17 / 35
第十七話
しおりを挟む
お互い、自分の傷は自分で消毒して 『おやすみささい』 『ああ。おやすみ』 と妙にまともな挨拶を交わしてリリョスさんの部屋を後にした私は、与えられた自室の藁ベッドに倒れ込んだ。
一連の出来事に思考が追い付かない。ここへ来てからずっと追い付いていないから、もうつもりつもって永遠に追い付けない気がする。
一体なんだったのか悩もうとしたはずが、すぐに寝てしまったのは、疲れていたからだと思う。
朝目が覚めると、なぜか部屋にたくさん置いてあったはずの灯篭が一つだけになっていた。
寝ているうちに猫耳さんが来たのだろうか。
あの人ノックとかしないからなぁ。一応女子……じゃなくてまごうことなく女子なんだけど。まぁ起きるのが遅かったんだからしょうがないかな。
廊下の灯篭も一つになっていたので、やはり掃除が面倒だったのだなと思いつつ台所へ行くと、今日はなんと二人分の朝食がテーブルの上に用意してあった。
いつも先に食べてしまっているリリョスさんが、座って待ってくれていた。
『おはようござます』
『おはよう』
めちゃくちゃ気まずくて、けれどなんだか嬉しくなった私は、勢いよく椅子を引いて、彼の前に座った。
『嬉しそうだな。腹がすいてたのか?』
何か聞かれた。腹……?
昨晩の記憶がよみがえりかけ、もろもろをグっと押し込んだ私は
『一緒。ごひゃん。一緒』
誤魔化した。
するとリリョスさんは、俯いて、手の甲で額をトントンと叩いた。
『あまり可愛くするな。離れがたくなる』
可愛く……ご飯が?
私は、首を傾げて、木でできたスプーンを手に持った。
コーンスープっぽいのと、ナンに似たパンと、ポテトサラダ。
可愛いといえば可愛いような気もする……かな。
いろいろ考えている間に、彼が食べ始めたので、私も食べることにした。
誰かと一緒に食べるご飯は久しぶりだ。どのくらい久しぶりかというと。どれくらいだろう。
なぜか検討がつけられなかった。
今朝は、昨日までの気だるさが嘘のように取れて、起きた瞬間から、うさ耳さんに無事を伝えたり、ハミグに会ったりしたいな……と考えたところで、なぜ今日までやらなかったんだっけと疑問を感じた。
このところの自分の行動を覚えてはいるけれど、原動力については同意できなさすぎて、自分じゃないみたいだ。
その場で考えてその場で動く。
という、私に最も足りない部分が顕著に表れた、不思議な状態だった……だから今日は、飲み過ぎた次の日のような……飲んだことないけれど、例えるならそんな感じだ。
昨日のあの出来事は、どうとらえておけばいいのだろうか。私は私でわけのわからないことを叫んだし、幸い通じていないけれど。リリョスさんも様子がおかしかった。
ホクホクした中にカリカリに揚げた何かが入ったおいしいポテトサラダを口に入れて、目の前の彼を見ると、目が合った。
『どうした』
今日のリリョスさんは、以前小屋で会っていたときの雰囲気に近い気がする。具体的なことはなんとも言えないが、少しだけ不機嫌な態度なのに、優しい声だ。
『ハ……ハミグ……』「うさ耳さん」
そこで私は、名前だけでなんとかわかって貰う会話に再び挑戦してみた。
緊張しすぎて日本語も混ぜていたが、名前を呼ぶだけなら異世界語も何もないので、うさ耳さんはうさ耳さんと言ってしまった。
「うさ耳さん?」
リリョスさんが綺麗な発音で真似してきた。
私は、日本語だ!? と驚きながら、手を頭に持って行って、ピョイピョイ動かした。
「うさ耳」
するとリリョスさんは、頷いて。
『耳族のことか』
そう言って席を立ち、台所を出て行って、すぐに戻って来た。
『これ……が役に立つかわからないが、お前にやる。あとこれは返す』
リリョスさんが、食卓の上にドサっと物を置いた。
可愛らしい動物が表紙の絵本と……。
「絵と飴とガラス玉!」
ここへ来るとき無くしたと思っていた瓶と絵の束だった。
私は、喜んだと同時に内心驚愕していた。
実はここへ来てずっと……ではなく、今朝になって再び、無くしてしまった絵や思い入れのある瓶の中身のことを思い出し、少し落ち込んでいたからだ。
名前で彼らに会いたいというのは伝わらなかったのかもしれないが、その更に奥が伝わるなんて……。
リリョスさんの察しの良さは折り紙付きかと思ったらそうじゃないじゃーんと思ってたけどやっぱりそうだった!
瓶と紙をギュっと抱えて、彼を見上げると、なんだか申し訳なさそうにされた。
『悪かった。取ろうとしたわけではなく。その……ちょっと邪魔だったから』
『ありがとうぉリリョス』
お礼を言うと、更に申し訳なさそうにされた。渡し忘れていたことを気にしているのなら、見当違いだが、それを伝えるためには……。
『これ。なに?』
私は気にしてないと言わんばかりに絵本を指さし、話をそらした。
『ああ……これは、絵本だ』
リリョスさんは、絵本を開いてめくり、トントンっと挿絵を叩いた。
そこには、ウサギの耳を生やした人が描かれていて。
「うさ耳さん」
再び日本語で発音した彼は、すぐにパタンっと本を閉じて、私に押し付けるように渡してきた。
「え?くれるんですか?」
受け取って見上げると、リリョスさんは、今までになく暖かく、それでいて寂し気な笑みを浮かべていた。
『ハミグと勉強しろ。出来るだけ健やかに過ごして……自分の世界へ帰れ』
「えっ……えっちょっ……えっと……」
何かとても大切なことを言われているような気がするけれど、ハミグしか聞き取れなかった。
もう一回言ってもらってもわからないだろうし、そもそもわかってほしいわけでもないのか、リリョスさんは、また椅子に座って、もくもくと食事を再開した。
なんだったんだろう。このまま流していいのかな。
私は、もっと勉強しなければと気合を入れ、絵本と瓶をテーブルの端に置いて食事を続けようとして、けれど汚れるのではないのかと気になってしまい、結局全部抱えて部屋へ戻ってベッドの上に並べ、またダッシュで台所へ戻った。
ストンっと椅子に座ってパンを口に運ぼうとしたら
『っ……』
リリョスさんが、嬉しそうに笑っていた。
「…………」
それを見た私は、持っていたパンを膝に落とし、三秒ルールで拾って口に入れ、それからスープを食べるためにフォークを持ってしまい、慌ててスプーンも持って二刀流になることで彼の笑顔を継続させた。決して意図してやったわけではない。
声をあげて笑う彼をはじめて見て……なんだかこう……いろいろと焦ってしまっただけだ。
途中から全然味がわからなくなった食事を終え、部屋へ帰ると、リリョスさんに固くて丈夫な布で出来たリュックを渡された。たぶんそこに荷物を詰めろという意味だと思い、私はよくわからないながら、さっき貰った絵本と瓶と絵を入れた。
これはまさか……私……解雇じゃないよね。
まったく雇われてもいないし、役にもたっていないが、嫌な予感がしてきた。
どきどきしながら、猫耳さんに貰った数枚の部屋着を詰め込むべきか迷っていると、入れる前にリリョスさんがリュックを持ち上げたので、少しほっとした。
着替えを置いて解雇はないもんね。どんな嫌がらせだよってなるし。
お出かけとか?
だったら嬉しいけど。
今度は少しわくわくして、ついてこいとゼスチャーするリリョスさんの後ろを歩き、玄関を出た途端。
「うわっへ!?」
急に抱き上げられて変な声が出た。
そうだった。ここからお出かけするイコールこの恥ずかしスタイルなんだ。
ポフっとリュックをお腹に置かれて、ギュっと抱えたら、リリョスさんは片手で私を支え直して門を開け、なんの合図もなく空へ――。
「ひぃいいいっ!ちょっこわぁああ!」
一瞬下降してからフワっと浮き上がり、翼をはためかせるリリョスさん。意識がなかったり、落ちて混乱してたりで、まともにこの感覚を味わったのは初めてで、私はとにかく落ちないようにと、彼の首に腕を回した。
すると、ゴゥっと風の音が強くなって。
「わああああああ!やめてください!」
急上昇に叫び声をあげて目を閉じると、風の音に交じって微かに笑い声が聞こえた。
昨日落ちて半泣き状態だった私のことを忘れたのだろうかこの人は。
苦情を言う前にフワっと体が浮いて、上昇が止まった。肌に感じる風が緩やかになり、ゆったりとした大きな羽音が聞こえる。
私は、しがみついていた体を離し、そーっと目を開けて、周りを見渡し――
「………………」
視界いっぱいの大空に息をのんだ。
「綺麗……」
月並みなことしか出てこないけれど、本当に綺麗だった。
どこまでも続く大空の全貌に、心が奪われる。自分をちっぽけに感じるのではなく、不安だった気持ちが広がって、この空の一部になったような、清々しい気分になった。
『嫌いな場所でも、景色でも、お前が居ると違うものになるんだな』
「ぇっ?」
『いや。いいんだ』
「ええっと……えっと……」
また、通じなくていいとでもいうように、勝手に話をやめたリリョスさんは、既に私ではなく、どこか遠くを見ていた。
「…………」
私とリリョスさんは、暫くの間、空の上で景色を眺めた。
一連の出来事に思考が追い付かない。ここへ来てからずっと追い付いていないから、もうつもりつもって永遠に追い付けない気がする。
一体なんだったのか悩もうとしたはずが、すぐに寝てしまったのは、疲れていたからだと思う。
朝目が覚めると、なぜか部屋にたくさん置いてあったはずの灯篭が一つだけになっていた。
寝ているうちに猫耳さんが来たのだろうか。
あの人ノックとかしないからなぁ。一応女子……じゃなくてまごうことなく女子なんだけど。まぁ起きるのが遅かったんだからしょうがないかな。
廊下の灯篭も一つになっていたので、やはり掃除が面倒だったのだなと思いつつ台所へ行くと、今日はなんと二人分の朝食がテーブルの上に用意してあった。
いつも先に食べてしまっているリリョスさんが、座って待ってくれていた。
『おはようござます』
『おはよう』
めちゃくちゃ気まずくて、けれどなんだか嬉しくなった私は、勢いよく椅子を引いて、彼の前に座った。
『嬉しそうだな。腹がすいてたのか?』
何か聞かれた。腹……?
昨晩の記憶がよみがえりかけ、もろもろをグっと押し込んだ私は
『一緒。ごひゃん。一緒』
誤魔化した。
するとリリョスさんは、俯いて、手の甲で額をトントンと叩いた。
『あまり可愛くするな。離れがたくなる』
可愛く……ご飯が?
私は、首を傾げて、木でできたスプーンを手に持った。
コーンスープっぽいのと、ナンに似たパンと、ポテトサラダ。
可愛いといえば可愛いような気もする……かな。
いろいろ考えている間に、彼が食べ始めたので、私も食べることにした。
誰かと一緒に食べるご飯は久しぶりだ。どのくらい久しぶりかというと。どれくらいだろう。
なぜか検討がつけられなかった。
今朝は、昨日までの気だるさが嘘のように取れて、起きた瞬間から、うさ耳さんに無事を伝えたり、ハミグに会ったりしたいな……と考えたところで、なぜ今日までやらなかったんだっけと疑問を感じた。
このところの自分の行動を覚えてはいるけれど、原動力については同意できなさすぎて、自分じゃないみたいだ。
その場で考えてその場で動く。
という、私に最も足りない部分が顕著に表れた、不思議な状態だった……だから今日は、飲み過ぎた次の日のような……飲んだことないけれど、例えるならそんな感じだ。
昨日のあの出来事は、どうとらえておけばいいのだろうか。私は私でわけのわからないことを叫んだし、幸い通じていないけれど。リリョスさんも様子がおかしかった。
ホクホクした中にカリカリに揚げた何かが入ったおいしいポテトサラダを口に入れて、目の前の彼を見ると、目が合った。
『どうした』
今日のリリョスさんは、以前小屋で会っていたときの雰囲気に近い気がする。具体的なことはなんとも言えないが、少しだけ不機嫌な態度なのに、優しい声だ。
『ハ……ハミグ……』「うさ耳さん」
そこで私は、名前だけでなんとかわかって貰う会話に再び挑戦してみた。
緊張しすぎて日本語も混ぜていたが、名前を呼ぶだけなら異世界語も何もないので、うさ耳さんはうさ耳さんと言ってしまった。
「うさ耳さん?」
リリョスさんが綺麗な発音で真似してきた。
私は、日本語だ!? と驚きながら、手を頭に持って行って、ピョイピョイ動かした。
「うさ耳」
するとリリョスさんは、頷いて。
『耳族のことか』
そう言って席を立ち、台所を出て行って、すぐに戻って来た。
『これ……が役に立つかわからないが、お前にやる。あとこれは返す』
リリョスさんが、食卓の上にドサっと物を置いた。
可愛らしい動物が表紙の絵本と……。
「絵と飴とガラス玉!」
ここへ来るとき無くしたと思っていた瓶と絵の束だった。
私は、喜んだと同時に内心驚愕していた。
実はここへ来てずっと……ではなく、今朝になって再び、無くしてしまった絵や思い入れのある瓶の中身のことを思い出し、少し落ち込んでいたからだ。
名前で彼らに会いたいというのは伝わらなかったのかもしれないが、その更に奥が伝わるなんて……。
リリョスさんの察しの良さは折り紙付きかと思ったらそうじゃないじゃーんと思ってたけどやっぱりそうだった!
瓶と紙をギュっと抱えて、彼を見上げると、なんだか申し訳なさそうにされた。
『悪かった。取ろうとしたわけではなく。その……ちょっと邪魔だったから』
『ありがとうぉリリョス』
お礼を言うと、更に申し訳なさそうにされた。渡し忘れていたことを気にしているのなら、見当違いだが、それを伝えるためには……。
『これ。なに?』
私は気にしてないと言わんばかりに絵本を指さし、話をそらした。
『ああ……これは、絵本だ』
リリョスさんは、絵本を開いてめくり、トントンっと挿絵を叩いた。
そこには、ウサギの耳を生やした人が描かれていて。
「うさ耳さん」
再び日本語で発音した彼は、すぐにパタンっと本を閉じて、私に押し付けるように渡してきた。
「え?くれるんですか?」
受け取って見上げると、リリョスさんは、今までになく暖かく、それでいて寂し気な笑みを浮かべていた。
『ハミグと勉強しろ。出来るだけ健やかに過ごして……自分の世界へ帰れ』
「えっ……えっちょっ……えっと……」
何かとても大切なことを言われているような気がするけれど、ハミグしか聞き取れなかった。
もう一回言ってもらってもわからないだろうし、そもそもわかってほしいわけでもないのか、リリョスさんは、また椅子に座って、もくもくと食事を再開した。
なんだったんだろう。このまま流していいのかな。
私は、もっと勉強しなければと気合を入れ、絵本と瓶をテーブルの端に置いて食事を続けようとして、けれど汚れるのではないのかと気になってしまい、結局全部抱えて部屋へ戻ってベッドの上に並べ、またダッシュで台所へ戻った。
ストンっと椅子に座ってパンを口に運ぼうとしたら
『っ……』
リリョスさんが、嬉しそうに笑っていた。
「…………」
それを見た私は、持っていたパンを膝に落とし、三秒ルールで拾って口に入れ、それからスープを食べるためにフォークを持ってしまい、慌ててスプーンも持って二刀流になることで彼の笑顔を継続させた。決して意図してやったわけではない。
声をあげて笑う彼をはじめて見て……なんだかこう……いろいろと焦ってしまっただけだ。
途中から全然味がわからなくなった食事を終え、部屋へ帰ると、リリョスさんに固くて丈夫な布で出来たリュックを渡された。たぶんそこに荷物を詰めろという意味だと思い、私はよくわからないながら、さっき貰った絵本と瓶と絵を入れた。
これはまさか……私……解雇じゃないよね。
まったく雇われてもいないし、役にもたっていないが、嫌な予感がしてきた。
どきどきしながら、猫耳さんに貰った数枚の部屋着を詰め込むべきか迷っていると、入れる前にリリョスさんがリュックを持ち上げたので、少しほっとした。
着替えを置いて解雇はないもんね。どんな嫌がらせだよってなるし。
お出かけとか?
だったら嬉しいけど。
今度は少しわくわくして、ついてこいとゼスチャーするリリョスさんの後ろを歩き、玄関を出た途端。
「うわっへ!?」
急に抱き上げられて変な声が出た。
そうだった。ここからお出かけするイコールこの恥ずかしスタイルなんだ。
ポフっとリュックをお腹に置かれて、ギュっと抱えたら、リリョスさんは片手で私を支え直して門を開け、なんの合図もなく空へ――。
「ひぃいいいっ!ちょっこわぁああ!」
一瞬下降してからフワっと浮き上がり、翼をはためかせるリリョスさん。意識がなかったり、落ちて混乱してたりで、まともにこの感覚を味わったのは初めてで、私はとにかく落ちないようにと、彼の首に腕を回した。
すると、ゴゥっと風の音が強くなって。
「わああああああ!やめてください!」
急上昇に叫び声をあげて目を閉じると、風の音に交じって微かに笑い声が聞こえた。
昨日落ちて半泣き状態だった私のことを忘れたのだろうかこの人は。
苦情を言う前にフワっと体が浮いて、上昇が止まった。肌に感じる風が緩やかになり、ゆったりとした大きな羽音が聞こえる。
私は、しがみついていた体を離し、そーっと目を開けて、周りを見渡し――
「………………」
視界いっぱいの大空に息をのんだ。
「綺麗……」
月並みなことしか出てこないけれど、本当に綺麗だった。
どこまでも続く大空の全貌に、心が奪われる。自分をちっぽけに感じるのではなく、不安だった気持ちが広がって、この空の一部になったような、清々しい気分になった。
『嫌いな場所でも、景色でも、お前が居ると違うものになるんだな』
「ぇっ?」
『いや。いいんだ』
「ええっと……えっと……」
また、通じなくていいとでもいうように、勝手に話をやめたリリョスさんは、既に私ではなく、どこか遠くを見ていた。
「…………」
私とリリョスさんは、暫くの間、空の上で景色を眺めた。
0
お気に入りに追加
306
あなたにおすすめの小説
長女は家族を養いたい! ~凍死から始まるお仕事冒険記~
灰色サレナ
ファンタジー
とある片田舎で貧困の末に殺された3きょうだい。
その3人が目覚めた先は日本語が通じてしまうのに魔物はいるわ魔法はあるわのファンタジー世界……そこで出会った首が取れるおねーさん事、アンドロイドのエキドナ・アルカーノと共に大陸で一番大きい鍛冶国家ウェイランドへ向かう。
魔物が生息する世界で生き抜こうと弥生は真司と文香を護るためギルドへと就職、エキドナもまた家族を探すという目的のために弥生と生活を共にしていた。
首尾よく仕事と家、仲間を得た弥生は別世界での生活に慣れていく、そんな中ウェイランド王城での見学イベントで不思議な男性に狙われてしまう。
訳も分からぬまま再び死ぬかと思われた時、新たな来訪者『神楽洞爺』に命を救われた。
そしてひょんなことからこの世界に実の両親が生存していることを知り、弥生は妹と弟を守りつつ、生活向上に全力で遊んでみたり、合流するために路銀稼ぎや体力づくり、なし崩し的に侵略者の撃退に奮闘する。
座敷童や女郎蜘蛛、古代の優しき竜。
全ての家族と仲間が集まる時、物語の始まりである弥生が選んだ道がこの世界の始まりでもあった。
ほのぼののんびり、時たまハードな弥生の家族探しの物語
追放された引きこもり聖女は女神様の加護で快適な旅を満喫中
四馬㋟
ファンタジー
幸福をもたらす聖女として民に崇められ、何不自由のない暮らしを送るアネーシャ。19歳になった年、本物の聖女が現れたという理由で神殿を追い出されてしまう。しかし月の女神の姿を見、声を聞くことができるアネーシャは、正真正銘本物の聖女で――孤児院育ちゆえに頼るあてもなく、途方に暮れるアネーシャに、女神は告げる。『大丈夫大丈夫、あたしがついてるから』「……軽っ」かくして、女二人のぶらり旅……もとい巡礼の旅が始まる。
私、平凡ですので……。~求婚してきた将軍さまは、バツ3のイケメンでした~
玉響なつめ
ファンタジー
転生したけど、平凡なセリナ。
平凡に生まれて平凡に生きて、このまま平凡にいくんだろうと思ったある日唐突に求婚された。
それが噂のバツ3将軍。
しかも前の奥さんたちは行方不明ときたもんだ。
求婚されたセリナの困惑とは裏腹に、トントン拍子に話は進む。
果たして彼女は幸せな結婚生活を送れるのか?
※小説家になろう。でも公開しています
伯爵令嬢は狙われている
屋月 トム伽
ファンタジー
伯爵家襲撃事件の生き残りのリアは仇を探して、ある小さな村に辿り着いた。
そこで出会ったクライスという青年。
仇の一員と思い込み戦いを挑むも、村に異変が起きる。
クライスはリアが何者かに狙われている事に気づき守ろうとし、そんなクライスにリアは惹かれていく。
クライスはリアが伯爵家襲撃事件の時、呪いをかけられた事を知り、解呪のために二人共に王都へと行く。
王都では二人の距離がどんどん縮まっていき・・・。
その後クライスとリアは婚約するもドラゴニアンシード(竜の叡智と呼ばれる竜水晶)持ちのリアは狙われ、クライスの溺愛は加速していく。
裏庭が裏ダンジョンでした@完結
まっど↑きみはる
ファンタジー
結界で隔離されたど田舎に住んでいる『ムツヤ』。彼は裏庭の塔が裏ダンジョンだと知らずに子供の頃から遊び場にしていた。
裏ダンジョンで鍛えた力とチート級のアイテムと、アホのムツヤは夢を見て外の世界へと飛び立つが、早速オークに捕らえれてしまう。
そこで知る憧れの世界の厳しく、残酷な現実とは……?
挿絵結構あります
【完結】追放された生活錬金術師は好きなようにブランド運営します!
加藤伊織
ファンタジー
(全151話予定)世界からは魔法が消えていっており、錬金術師も賢者の石や金を作ることは不可能になっている。そんな中で、生活に必要な細々とした物を作る生活錬金術は「小さな錬金術」と呼ばれていた。
カモミールは師であるロクサーヌから勧められて「小さな錬金術」の道を歩み、ロクサーヌと共に化粧品のブランドを立ち上げて成功していた。しかし、ロクサーヌの突然の死により、その息子で兄弟子であるガストンから住み込んで働いていた家を追い出される。
落ち込みはしたが幼馴染みのヴァージルや友人のタマラに励まされ、独立して工房を持つことにしたカモミールだったが、師と共に運営してきたブランドは名義がガストンに引き継がれており、全て一から出直しという状況に。
そんな中、格安で見つけた恐ろしく古い工房を買い取ることができ、カモミールはその工房で新たなスタートを切ることにした。
器具付き・格安・ただし狭くてボロい……そんな訳あり物件だったが、更におまけが付いていた。据えられた錬金釜が1000年の時を経て精霊となり、人の姿を取ってカモミールの前に現れたのだ。
失われた栄光の過去を懐かしみ、賢者の石やホムンクルスの作成に挑ませようとする錬金釜の精霊・テオ。それに対して全く興味が無い日常指向のカモミール。
過保護な幼馴染みも隣に引っ越してきて、予想外に騒がしい日常が彼女を待っていた。
これは、ポーションも作れないし冒険もしない、ささやかな錬金術師の物語である。
彼女は化粧品や石けんを作り、「ささやかな小市民」でいたつもりなのだが、品質の良い化粧品を作る彼女を周囲が放っておく訳はなく――。
毎日15:10に1話ずつ更新です。
この作品は小説家になろう様・カクヨム様・ノベルアッププラス様にも掲載しています。
疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!
ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。
退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた!
私を陥れようとする兄から逃れ、
不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。
逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋?
異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。
この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?
老女召喚〜聖女はまさかの80歳?!〜城を追い出されちゃったけど、何か若返ってるし、元気に異世界で生き抜きます!〜
二階堂吉乃
ファンタジー
瘴気に脅かされる王国があった。それを祓うことが出来るのは異世界人の乙女だけ。王国の幹部は伝説の『聖女召喚』の儀を行う。だが現れたのは1人の老婆だった。「召喚は失敗だ!」聖女を娶るつもりだった王子は激怒した。そこら辺の平民だと思われた老女は金貨1枚を与えられると、城から追い出されてしまう。実はこの老婆こそが召喚された女性だった。
白石きよ子・80歳。寝ていた布団の中から異世界に連れてこられてしまった。始めは「ドッキリじゃないかしら」と疑っていた。頼れる知り合いも家族もいない。持病の関節痛と高血圧の薬もない。しかし生来の逞しさで異世界で生き抜いていく。
後日、召喚が成功していたと分かる。王や重臣たちは慌てて老女の行方を探し始めるが、一向に見つからない。それもそのはず、きよ子はどんどん若返っていた。行方不明の老聖女を探す副団長は、黒髪黒目の不思議な美女と出会うが…。
人の名前が何故か映画スターの名になっちゃう天然系若返り聖女の冒険。全14話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる