アイラと神のコンパス

ほのなえ

文字の大きさ
上 下
12 / 52
戦士島編

第11話 アルゴ海賊団

しおりを挟む
「コンパスはまだ北西を指しているのか……まずいな」

 サルマとアイラは東の果ての島を出てからしばらく航海し、カモメとうをも越えてさらに北西に向かっていた。

 サルマは手のひらくらいの大きさの、小さな単眼鏡を取り出して前方を確認する。
「このままじゃ、進路が闇の大穴にぶつかっちまうじゃねぇか」
「闇の大穴……オルクさんの話だと、近くを通ると吸い込まれて闇の世界に行っちゃうんだよね」
 座っているアイラが不安そうにサルマを見上げる。
「ああ。大型帆船なら渦の中心まで近寄らない限りは大丈夫なんだが……この船くらいの大きさだと、大穴のまわりの渦巻きにひっかかっただけで船がさらわれたりして、結構危ねぇんだよな。ああっめんどくせーけど……ぐるっと大回りして穴の向こうに行くしかねぇか……」
「サルマさん。大型帆船って……あの後ろの船くらいの大きさ?」
 アイラが後ろからこちらに向かって来ている船を指差す。
「ああ、あれくらいだ。あの船なら大穴の近くでも大丈夫なんだが……んん?」

 サルマは船の後方へ移動し、単眼鏡を目に当て、身を乗り出して後ろの船を見る。
「あの帆のマークは……アルゴの海賊船だ!」
「かっ……海賊っ⁉」
 アイラはそれを聞いて動揺するが、一方のサルマは笑っている。
「大丈夫だよ。俺の知り合いでな、気のいいヤツらだ。まぁ、お頭のアルゴは強面でおっかなそうに見えるがな」
「サ、サルマさん海賊と友達なの……」
(サルマさんも盗賊だから……それが普通なのかな)
 アイラは目をぱちくりさせながらそう思う。
「……そうだ、いいこと考えたぞ。アイツらの船に乗せてもらえるか頼んでみよう」
 そう言ってのけるサルマを、アイラは驚きの目で見る。
「ええっ⁉ じゃあ……この船はここに置いてっちゃうの?」
「バカ言え……置いていくかよ。この船はアルゴの船とロープか何かで繋いでおいて、一緒に持って行ってもらうんだよ」
「ふうん……」
(なんか図々しいけど……いいのかなぁ。相手は海賊だっていうのに……)
 アイラはそんなことを思いながら、後ろの船を眺める。

 サルマが帆を畳んで船を止めると、向こうからアルゴの船がだんだんと近づいてきて、二本の骨を山型に組み合わせた間にドクロのマークをあしらった模様が描かれた黒い帆が、単眼鏡なしでも見えるようになる。
 サルマは自分の頭に巻いていたターバンをはずして手に持ち、それを頭の上に掲げてぶんぶんと左右に振って叫ぶ。
「おーーーーーーい!」

 アルゴの船がそれに気づいたらしく、こちらにやってきて船を止める。青いバンダナを頭に巻いている体格のいい男が、船から身を乗り出してサルマを見下ろす。
「おい、サルマじゃねぇか。久々だな。……ん? 何だその隣にいるガキは」
「ま、ちょっといろいろあってな……。話すこともあるし、一旦オマエの船に入れてくれねぇか?」
 サルマは先程はずしたターバンを頭に巻き直しながら言う。
「…ったくしょーがねぇな。ハシゴを下ろしてやるよ。このハシゴの縄でてめぇの船を繋いでおきな」
「ありがとよ」

 上から縄ばしごが下ろされ、サルマはそれを自分の船の帆を張っている縄にくくりつけて繋ぐ。
「おい、行くぞ。のぼれるか?」
「うん、平気」
 それからアイラとサルマは縄ばしごに足をかけて上り、アルゴの船の甲板にたどり着く。サルマは先程話した男に声をかける。
「よっアルゴ」

 アルゴがこちらを振り返る。近くで見ると背が高く筋肉隆々の屈強な体つきをしており、顔はかなりの強面こわもてで……右目には黒い眼帯、左頬には大きな傷があり、なかなかの威圧感である。

「来たか。おい、おめぇら! 一旦集まりやがれ!」
 よく響くドスの効いた低い声でアルゴが叫ぶと、舵の方からは赤髪が肩下あたりまである細身の女性が、マストの上の見張り台からはどことなく冴えない感じの小柄な青年が下りてくる。
 二人ともアルゴと同じく、帆と同じ模様がひたいのあたりに描かれている青色のバンダナを頭に巻き、黒いそでなしのシャツを着ている。

 赤髪の女性がサルマに声をかける。
「あら、サルマじゃない。久しぶりね」
「オマエは相変わらずっぽいな、キャビルノ」
「でしょー? 相変わらずキレイでしょ?」
「んなこた言ってねーだろ」
 サルマはそうツッコんだ後、もうひとりの青年の方を見る。青年は少し背筋を伸ばしてサルマに挨拶をする。
「サルマさん、お久しぶりっす!」
「おうデルヒスか。オマエも相変わらず、何というか……変わらねぇな」
 サルマはそう言うと、アルゴの方に向きなおる。
「…相変わらず団員はこの二人とオマエの三人だけなのか?」
「……おう。悪いか」
「いや、ま、別に」
「ところで……その子は何なんだ?」
 アルゴはアイラの方を見やる。
「ああ、コイツはアイラっていうメリスとうにいたガキだ。詳しいことは後で話すよ」
 サルマはアルゴにそう言った後、アイラに向けて、ひとりひとり紹介をし始める。
「コイツらはアルゴ海賊団で……まずコイツはアルゴ。この海賊団のかしらで、とにかく腕っぷしが強い。そんで、横の女はキャビルノ。宝石類には目がなくて、あと自分の容姿には並々ならぬ自信があるらしい。そんでもって、横にいるヤツはデルヒス。見張りと料理担当で、冴えないツラだがこいつの料理はなかなかイケる」
「で、なんだよ話ってのは」
 アルゴがいぶかしげに尋ねる。
「ああ、ちょっと頼みがあってな」
 サルマがそう言うと三人が同時に眉をつり上げ、口々に不平を言う。
「頼みだとォ? どうせまたロクな頼みじゃねぇんだろ」
「ホント、アンタの頼みにいちいち乗ってやってるせいで、うちの海賊団がさびれてるっても言えるんだからね!」
「サルマさんの言うお宝は正直価値がよくわからなかったりして微妙だし、見つけるには相当労力もかかるし……この長い付き合いでひとつも大当たりがないんじゃやってられないっすよー!」
 サルマはそれを聞いてバツの悪い顔をする。
「み、みんなしてうるせーな。今回は宝探しにつきあってくれとかそういう訳じゃねーよ。ただ、闇の大穴を超えたいが俺の船じゃ通れねぇから……ちょいと運んでもらいたいだけだ」
 サルマがそう言うと、キャビルノが腰に手を当てて尋ねる。
「で? 行き先はどこなのよ?」
「ああ、ここから北西に行った……どこかだ」
「? どういうことだ、って」
 アルゴがいぶかしげにサルマに尋ねる。
「あー……めんどくせーけど説明すると、俺は今、コンパスの針の示す方に旅をしてるんだ。なんでも、行くべき先を示すって特別なコンパスでな。俺様の鼻によると、そいつの行き先にはお宝があるんだ」
「……例のってやつか」
 アルゴが腕を組んでそう言うと、サルマは得意げに頷く。
「おうよ。何しろ今回はいつも以上に俺の鼻が強烈に反応してやがる。はじめはコンパス自体がお宝かと思ってな、売り払おうと思って鑑定したが、鼻の反応に相応の値段はつかなかった。ってことは、お宝は針の示す先にあるってことだと俺は睨んでだな……」

「ちょ、ちょっと待ってよ!」
 二人が話しているところに、アイラが焦った様子で割って入る。
「サルマさん、もしかして……コンパスからお宝の匂いがしたから、わたしについてきたの?」
「もしかしなくてもそーだよ。俺はお宝のニオイがするところにはどこにだって飛んでくからな。今回も、オマエとオマエのコンパス両方から強烈なニオイがするから…………あ」
 サルマはそこまで言ってアイラを見た途端、はっとして口ごもる。
「……りんごパイのお礼代わりに、わたしの旅についてきてくれるってわけじゃなかったんだね……」
「……いや……それはだな……」
「おまけに、わたしのコンパスを売ろうとしたって……どういうこと⁉」
「うぐぐ…………」
(やべぇ……いつもの感じでアルゴのヤツと喋ってたせいで、コイツがいるのすっかり忘れていらねぇこと全部喋っちまった!)
 サルマは自分の顔からサッと血の気が引くのを感じる。
「……コンパスってその子のものだったの。……アンタ、バカね」
 キャビルノはそう言って、やれやれといった様子でため息をつく。

 アイラはサルマから目をそらしながら静かに言う。
「……やっとわかった。サルマさんは、わたしのコンパスを盗むために……わたしの旅についてきたんだ」
「で、でも今はもう盗む気なんてねぇよ。オマエがコンパスを持ってねぇと針が方向を示さないってわかってからは、俺はオマエの旅にずっとついて行く覚悟でだな……」
 サルマはなんとか言いくるめようとするが、即座にアイラに一蹴いっしゅうされる。
「でも、そんなこと聞いたらもうサルマさんのこと信用できない! そんな人と一緒に旅するなんて無理だよ!」
「ぐ……っ」
 サルマが口ごもる。アイラははっとしてアルゴを見る。
「そうだ、アルゴさん! もしよければ、これからサルマさんの代わりにわたしのコンパスの示す先に連れて行ってもらえないかな⁉ もしそこにお宝があったら、全部あげるから……!」
「なっ……オマエ! 本気で言ってんのか! コイツらだって賊……俺とそう変わらない、海賊なんだぜ⁉」
「でも、サルマさんよりは信用できるかもしれないし、アルゴさんの船は闇の大穴の近くも通れるんでしょ⁉」

「おめぇ……アイラといったか? 悪いがな……」
 二人が言い争っているところに、アルゴが割って入る。
「俺たちは、サルマの言う匂いとやらをそこまで信じてるわけじゃねぇ。それに海賊の仕事も一応あるからな。連れてってやるかは……ちょいと考えさせてくれねぇか」
「……そっか……そうだよね」
 アイラは残念そうにうつむく。デルヒスがその様子を見てアイラの方に駆け寄り、ぽんと肩をたたく。
「ま、まぁそんなしょげないで。さっき海の幸たっぷりのシチューを作ったんだ。食堂にあるからよかったら食べてってよ」
 そう言ってデルヒスはアイラを促し、二人は船室の方に入っていく。

 船室への扉が閉まるのを見届けると、アルゴとキャビルノがサルマの方に向き直る。
「……どうすんだサルマ」
「……あの様子じゃ、信頼を取り戻すのも大変よ?」
 二人の言葉に、サルマはいら立った様子で言う。
「……うるせぇよ。それよりオマエら、あのガキ連れて行くわけじゃねぇだろうな。アイツは俺が見つけたんだ。オマエらには渡さねぇぜ」
「……でもあの子がそれを……」
 キャビルノがそう言いかけたところで船室への扉が開く音がし、三人は扉の方を見る。デルヒスが嬉しそうに、少し浮かれた足取りでこちらにやってくる。
「……なによアンタ、にやにやして気持ち悪い。で、どうなの? あの子の様子は」
「……サルマさん」
 デルヒスはキャビルノの問いには答えず、にこにこしたままサルマの方を向く。
「? 何だよ」
「アイラちゃんって……かーわいいっすねぇ!」
「……はぁ?」
 サルマが呆れた顔になる。
「気を落としてたみたいだから、食堂に連れてってオイラの作ったシチューをあげたら……すっごくいい笑顔でおいしいおいしいって食べてくれたっすよー! オイラずっと妹が欲しかったから……あんなかわいい妹欲しいっす……」
 夢見心地でそう言うデルヒスの頭を、アルゴがぽかっと殴る。
「いでっ‼」
「んなこたどうでもいいんだよ。いつまでもヘラヘラしてんじゃねぇ」
「……ハイっす」
 デルヒスは頭をさすりながら涙目で言う。
「でも……あの子を連れてくって話、そんな悪くはないんじゃない? 連れていくだけでお宝が見つかるんなら……デルヒスもずいぶんあの子のこと気に入ったみたいだし」
 キャビルノがにやりと笑ってそう言うと、即座にサルマが食ってかかる。
「な、てめぇ……‼ てめぇが俺からアイツのこと取り上げるってんなら……俺が相手になるぜ⁉」
 サルマはそう言って、腰に巻いた布のあたりに手を伸ばす。キャビルノは慌てて両手をサルマの方に突き出して、ぶんぶんと振る。
「ちょ、ちょっとそんなムキにならないでよ! 別にアンタから無理やり取り上げようだなんて思っちゃいないから! ただ、あの子はアンタとの旅は乗り気じゃないんでしょ? そこんとこどうすんのよ」
「アイツが乗り気でなくても……無理やりにでも連れて行くさ。コンパスの針を見せねぇと痛い目みることになるぜ……とでも言ったら、見せざるを得ないだろ。……そろそろ盗賊の俺様に逆らったらどういう目にあうか、教えてやらねぇといけねぇんだ」
「……脅すのか。てめぇには似合わねぇな」
 アルゴが呟くと、サルマはアルゴに食ってかかる。
「なんでだよ。俺は血も涙もない盗賊、サルマだぜ⁉」
「いつもそう言うがな、てめぇは極悪非道な賊にはなりきれてねぇよ。ま、元は逆の立場にいたんだから当たり前だがな」
「……それを言うな。好きでその立場にいたんじゃねぇ」
 サルマは暗い顔でそう呟く。
「……とりあえず、あの子のことをどうするか考えておけ。どっちにしろ俺達も闇の大穴の方面へ向かっているところだったからな、このまま船を進めるぞ。おい、おめぇら! 持ち場に戻れ! 進路はとりあえずこのまま直進だ!」
「「イェッサー!」」
 キャビルノとデルヒスはそう言って持ち場に戻る。アルゴも船首の方に歩いていく。
「…………」
 ひとり残されたサルマは、アイラのいる船室の方を見る。

「……あれ? アルゴの兄貴ーーっ!」
 マストの上の見張り台についたデルヒスは、望遠鏡をのぞいて何かに気づいた様子で叫ぶ。
「? 何だよ」
「船の後ろから、帆船がこっちに向かってきて……えっ……あれは……」
「何よ? 早く言いなさいよ!」
 舵をとっているキャビルノがイライラした様子で叫ぶ。
「け、けけけけけ警備戦士の隊長の船……⁉」
「「なんだと⁉」」
 アルゴとサルマが同時に叫ぶ。デルヒスを除く三人が船の後方に向かい、目を凝らして向こうからやってくる船を見る。
「あの帆に描かれたエムブレムは……普通の警備戦士のものとは違って『三日月剣』が二つあるから……間違いないっす! 戦士隊長の船っす!」
「おい、デルヒス! 誰の船だ⁉ シルロか? それとも……リーシか⁉」
 アルゴは見張り台にいるデルヒスを見上げ尋ねる。デルヒスはさらに見張り台から身を乗り出して、望遠鏡を覗く。
「え、えーっと……あ、リーシ隊長が乗ってるっす! リーシ隊長の船っす!」
「そ、そうか」
 アルゴは少したじろいだ様子で言う。横にいたサルマはたじろぐどころではなく、冷や汗を大量にかいて顔を青くしている。
(け、警備戦士隊長ってだけでも厄介なのに、よりによって……リーシだとぉ⁉ 冗談じゃねぇ‼)
「リーシさんか、厄介ね。アルゴの兄貴、リーシさんが苦手だから……」
 キャビルノが目を閉じて深くため息をつく。サルマがその言葉を聞いてキャビルノを見る。
「? ……アルゴリーシのヤツが苦手なのか?」
「……アンタとは意味合いが違うでしょうけどね」
 キャビルノはサルマを横目で見て呟く。アルゴはくるりとこちらに向き直り、大声で指示を出す。
「てめぇら、何ボサっとしてやがる! デルヒス、帆をいっぱいに張れ! このまま逃げ切れたらそれが一番だ。キャビルノ、てめぇは大砲の用意だ!」
「「イェッサー!」」
 二人が同時にそう答え、準備にかかる。

「お……俺は先に俺の船で逃げるぞ! 今なら俺のことはバレてねぇだろうし、小船ならおそらく逃げきれるはずだ。てめぇらと一緒にここで捕まるわけにはいかねぇ!」
 サルマはそう言って、自分の船に向かおうとする。
「じゃあ……あの子はどうすんだ」
「………………」
 アルゴの一言に、サルマは黙り込む。
「てめぇ一人船に飛び乗って逃げるならまだしも、食堂にいるあの子を、今から無理やり船に乗せて逃げるには……時間がねぇんじゃねぇのか? もしあの子のことを諦めねぇなら、ここの船室に隠れる方が賢明だぜ」
「……でも、リーシのヤツが入ってきやがったら……」
「大丈夫よ。アルゴ海賊団はリーシ隊なんかにやられやしないわ! 船室に通じるドアは守ってやるから、アンタは大船に乗ったつもりで隠れてなさいな!」
 キャビルノがそう言って、サルマの背中をバシッと叩く。
「……だといいがな」
 サルマは不安そうに、リーシ隊の船を眺める。
「さっさと行きな! ここで突っ立ってられても迷惑だ」
「…おう。じゃ、悪いが隠れさせてもらうぜ」
 アルゴに言われて、サルマ足早に船室へと向かう。

「……にしてもキャビルノ」
「何? 兄貴」
 キャビルノが足を止めてアルゴを見上げる。
「てめぇ、何を根拠にあんなこと言いやがったんだ? 相手はいつも来る雑魚とは違う、戦士隊長の一隊だぜ? 人数だってこっちは三人ぽっちだし……正直勝ち目はそんなにねぇぞ」
 キャビルノはアルゴにいたずらっぽく笑みを見せる。
「兄貴が本気出せば大丈夫よ。ただ兄貴、今日こそは本気出してくれなきゃ困るわよ?」
「……うっせぇ。ほら、大砲の準備だ。準備出来次第すぐ撃っていいからな」
「イェッサー!」

 キャビルノは明るい声でそう答える。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

ことみとライ

雨宮大智
児童書・童話
十才の少女「ことみ」はある日、夢の中で「ライ」というペガサスに会う。ライはことみを「天空の城」へと、連れて行く。天空の城には「創造の泉」があり、ことみのような物語の書き手を待っていたのだった。夢と現実を行き来する「ことみ」の前に、天空の城の女王「エビナス」が現れた⎯⎯。ペガサスのライに導かれて、ことみの冒険が、いま始まる。 【旧筆名:多梨枝伸時代の作品】

一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!

当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。 しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。 彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。 このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。 しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。 好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。 ※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*) ※他のサイトにも重複投稿しています。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。

猫菜こん
児童書・童話
 私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。  だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。 「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」  優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。  ……これは一体どういう状況なんですか!?  静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん  できるだけ目立たないように過ごしたい  湖宮結衣(こみやゆい)  ×  文武両道な学園の王子様  実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?  氷堂秦斗(ひょうどうかなと)  最初は【仮】のはずだった。 「結衣さん……って呼んでもいい?  だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」 「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」 「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、  今もどうしようもないくらい好きなんだ。」  ……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。

十秒探偵『ナポレオン&トモロー』 すべての謎はナポレオンに解かれたがっている!

オズ研究所《横須賀ストーリー紅白へ》
児童書・童話
悪徳ホストは『へ』で殺される。ダイイングメッセージは『へ』。この難問をナポレオンは鮮やかに解き明かした。ある夏の日、突然、|友朗《トモロー》の元へ青い髪の美少年から連絡がきた。美少年の名は龍宮寺ナポレオン。日本有数の財閥の御曹司だ。しかし彼は皮膚疾患のため紫外線に当たるとヤケドをしたようになってしまう。そのせいで生まれてからずっと地下の核シェルターに引きこもって生活していた。ナポレオンの命令でトモローは、美人弁護士の神堂クリスと共に神倉海岸で起きた殺人事件を解決するため出向いた。被害者の幡地の残したダイイングメッセージは『へ』だ。すぐに容疑者で第一発見者の辺見レイカが疑われた。彼女の姉が幡地たちに拉致監禁された後に自ら命を絶っていたのだ。そのことが動機で、辺見レイカが幡地を殺害したのではないかと言う。  だがナポレオンはこのダイイングメッセージの謎をまたたく間に解き明かした。そして『ナポレオンの辞書に不可能と解けない謎はない』と宣言した。ナポレオンは被害者は『へ』で殺されたと言った。いったいダイイングメッセージの『へ』に隠された秘密とは何か。  事件が解決された瞬間、天才探偵ナポレオンの誕生した。

ミズルチと〈竜骨の化石〉

珠邑ミト
児童書・童話
カイトは家族とバラバラに暮らしている〈音読みの一族〉という〈族《うから》〉の少年。彼の一族は、数多ある〈族〉から魂の〈音〉を「読み」、なんの〈族〉か「読みわける」。彼は飛びぬけて「読め」る少年だ。十歳のある日、その力でイトミミズの姿をしている〈族〉を見つけ保護する。ばあちゃんによると、その子は〈出世ミミズ族〉という〈族《うから》〉で、四年かけてミミズから蛇、竜、人と進化し〈竜の一族〉になるという。カイトはこの子にミズルチと名づけ育てることになり……。  一方、世間では怨墨《えんぼく》と呼ばれる、人の負の感情から生まれる墨の化物が活発化していた。これは人に憑りつき操る。これを浄化する墨狩《すみが》りという存在がある。  ミズルチを保護してから三年半後、ミズルチは竜になり、カイトとミズルチは怨墨に知人が憑りつかれたところに遭遇する。これを墨狩りだったばあちゃんと、担任の湯葉《ゆば》先生が狩るのを見て怨墨を知ることに。 カイトとミズルチのルーツをたどる冒険がはじまる。

笑いの授業

ひろみ透夏
児童書・童話
大好きだった先先が別人のように変わってしまった。 文化祭前夜に突如始まった『笑いの授業』――。 それは身の毛もよだつほどに怖ろしく凄惨な課外授業だった。 伏線となる【神楽坂の章】から急展開する【高城の章】。 追い詰められた《神楽坂先生》が起こした教師としてありえない行動と、その真意とは……。

処理中です...