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第二話 三聖人ー5
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取りあえず、危機は去ったか。俺は寝そべったまま、段々と近寄ってくる彼女を仰ぎ見た。元より、謝意の念を込めて……。
ただ不意に、それにしても相変わらず短いスカートだな、とも思ってしまう。そのせいで……弱ったことに俺のスケベ心が疼いて、彼女への感謝とは裏腹に余計な感情も湧き上がったことはお察しの通り。
――おっと、それ以上近づくと駄目だよ、ギャビー。俺は下から見上げてるんだから――
ところが彼女の方は気づかないのか、まるでお構いなしだ。平然と寄ってきては、いつの間のか真うしろに立っていた。
あらら、そうなると、うわぁ、真っ白いパンティが丸見えだ! これには俺も、目を逸らせられない、不謹慎にもエロ全開で眺めてしまった。
……が、その時、〈バカヤロー! どこ見てんだ。死にたいのかー? 確り前を見ろ〉と突然、頭の中で声が響いた!
えっ? 俺は驚いて前方へ視線を落とす。
「うっ……」すると、目の前には機関銃を構えたあの男の影が、今にも撃つぞと言わんばかりに銃口をこちらに向けて対峙していた!
参った、またヘマをやらかした訳?
――連打の発砲音が鳴る!――即座に撃ってきやがった。
とはいえ、もう一人の俺が瞬時の対応を見せた。体を回転させ、道の脇へと逃げる。その跡を弾丸が追うように、けたたましくアスファルトを叩く。片やギャビーの方は、その隙に大空へ舞い上がった。
ふううっうー、危ない危ない、何とか俺様の素早い動きで難を逃れることができた。俺は一時安堵した。だが、言うまでもなく悠長に構えていられないことも分かっている。奴の銃口が、またもこちらに向けられていたからだ。
――戦いは、たった今始まったところだ!
俺の掌から、九十センチロングソードの神剣が飛び出した。それを翳し、奴に向かって一直線に空を切って飛ぶ。
当然のごとく銃弾の集中砲火が待っていた。それでも飛び来る弾丸の中、左右に身をかわし、さらに剣でも弾き返す。そんな荒業の末、遂に剣先が奴の喉笛に達した?……
殺ったかー?
――甲高い金属音が鳴った!――否、機関銃に刺さっただけだ。紙一重で避けられた。奴は銃を盾にして己の首を護ったのだ。
ただちに鉄の武器は、真っ二つに切れ下に落ちる。その間に奴は、一挙に飛び上がり、同じく手から剣を出した。まさしく魔剣だ! その鋼の刃に不気味な光を宿している。
そして、間髪入れず垂直降下、俺を目掛けて剣を振り下ろす!
――金属の交わる衝撃音が響いた!――鋼が交差して、稲光が周囲を包む。強力な閃光で目も眩んだ。
だが、俺の方も負けてはいられない。雷光が起ころうと、奴を斬り刻むため懸命に剣を振るった。
それには、男も必死の形相で俺の攻撃を受け止める。意外にも防戦一方だ。どうやら相手は、年齢相応のパワーしか持ち合わせていないみたいだ。こちらの方が体力的に勝っているのは明らか。
よし、ならば勝てるぞ!
――渾身の一撃!――俺は神剣で力強く斬りつけた。するとその衝撃で、敢え無く奴の剣は遥か後方へ吹っ飛んだ。こうなると、初老も年貢の納め時に違いない。驚いたような顔で両手を広げたまま俺を見ている。
よって最終決着の時だ! 俺様が畳み掛ける。奴の胸に剣先を向け、一突き……
「待て、マイケル」ところが、唐突に声がした。あのジーパン男だ。彼はすぐ横のビル屋上でこっちを覗き込みながら、「それでは殺せん。サマエルは首のうしろだ」と叫んでいた。
えっ? どういう意味だ。俺は混乱したものの、もう一人の俺が構わず突き刺した!
「ぐふっ、ぐぐぐぐ……」途端に男は鮮血を吹き出し、うな垂れながら力なく地上へ崩れ落ちた。続いて体を横たえた後、すぐに身を震わせたかと思ったら、口から赤黒い蛇を吐いた。
「それだ。それがサマエルだ。斬るんだ! マイケル」なおもそこに、ジーパン男の声が聞こえてきた。……が、無理だ、俺の方も動けない。そのまま地面に倒れるように着地していた。と言うのも、脇腹に強烈な痛みがあったからだ。
一方、サマエルと呼ばれた蛇の周辺にも異変が起こた。その蛇を取り囲くように炎が渦巻いたなら、突然竜巻となって火炎柱が天空へと繋がったのだ。しかも、柱の内部から巨大コウモリの羽らしき外形が垣間見れた瞬間、一気に何もかも消え失せてしまった!
その場には、いつしか魔剣も掻き消え、宿主となった老父の屍しか残っていなかった……
ただ不意に、それにしても相変わらず短いスカートだな、とも思ってしまう。そのせいで……弱ったことに俺のスケベ心が疼いて、彼女への感謝とは裏腹に余計な感情も湧き上がったことはお察しの通り。
――おっと、それ以上近づくと駄目だよ、ギャビー。俺は下から見上げてるんだから――
ところが彼女の方は気づかないのか、まるでお構いなしだ。平然と寄ってきては、いつの間のか真うしろに立っていた。
あらら、そうなると、うわぁ、真っ白いパンティが丸見えだ! これには俺も、目を逸らせられない、不謹慎にもエロ全開で眺めてしまった。
……が、その時、〈バカヤロー! どこ見てんだ。死にたいのかー? 確り前を見ろ〉と突然、頭の中で声が響いた!
えっ? 俺は驚いて前方へ視線を落とす。
「うっ……」すると、目の前には機関銃を構えたあの男の影が、今にも撃つぞと言わんばかりに銃口をこちらに向けて対峙していた!
参った、またヘマをやらかした訳?
――連打の発砲音が鳴る!――即座に撃ってきやがった。
とはいえ、もう一人の俺が瞬時の対応を見せた。体を回転させ、道の脇へと逃げる。その跡を弾丸が追うように、けたたましくアスファルトを叩く。片やギャビーの方は、その隙に大空へ舞い上がった。
ふううっうー、危ない危ない、何とか俺様の素早い動きで難を逃れることができた。俺は一時安堵した。だが、言うまでもなく悠長に構えていられないことも分かっている。奴の銃口が、またもこちらに向けられていたからだ。
――戦いは、たった今始まったところだ!
俺の掌から、九十センチロングソードの神剣が飛び出した。それを翳し、奴に向かって一直線に空を切って飛ぶ。
当然のごとく銃弾の集中砲火が待っていた。それでも飛び来る弾丸の中、左右に身をかわし、さらに剣でも弾き返す。そんな荒業の末、遂に剣先が奴の喉笛に達した?……
殺ったかー?
――甲高い金属音が鳴った!――否、機関銃に刺さっただけだ。紙一重で避けられた。奴は銃を盾にして己の首を護ったのだ。
ただちに鉄の武器は、真っ二つに切れ下に落ちる。その間に奴は、一挙に飛び上がり、同じく手から剣を出した。まさしく魔剣だ! その鋼の刃に不気味な光を宿している。
そして、間髪入れず垂直降下、俺を目掛けて剣を振り下ろす!
――金属の交わる衝撃音が響いた!――鋼が交差して、稲光が周囲を包む。強力な閃光で目も眩んだ。
だが、俺の方も負けてはいられない。雷光が起ころうと、奴を斬り刻むため懸命に剣を振るった。
それには、男も必死の形相で俺の攻撃を受け止める。意外にも防戦一方だ。どうやら相手は、年齢相応のパワーしか持ち合わせていないみたいだ。こちらの方が体力的に勝っているのは明らか。
よし、ならば勝てるぞ!
――渾身の一撃!――俺は神剣で力強く斬りつけた。するとその衝撃で、敢え無く奴の剣は遥か後方へ吹っ飛んだ。こうなると、初老も年貢の納め時に違いない。驚いたような顔で両手を広げたまま俺を見ている。
よって最終決着の時だ! 俺様が畳み掛ける。奴の胸に剣先を向け、一突き……
「待て、マイケル」ところが、唐突に声がした。あのジーパン男だ。彼はすぐ横のビル屋上でこっちを覗き込みながら、「それでは殺せん。サマエルは首のうしろだ」と叫んでいた。
えっ? どういう意味だ。俺は混乱したものの、もう一人の俺が構わず突き刺した!
「ぐふっ、ぐぐぐぐ……」途端に男は鮮血を吹き出し、うな垂れながら力なく地上へ崩れ落ちた。続いて体を横たえた後、すぐに身を震わせたかと思ったら、口から赤黒い蛇を吐いた。
「それだ。それがサマエルだ。斬るんだ! マイケル」なおもそこに、ジーパン男の声が聞こえてきた。……が、無理だ、俺の方も動けない。そのまま地面に倒れるように着地していた。と言うのも、脇腹に強烈な痛みがあったからだ。
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