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2章 西日本県大会編
第14話 とにかくぶっかけりゃ良い
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会心小学校 グラウンド
「そこやッ!」
バシュッ
「もっせえい!?」
ウオバト部の子どもたちがウォーターガンをにぎり、
走り回って相手の近くまでつめよる。
あたかも鬼ごっこの様に体をまるごと接近させて、
水しぶきをいくつも上げていた。
「ショウタ、今は右の奴をねらった方が良い!
ダイキ、いっしゅん出おくれとる!」
「あああ、ちっとおそかったわ」
6年生の注意を言われてそれぞれの決定、
いっしゅんのすきを逃して足が止まってしまう。
水鉄砲の性能で相手寸前まで向かうので手間だ。
そんなことはみんなも同じことだが。
ガクッ
ついひざがグラつく、ヒットさせるのは1回だけでなく
何度も向かうから持続もそんなにもてない。
「「ぐっ、リーチ短いわ」」
ワンパンまで1mのかべはオレにとっても楽じゃなく、
陸上もやってなくチーターみたいにはいかない。
確実に仕留めるのはそれだけで、シシオドシの爆発に
たよりすぎてもたまにしか出ないからジリヒンとなる。
これが近畿のやり方だが、ダッシュする戦法にどこまで
他地方のやつらに通用できるかも考えものだ。
休けいになって校舎のコンクリートの上で水を飲み、
ゆっくりと落ち着いてダイキやみんなと話し合った。
「なあ、アサルトライフル型をもうちょい増やさんか?」
「おれもそう思うねん、中距離役も少しほしいわ」
メンバーとしても思いがまとまって変更を願う。
ストライキ寸前にまで意見が出始めようとしたものの、
そこへキトウ先生が。
「今はこれ以上無理や、上もシシオドシとショットガンで
しのぐよう言われとる」
「んな殺生な」
「なんでダメなんですかい?」
「どういうわけか、それらを作る予算が優先されて
近畿の持ち前と決めとる。他の学校は分からんが、
ここは2種類でやってけと」
やっぱり大人の事情でいつもと同じく細かいとこだけ
省いて勝手に決めていた。勢いよく物言いしてるクセに、
ぞくに言うセツメイセキニンもろくにできやしないから
強引に決めつけてるなと思う。
ここで1つ引っかかる。
なんでそれらだけ予算をもち上げてるのか?
特許の都合まではおじさんからも聞かされてたけど、
アサルトライフル型も近畿ではOKのはず。
それをキトウ先生に聞いたって分かるわけないから、
どうしようもない。
そこへダイキの一言でふんいきが変わり始めた。
「おれ、ちょい最近になってから思ってたんやけど、
シャッガンって最初に作ったのはだれなんや?」
「近畿のだれかやろ? シシオドシはショウタで、
なんつうか、おれらが活発やからそういう仕組みで」
「そのなんつうかって何やねん?
なんで人口が多い=ショットガン型なんや?」
「ああ・・・そういや・・・何やろな」
意味は近畿だからどんな理由でそういった型なのか、
人付き合いが多いから接近にもちこむなんて
適当なことで作っていたわけじゃあるまい。
周りのみんなも顔をこっちに向けだす。
意外な疑問が今さらここで浮かんでいた。
「部品とか特許とか工場で決まっとるんやないか?
お前、ネット使えるんやから分かるやろ」
「サイトで調べても名前がのってへんで?」
「!?」
「それは・・・それはな」
シ~ン
みんなだまりこくってしゃべらない。
頭も悪く、まともに答えが出ないからみんなの口も
いきなり止まってしまう。
オレたちは大人に言われるまま水鉄砲を手にして、
ショットガン型から始まってきた。
なんで、近畿で、近距離型を?
熱にまみれてやらされてきた。
そんな時、グラウンドに向かってシシオドシを一発。
バシュッ
「なんやショウタ、いきなり?」
言葉の代わりを行動で示し、打ち出しに意味はないけど
なんというかガッツ、近畿気質でもっと気張れば
どうにでもなると思ってそうした。
「ああ、もう知らんわそんなもん!
オレらに考えるなんて無理やろ」
「・・・・・・」
「シャッガンを最初に作ったおえら方は何かしらな
理由でオレらみたいに合うと思ってやったんやろ。
シシオドシもそうやけど、これらの水鉄砲って
オレららしいやんか」
「まあ、そうやけど」
「細かく言えんけど、関西気質でにぎやかそうだって
この水しぶき具合が似合って作ったと思うわ。
とにかくぶっかけりゃええ。
そこをどうにかすんのがオレらの足やねん」
みんなも次第になっとくして今できることをやればと
次々と水鉄砲を手に取る。近くの学校の連中も練習試合で
圧勝した知らせも聞いて接近ならではの希望があると
また校庭に目を向けた。
「やっぱショウタやな、いつもなんとなく行動だけは
考えてねえけどズブシャッと先走る。
だてにシシオドシ考えただけあるわ」
「そ、そうかいな?」
「なんか言い方おかしいわな、まあ別にええか。
よし、これ終わったらグラウンド5周。
こいつの言う通りおれらの強みがあしこしだと、
向こうに分からせてやろうや」
「やったるわ!」
6年生の一声で練習再開。
大した答えでもないが、やることに大きなちがいもない。
もうすぐ県大会、そんな数増しに勢いを見せるここで
人数根性がどこまで通用するか日も近づいていった。
「そこやッ!」
バシュッ
「もっせえい!?」
ウオバト部の子どもたちがウォーターガンをにぎり、
走り回って相手の近くまでつめよる。
あたかも鬼ごっこの様に体をまるごと接近させて、
水しぶきをいくつも上げていた。
「ショウタ、今は右の奴をねらった方が良い!
ダイキ、いっしゅん出おくれとる!」
「あああ、ちっとおそかったわ」
6年生の注意を言われてそれぞれの決定、
いっしゅんのすきを逃して足が止まってしまう。
水鉄砲の性能で相手寸前まで向かうので手間だ。
そんなことはみんなも同じことだが。
ガクッ
ついひざがグラつく、ヒットさせるのは1回だけでなく
何度も向かうから持続もそんなにもてない。
「「ぐっ、リーチ短いわ」」
ワンパンまで1mのかべはオレにとっても楽じゃなく、
陸上もやってなくチーターみたいにはいかない。
確実に仕留めるのはそれだけで、シシオドシの爆発に
たよりすぎてもたまにしか出ないからジリヒンとなる。
これが近畿のやり方だが、ダッシュする戦法にどこまで
他地方のやつらに通用できるかも考えものだ。
休けいになって校舎のコンクリートの上で水を飲み、
ゆっくりと落ち着いてダイキやみんなと話し合った。
「なあ、アサルトライフル型をもうちょい増やさんか?」
「おれもそう思うねん、中距離役も少しほしいわ」
メンバーとしても思いがまとまって変更を願う。
ストライキ寸前にまで意見が出始めようとしたものの、
そこへキトウ先生が。
「今はこれ以上無理や、上もシシオドシとショットガンで
しのぐよう言われとる」
「んな殺生な」
「なんでダメなんですかい?」
「どういうわけか、それらを作る予算が優先されて
近畿の持ち前と決めとる。他の学校は分からんが、
ここは2種類でやってけと」
やっぱり大人の事情でいつもと同じく細かいとこだけ
省いて勝手に決めていた。勢いよく物言いしてるクセに、
ぞくに言うセツメイセキニンもろくにできやしないから
強引に決めつけてるなと思う。
ここで1つ引っかかる。
なんでそれらだけ予算をもち上げてるのか?
特許の都合まではおじさんからも聞かされてたけど、
アサルトライフル型も近畿ではOKのはず。
それをキトウ先生に聞いたって分かるわけないから、
どうしようもない。
そこへダイキの一言でふんいきが変わり始めた。
「おれ、ちょい最近になってから思ってたんやけど、
シャッガンって最初に作ったのはだれなんや?」
「近畿のだれかやろ? シシオドシはショウタで、
なんつうか、おれらが活発やからそういう仕組みで」
「そのなんつうかって何やねん?
なんで人口が多い=ショットガン型なんや?」
「ああ・・・そういや・・・何やろな」
意味は近畿だからどんな理由でそういった型なのか、
人付き合いが多いから接近にもちこむなんて
適当なことで作っていたわけじゃあるまい。
周りのみんなも顔をこっちに向けだす。
意外な疑問が今さらここで浮かんでいた。
「部品とか特許とか工場で決まっとるんやないか?
お前、ネット使えるんやから分かるやろ」
「サイトで調べても名前がのってへんで?」
「!?」
「それは・・・それはな」
シ~ン
みんなだまりこくってしゃべらない。
頭も悪く、まともに答えが出ないからみんなの口も
いきなり止まってしまう。
オレたちは大人に言われるまま水鉄砲を手にして、
ショットガン型から始まってきた。
なんで、近畿で、近距離型を?
熱にまみれてやらされてきた。
そんな時、グラウンドに向かってシシオドシを一発。
バシュッ
「なんやショウタ、いきなり?」
言葉の代わりを行動で示し、打ち出しに意味はないけど
なんというかガッツ、近畿気質でもっと気張れば
どうにでもなると思ってそうした。
「ああ、もう知らんわそんなもん!
オレらに考えるなんて無理やろ」
「・・・・・・」
「シャッガンを最初に作ったおえら方は何かしらな
理由でオレらみたいに合うと思ってやったんやろ。
シシオドシもそうやけど、これらの水鉄砲って
オレららしいやんか」
「まあ、そうやけど」
「細かく言えんけど、関西気質でにぎやかそうだって
この水しぶき具合が似合って作ったと思うわ。
とにかくぶっかけりゃええ。
そこをどうにかすんのがオレらの足やねん」
みんなも次第になっとくして今できることをやればと
次々と水鉄砲を手に取る。近くの学校の連中も練習試合で
圧勝した知らせも聞いて接近ならではの希望があると
また校庭に目を向けた。
「やっぱショウタやな、いつもなんとなく行動だけは
考えてねえけどズブシャッと先走る。
だてにシシオドシ考えただけあるわ」
「そ、そうかいな?」
「なんか言い方おかしいわな、まあ別にええか。
よし、これ終わったらグラウンド5周。
こいつの言う通りおれらの強みがあしこしだと、
向こうに分からせてやろうや」
「やったるわ!」
6年生の一声で練習再開。
大した答えでもないが、やることに大きなちがいもない。
もうすぐ県大会、そんな数増しに勢いを見せるここで
人数根性がどこまで通用するか日も近づいていった。
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