大丈夫と聞いても心配だ。しかも「たぶん」ときた。山の家を出たのがあのときが初めてなら、実際にまだ狩ったことはないはずだ。
「竜にとって、ヒュドラやワイバーンはどういう存在なんだ?」
「食事?」
「まあその一言で大丈夫そうだとは分かった。でもどうして急に体を動かしたくなったんだ?」
「どうも最近、なんか体が鈍ってね」
「そうなのか?」
「うん、夜はきっちり動いてるけど、どうも昼間がね」
「……一緒に狩りにでも行くか?」
「行く」
このままでは夜がもっと激しくなりかねない。寝不足は大敵だ。俺の安眠のために、魔獣たちには我慢してもらおう。
「明日からしばらく山の方で狩りをする。剣や槍、弓矢が得意な者は参加してほしい。大物を買ったやつにはとっておきの酒を出すぞ」
男連中と狩りに出る前に、とりあえず今日のうちに俺とカレンで山を調べることにした。場所はマーロー男爵領との間にある南の山で、そこにはそれほど凶悪な魔獣はいない。うちでは南の山と呼んでいるが、この呼び方はうちから見た場合の話で、デニス殿なら北の山と呼ぶだろう。
「この近くにどれくらいいるかだが……」
「エルマー、上から誰かが見てるわ」
「上? 山の上か?」
「ほら、あれあれ。前に下りたでしょ、ベンチが置いてあったあたり」
「んん? さすがに目では見えないぞ」
望遠鏡を取り出して見ていると、山の上でも望遠鏡でこちらを見ていると思わしき二人連れがいた。
「ああ、あの展望台のところか」
望遠鏡で覗きながら手を振ってみると、向こうも振り返してきた。
「カレン、上まで運んでくれるか?」
「いいわよ」
カレンは羽を出すと俺を抱きかかえ、山の上まで運んでくれた。
俺とカレンが頂上に下りると、まあ当然だが驚いていた。さすがに飛んでくるとは思わなかっただろう。俺より年上と年下の男が一人ずつだ。
「君たちは、デニス殿のところの?」
「あ、は、はい。ノルト男爵様ですよね?」
「ああ、そうだ。こちらが妻のカレンだ」
「よろしくね」
「あっはい。よろしくお願いします」
「ところで、君たちはどうしてここに?」
「はい、それが——」
今日の夜、エクセンの住民たちが山の向こう——つまりドラゴネット側——の空が赤くなり火柱が立つのを見てデニス殿に相談した。デニス殿は問題はないと思うが念のために誰か見てきてほしいと言い、それで二人が見に来たと。
昨日の宴会で、酔ったクラースが竜の姿になって火を吐いていたが、途中から空を飛んで吐いていた。どうもそれが山の向こうから見えたらしい。暗い夜空が赤くなれば誰だって怖いだろう。クラースはもうここにはいないが、この件はこちらが悪い。
「それはこちらが原因だな。実は町の完成記念の祝い事をしていたから、そのときに少々派手にやったのが見えたんだろう」
「完成記念ですか?」
「ああ、向こうに見えるだろう。あの丸い部分だ」
「もう完成したのですか?」
「大まかにだがな。まだ家を建てただけで、店もなければ人も来ないが」
二人は望遠鏡で俺が言ったあたりを確認している。「城だ」とか「麦が青い」とか聞こえてきたが、今は説明しなくてもいいだろう。
諸々の説明は簡単にしておいた。さすがに彼らに「送別会で妻の父が酔って竜の姿で火を吐いていた」とありのまま伝えるのもどうかと思って誤魔化した。デニス殿は何か気付くかもしれないが、麦も育って家も完成したわけだから、決して間違いとは言えないだろう。
「トンネルのこともあるから、来週デニス殿に会いに行く。そう伝えておいてもらいたい」
「分かりました。間違いなく伝えます」
「頼む」
彼らは南側へ下り、俺たちは北側に下りる。
「やっぱり向こうに見えてたのね」
「広場で火を吐く分にはさすがに見えないだろうが、飛んで吐くのはマズかったな。戻ってきたときには気をつけてもらおう」
何年後か分からないが、二人が戻ってきたら伝えよう。それまでに覚えていられるかどうか分からないが。
「さあ、そろそろ簡単に狩りをしようか」
「行ってくるわね」
下まで来るとすぐにカレンはすっ飛んでいった。よほど体を動かしたいらしい。まあ熊や猪ならそれほど危なくないから大丈夫だろう。俺にはヒュドラはワイバーンがどれほど危険なのか想像もできないが、さすがにカレンでも少しは怪我でもするんじゃないだろうか。絶対安全だと分かっているなら、カレンが竜の姿でヒュドラと戦うのはいい娯楽になるとは思うが。
「とりあえず二匹ね」
「ああ、これは一撃か」
「首に手刀を入れただけね。じゃあ次ね」
「気をつけろよ」
最終的にカレンが狩ってきたのは、熊が一二頭、猪が七頭、鹿が四頭だった。明日の分はあるのか?
「なあ、カレン、明日の分は残っているのか?」
「大丈夫よ。今日は西側ばっかりで獲ったけど、東側にもそれなりにいそうね」
「それならいいが」
その後は俺も鹿を一頭倒して体が鈍っていないのを確認し、それから二人で街へと戻った。
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