108 / 131
2章 東日本県大会編
第16話 浸食
しおりを挟む
アイチ 豊日エリア タマヨリヒメ
「総理から直々にウォーターガンの規格を?」
「ええ、自衛隊への予算を一度小さくさせて
ウォーターバトルフィールドに当てることが決まったと。
夏前の期間から水鉄砲の規格に配分するとのことで」
ノアがイヨ社長からウォーターガン規格も会社の一部に
加える話を直接聞いている。
去年からボクだけで始めたことがBWの評価によって
大きく知られてここでも取りあつかわれることとなった。
今手がけているのは水素ガスの部分だけで、
もちろん他のタイプは作ることができない。
ただ、パーツの基本作成だけは地方関係なくモデル的な
製造だけ可能なので国からまるごと作るよう言われた。
部署変更をロビーのモニターで表示してもらう、
一時的なものの、夏期は水鉄砲関連をメインにする話に
メガネをかけ直そうとした。
「ここまでやるつもりなんだ、自衛隊からお金を引いて
スポーツに割り当てなんて外国でもしない手だと思う」
「おそらくイメージ向上させたいのだと。
PTAなど一部の方からスポーツに似つかわしくないと
取り止めの題材に挙げられているので」
「側が似ているだけで・・・本当におおげさだね、
別に人を傷つけたりしない水鉄砲なのに」
「その様も通してきたの。
オオサカなど一部の有権者が反対しているけど、
関西への工場展開も成功しているの」
「パーツ増産の効率化は成功できたんだね。
バレルじゃなくポンプから特許させてるけど、
そこは今のところ問題はないの?」
「ええ、ノアお坊ちゃんの開発したBWも問題なく、
他地方に盗用されることはないでしょう。
あくまでも、特許が通れるのは型のみで
部品流通は全国に運べるルールとのこと」
国会であったバッシング[ダメだし]の対抗策がそれか、
戦争イメージを消そうとして明るくとりつくろう工夫を
もっとこらしたい。
話の流れから相談がここに流れてくるのは必然だろう。
元から軍事関係のところだから直下に来るのは当然。
正確に言うならイヨさんじゃなく父の方で、
政府にもえいきょうある開発の人だから。
広い目でみてもアイチにとって不利な話でもなく、
お金の流れがさらに良くなる前ぶれだ。
イヨさんたち会社にとってはみょうな経験だろう。
ボクにとってはウォーターガンの進化さえこなせば良い。
試合と規格の勝利を中部から知らしめるのが目的で、
ていねいに製造してゆくのに変わりはないから。
「なるほど、パパもよく考えるものだね。
一度身を引いて静まり返った後に再出発、
いわゆる反感をおさえてから行動するのが
メリットとして良い手順だね」
「1つの企業でもある限り、ひがいをおさえなければ
けいやくも全て失ってしまうでしょう。
たかがオモチャと思っては物作りの基本に欠くので。
それは・・・まあ、私たちの理想でもあるけれど。
ノアお坊ちゃんは何かお望みが?」
「ボクのBWももっと軽量化したい、
ポリ塩化ビニールを異なる物に変えてみたいんだ」
「そうね、自由に利用できる部署もすでに開けていて
検討いたします」
反対派についてはさほど深く思わず。
世論[人々の意見]なんて絶対にまとまりきれない。
自分たちが理解できないから反感をもつだけで、
正直、相手にするだけ時間のムダなので最小限に留める。
そこいらの用件も終わって専用開発室へ向かった。
ノア家
数時間後、家にもどる。ちょうと夕方になって
帰宅するタイミングも良い。門を通ったとたんに、
玄関の所で後ろすがたで金色の長い髪が見えた。
「イリーナ先生?」
「こんにちは、おじゃまするわ」
先生がボクの家に来ていた、用件は会社関連みたいで
話を終えて帰ろうとしたところのようだ。
「わざわざここまでおつかれさま、
パパによばれて来たの?」
「ええ、コンスティン校長と運営について少し。
ノア君もグラウンドでうかがわれていたことで、
くわしくお話しにきたの」
「不定形自由形の件じゃないよね?
ボクたちはコートとは特に関係ないし、
もしかしてBWで何か話でもあったの?」
「そうね、取りあつかいでPTAから注意を受けて
タマヨリヒメに相談をしにきたの」
ウオバトのトラブルが親から降りかかって
タマヨリヒメにお願いをしにきたと言う。
BWは重く、元々小学生が持ち運べる物でもないので
負担がかかりすぎて文句の1つでも言われるだろう。
ずいぶんと最近になってからひんぱんに、
そういう類の話を聞くようになる。
いわゆる旧体制の頭がよろしくない方面の
対応に先生もあくせくさせられているんだ。
「こっちも似たじょうきょうなんだね。
こんな時代でもまだ古い文化にしがみついてばかりの
ガンコモノがいるんだから」
「まあ、元から私たちはそれだけ国が広めようとする
水行事の特別なことをしているから。
めんどうをみるのは放課後になっても終わりでなく、
私生活でもはんいにふくまれるの」
「はんいか、労力も長引くと負担も増加するよ。
いくら国と学校がつながってるといっても、
先生もそこまでやらなくっても良いと思うけど」
「ううん、いいの。物事を整理するのは大切。
教員とは人の間をうかがうのが仕事でもあるし。
今は試合だけを意識して取り組みましょう」
「はい」
と言って帰っていった。
彼女は気配り上手というか、周りのケアにびんかんで
よく問題をまっすぐじゃなく遠回りに取りかかる。
部活のこもんだって積極的に担当しているのだから、
大変そうなのにイヤそうな顔を1つもしない。
クラスでも評判が良いし、教師間でも不満が聞かれない。
もし、ああいった人と付き合う相手になれたなら
幸せな人生を送れるのか。
(ハッ、ボクってば何を!?
あの人は先生だぞ・・・せんせいなんだから)
つい、みょうな思いをしてしまう。
別にボクが付き合いたいだなんてありえない。
年も離れているし、きっとどこかでだれかとデートの
1つくらいしてるに決まってる、決まっている。
確かに先生は美人でとてもよく接してもらってるから
なんとなくそう考えていただけだ。
空気の熱で脳内に負担でもかかったんだろう。
それはそうと言い分も正しく、目前のことが大切。
県大会がもう近づいてるから意識し直す。
あそこ、イシカワとの試合も直前にまでせまっていた。
「総理から直々にウォーターガンの規格を?」
「ええ、自衛隊への予算を一度小さくさせて
ウォーターバトルフィールドに当てることが決まったと。
夏前の期間から水鉄砲の規格に配分するとのことで」
ノアがイヨ社長からウォーターガン規格も会社の一部に
加える話を直接聞いている。
去年からボクだけで始めたことがBWの評価によって
大きく知られてここでも取りあつかわれることとなった。
今手がけているのは水素ガスの部分だけで、
もちろん他のタイプは作ることができない。
ただ、パーツの基本作成だけは地方関係なくモデル的な
製造だけ可能なので国からまるごと作るよう言われた。
部署変更をロビーのモニターで表示してもらう、
一時的なものの、夏期は水鉄砲関連をメインにする話に
メガネをかけ直そうとした。
「ここまでやるつもりなんだ、自衛隊からお金を引いて
スポーツに割り当てなんて外国でもしない手だと思う」
「おそらくイメージ向上させたいのだと。
PTAなど一部の方からスポーツに似つかわしくないと
取り止めの題材に挙げられているので」
「側が似ているだけで・・・本当におおげさだね、
別に人を傷つけたりしない水鉄砲なのに」
「その様も通してきたの。
オオサカなど一部の有権者が反対しているけど、
関西への工場展開も成功しているの」
「パーツ増産の効率化は成功できたんだね。
バレルじゃなくポンプから特許させてるけど、
そこは今のところ問題はないの?」
「ええ、ノアお坊ちゃんの開発したBWも問題なく、
他地方に盗用されることはないでしょう。
あくまでも、特許が通れるのは型のみで
部品流通は全国に運べるルールとのこと」
国会であったバッシング[ダメだし]の対抗策がそれか、
戦争イメージを消そうとして明るくとりつくろう工夫を
もっとこらしたい。
話の流れから相談がここに流れてくるのは必然だろう。
元から軍事関係のところだから直下に来るのは当然。
正確に言うならイヨさんじゃなく父の方で、
政府にもえいきょうある開発の人だから。
広い目でみてもアイチにとって不利な話でもなく、
お金の流れがさらに良くなる前ぶれだ。
イヨさんたち会社にとってはみょうな経験だろう。
ボクにとってはウォーターガンの進化さえこなせば良い。
試合と規格の勝利を中部から知らしめるのが目的で、
ていねいに製造してゆくのに変わりはないから。
「なるほど、パパもよく考えるものだね。
一度身を引いて静まり返った後に再出発、
いわゆる反感をおさえてから行動するのが
メリットとして良い手順だね」
「1つの企業でもある限り、ひがいをおさえなければ
けいやくも全て失ってしまうでしょう。
たかがオモチャと思っては物作りの基本に欠くので。
それは・・・まあ、私たちの理想でもあるけれど。
ノアお坊ちゃんは何かお望みが?」
「ボクのBWももっと軽量化したい、
ポリ塩化ビニールを異なる物に変えてみたいんだ」
「そうね、自由に利用できる部署もすでに開けていて
検討いたします」
反対派についてはさほど深く思わず。
世論[人々の意見]なんて絶対にまとまりきれない。
自分たちが理解できないから反感をもつだけで、
正直、相手にするだけ時間のムダなので最小限に留める。
そこいらの用件も終わって専用開発室へ向かった。
ノア家
数時間後、家にもどる。ちょうと夕方になって
帰宅するタイミングも良い。門を通ったとたんに、
玄関の所で後ろすがたで金色の長い髪が見えた。
「イリーナ先生?」
「こんにちは、おじゃまするわ」
先生がボクの家に来ていた、用件は会社関連みたいで
話を終えて帰ろうとしたところのようだ。
「わざわざここまでおつかれさま、
パパによばれて来たの?」
「ええ、コンスティン校長と運営について少し。
ノア君もグラウンドでうかがわれていたことで、
くわしくお話しにきたの」
「不定形自由形の件じゃないよね?
ボクたちはコートとは特に関係ないし、
もしかしてBWで何か話でもあったの?」
「そうね、取りあつかいでPTAから注意を受けて
タマヨリヒメに相談をしにきたの」
ウオバトのトラブルが親から降りかかって
タマヨリヒメにお願いをしにきたと言う。
BWは重く、元々小学生が持ち運べる物でもないので
負担がかかりすぎて文句の1つでも言われるだろう。
ずいぶんと最近になってからひんぱんに、
そういう類の話を聞くようになる。
いわゆる旧体制の頭がよろしくない方面の
対応に先生もあくせくさせられているんだ。
「こっちも似たじょうきょうなんだね。
こんな時代でもまだ古い文化にしがみついてばかりの
ガンコモノがいるんだから」
「まあ、元から私たちはそれだけ国が広めようとする
水行事の特別なことをしているから。
めんどうをみるのは放課後になっても終わりでなく、
私生活でもはんいにふくまれるの」
「はんいか、労力も長引くと負担も増加するよ。
いくら国と学校がつながってるといっても、
先生もそこまでやらなくっても良いと思うけど」
「ううん、いいの。物事を整理するのは大切。
教員とは人の間をうかがうのが仕事でもあるし。
今は試合だけを意識して取り組みましょう」
「はい」
と言って帰っていった。
彼女は気配り上手というか、周りのケアにびんかんで
よく問題をまっすぐじゃなく遠回りに取りかかる。
部活のこもんだって積極的に担当しているのだから、
大変そうなのにイヤそうな顔を1つもしない。
クラスでも評判が良いし、教師間でも不満が聞かれない。
もし、ああいった人と付き合う相手になれたなら
幸せな人生を送れるのか。
(ハッ、ボクってば何を!?
あの人は先生だぞ・・・せんせいなんだから)
つい、みょうな思いをしてしまう。
別にボクが付き合いたいだなんてありえない。
年も離れているし、きっとどこかでだれかとデートの
1つくらいしてるに決まってる、決まっている。
確かに先生は美人でとてもよく接してもらってるから
なんとなくそう考えていただけだ。
空気の熱で脳内に負担でもかかったんだろう。
それはそうと言い分も正しく、目前のことが大切。
県大会がもう近づいてるから意識し直す。
あそこ、イシカワとの試合も直前にまでせまっていた。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
Condense Nation
鳳
SF
西暦XXXX年、突如としてこの国は天から舞い降りた勢力によって制圧され、
正体不明の蓋世に自衛隊の抵抗も及ばずに封鎖されてしまう。
海外逃亡すら叶わぬ中で資源、優秀な人材を巡り、内戦へ勃発。
軍事行動を中心とした攻防戦が繰り広げられていった。
生存のためならルールも手段も決していとわず。
凌ぎを削って各地方の者達は独自の術をもって命を繋いでゆくが、
決して平坦な道もなくそれぞれの明日を願いゆく。
五感の界隈すら全て内側の央へ。
サイバーとスチームの間を目指して
登場する人物・団体・名称等は架空であり、
実在のものとは関係ありません。
狭間の世界
aoo
SF
平凡な日々を送る主人公が「狭間の世界」の「鍵」を持つ救世主だと知る。
記憶をなくした主人公に迫り来る組織、、、
過去の彼を知る仲間たち、、、
そして謎の少女、、、
「狭間」を巡る戦いが始まる。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる