獄中の翡翠

お粥定食

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首輪

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マリアが重たい瞼を開けた時、真っ先に眼に入った物は
無機質な造りの薄暗い部屋に、赤錆びた鉄の拘束具に繋がれた自身の両手。そして椅子に括り付けられている己の身体。
マリア「ここは、一体?」
マリアはキョロキョロと辺りを見渡したが、遠くの方で微かに人の気配がしただけだった。
マリアは意を決して遠くの方の人物に声を掛けようとしたその時、
司会「さあ、お集まりの皆様!本日の目玉は男である筈なのに女の様に振る舞う、女装男の晴れ舞台です!」
マリア「女装男?」
マリアがそう呟いた瞬間、マリアのいる部屋が明るくなった。
マリア「!!?」
マリアの目の前には長い列をなす人の塊が連なっていた。
マリア(何?ここは?)
マリアはできるだけ落ち着こうと周りを見渡したが、
男性客A「中々、上玉だ。こいつは本当に男なのか?」
男性客Aは司会者に対してそう聞いた。
司会者「ええ、この“マリア”はれっきとした男ですよ。」
男性客B「なら、ナニもついているのか!?」
男性客C「見せろ!見せろ!」
客達はこぞって司会者に聞いた。
司会者「残念ですが、マリアは新人なものでまだまだ触らせる事は出来ません。」
司会者がそう客達に説明をすると、男性客達は
男性客A「そうか、それは残念だ。が、喋らせる事は出来るか?」
司会者「ええ、喋らせます。マリアお客様に挨拶をしなさい。」
マリアは眼の前の状況で自分が見世物にされていることを理解した。
マリア「…………。」
マリアは沈黙した。
司会者「マリア何をしている?早くお客様に挨拶をなさい。」
司会者はマリアを急かした。
男性客A「おお、中々気丈だな。」

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