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1章 四国編
第1話 水が出ないからウオバトは中止します
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コウチ 五万十エリア 橙照小学校 4年2組教室
「えー、とつぜんですがお知らせです。
今年のウォーターバトルフィールドは
会議の結果により中止となりました」
「は?」
オノ先生の知らせに、クラスの児童たちの動きが
ピタリと止まって目が丸になる。
毎年恒例のスポーツを取り止めるという言葉に、
笑顔でむかえる子は1人もいない。
最初はどういう意味が分からなかった。
7月に入った矢先にみんなが楽しみにしていた行事が
なくなってしまい、教室内がクーラーと同じような
冷えた態度へ変わってゆく。
続いて、冷静に事情を説明される。
「理由は相次ぐ晴天続きによって熱帯。
亜空間バブルで空気中の水分が検出されないため、
見合わせとのことです」
「ええええええええ!?」
理由は水が出ないから。
しかも、新たに取り組められる見こみがなく、
再開の時期は未定。
たったそれだけの事で、オアシスの様な快適な予定が
しんきろうとばかり蒸発してしまった。
ささやかれていたウワサが現実になってしまう。
前に見た先生たちのヒソヒソ話でまさかと
予想が的中したのかもしれない。
最近、ジメジメ感がなくずいぶんカラッとした
空気ばかりだったから、
元手が取れずに取り止めになったのだろう。
HRで告げられた報告は児童たちを
水なきドン底におとしいれた。
ろうか
「サイアク」
栗毛のツインテールの少女、ミズキはムスッとした顔で
水道で手を洗っている。
作業していたのでなく、トイレに行ったのでもなく、
何かやっていてよごれていたのではないけど
少しでも無意味ながらにふれたかった。
今日の日中気温は48℃。
こりゃ、いつたおれてもおかしくない温度だ。
教室はクーラーが効いていて、
ろうかまではとどいていない。
水道からまだ出るけど、ちょろっとしか出ず。
しかも、5秒たったら自動で止まる。
かべには節水という、超大きな漢字が
二文字で書かれていて、主張感に
大人が危機感をもっているのかが分かる。
「ウオバト、楽しみにしてたってのに!」
「そーだ、そーだ! 再開してくれ!」
クラスメイトのタカとヒロが同じように
ろうかを歩きながら吐く。
楽しみをぬかれるように有無を言わせずに
決められてしまったから、
おっくうな気は共に交じってあらゆる所で
イヤミな声と変わる。
ミズキも加わり、しばらくのイドバタ会議が続く。
「不満に思う子たちがこんなにいるんだから、
何とかしてほしいよね」
「大人なんだから、水をしょっぴく方法なんて
他にもあるだろ。
おれたちのこと、なんも考えてないんだ!」
「そういえば、ミズキの親もそこ関係の仕事を
やってるんだっけ? 何か言ってなかった?」
「まったく、なんにも聞いてないもん。
あたしも今日、初めて知ったから意外だった」
私は以前から知ってるだけの内容で答える。
前もって何も聞かされることなく、
今日の発表で初めて知りえた。
ウオバトは基本夏のみ行われるから、
ここが止められたならば元がない。
なら、引きかえに体育はどうなるのか。
プールは掃除されているだけでいつまで経っても
水がはられる様子もなく、絶ったのは水だけ。
別わくの水泳も始まる気配すらないものだから
小学生ストライキが起こりそうなふんいきで満ちていた。
「ウオバトもダメで水泳もダメ、今年は何をやるんだ?」
「さあ、なんにも聞いてないし。
いつまでも決まらないから、迷ってんじゃないの?」
おそらく、プールも取り止め。
ウオバトはプールと同じくらい楽しみにしていた
行事だっただけに、干からびた
コンクリートブロックだけを見せられるハメとなる。
四国編から読み始めた方に念のためご説明。
ウオバトとはウォーターバトルフィールドの略称で、
水鉄砲で打ち合うスポーツである。
これは元々、国がやり始めたスポーツで近年の暑さの中に
おける運動解消を目的として体力を保たせようと
総理大臣の提案で定められた。
しかし、水泳もプールがない学校も多く、
まともに涼めるような設備がない。
おまけに水を他に利用されるのが大半で、
この地方においては死活問題クラスであり、
学校どころか、人にとって欠かせない環境事情で
止められてしまった。
もっとも期待していた子どもたちが
ショックをかくしきれないから、
責任者である管理者もやりきれない。
「・・・・・・」
少しはなれた所からクラウディオ校長が
杖をつきながら目をひそめる。
不満をあらわにする児童たちの様子に、
もうしわけなさそうな感傷にひたっていた。
楽しみにされていた行事を中止してしまうのもやむをえず。
学校がわも仕方なく供給口をおさえるのみだ。
もちろん、心からすすめて決定したのは自分ではない。
透明で冷涼な液体を提供した者たちによる決定だ。
やって来た事務員に通達を受ける。
「校長、GOPHのニトベさんがいらっしゃってます」
「分かった、すぐにお通ししなさい」
校長室
「まことに残念ながら、
四国はウォーターバトルフィールド開催を停止。
水産事業に資源をそそぐことを要請します」
「やはり、方針はお変わりなく?」
「ええ、45℃ごえする日が続いております。
事態が事態だけに、
市民の生活を先に応じなければなりません」
地球温暖化対策推進本部[GOPH]の者に
水行事をやめるよう言われた。
事前に電話で聞いていた通りに、
四国のみ著しい過不足という理由で
今年はウオバトの対象から除外されてしまう。
ソファーに座りながら現状を伝えるニトベは校長に
取り止めの方向を向かわせる。
「環境大臣より、五万十川の水量が例年よりも
下回っており、生活を最優先として決断されて
利用をスポーツの分野に分けられないとのことです」
「やはり、無効化の流れとなりますか。
1つの行事が気候によって無情にも左右されるとは。
子どもたちの楽しみを失わせてしまうことが
いかんです」
「お気持ちは分かります。
ですが、生活に支障をもたらしては
意味がありません。亜空間バブルも想定より速い消費で
失い、生活を第一とせざるしか」
校庭のはしに設置していた5つの水色のビニールプールは
全て空。
事前にためていた水槽の中身もすでに底をついた。
亜空間バブルとは小さい重力を発生させて
空気中の水分を集める装置で、
湿度が高まる6月ごろからため続けて使用する。
しかし、四国は水の減りが早くて他地方と比べて
多く集められなかった。
気候による都合に使用量が多いので
水鉄砲以外に用いてきたため、
教育界の長も国の決まりごとに従わざるおない。
水だけにすくいようないのが人の手に負えない
自然のおきて。
最も重要なポジションにいる大人の事情だけは
まさにここでひっそりと集められていた。
午後6時 ミズキ家
下校後、学校から帰ったミズキは中止になった
ウオバトの話をする。
ミズキの母は水循環政策本部[WCPH]の支部につとめていて、
不足の代わりになるものがないか相談。
「お母さん、今年はウオバトができないって
どういうこと!?」
「それが、できないの。国から中止されちゃって」
「なんで!? 亜空間バブルからでなくても、
川や海からとれるじゃない!?
五万十川から水をもってくるように言ってよ!」
「農林水産省が干害対策でムダづかいをしないようにって。
海水だと潮で水鉄砲こわれちゃうし、
川からイチイチ持ってくるとコストがかさむから
無しと決めたの」
海の水は水鉄砲の塩化ビニール管に悪いからダメ。
川の水は山付近の作物に使わなければならないと言う。
干害とは水がひからびてなくなる現象で、
毎年の夏にみまわれて特に被害を受けている地域が
四国だった。
米など多くの水分を用いらなければならず、
野菜を育てなくては地域全体が悪化する。
生活が何よりで水鉄砲どころではないと、
国から除外の対象にされてしまう。
「だから、お野菜を育てるのを優先する
対策がだされたの。人が使う方すら満足できないくらい
少ないから使うのはもったいないって」
「ううっ、そんなぁ・・・」
分かりやすく言えば、
“えらい人がウオバトを始めてウオバトをやめる”。
むやみやたらに水を打って干からびて人にダメージを
与えたら元も子もないので、無用のごとくダメ。
体育なんぞに使うなんて2の次。
あくまでも、国民優先課題である農作物に回す。
ただ、それだけのことで子どもの都合なんて
なんとも思ってないんだろう。
母の関係でも、1人のお願いを受け入れてもらえる余裕はない。
どうにもならず、ふくれっ面で
くやしがっている時だった。
ピンポーン
「あら、だれか来たみたい」
玄関のインターホンがなる。
母は台所を出て玄関に向かい、
ドアののぞき窓ごしから見ると
社会人がよく着る背広のすがたがあった。
「こんばんは、スポーツ庁の者ですが」
という声をきいておどろく。
自分と異なる部署の名前があげられて
自宅をたずねられる。
やって来たのはスポーツ庁[SO]のイタクラという人だった。
「えー、とつぜんですがお知らせです。
今年のウォーターバトルフィールドは
会議の結果により中止となりました」
「は?」
オノ先生の知らせに、クラスの児童たちの動きが
ピタリと止まって目が丸になる。
毎年恒例のスポーツを取り止めるという言葉に、
笑顔でむかえる子は1人もいない。
最初はどういう意味が分からなかった。
7月に入った矢先にみんなが楽しみにしていた行事が
なくなってしまい、教室内がクーラーと同じような
冷えた態度へ変わってゆく。
続いて、冷静に事情を説明される。
「理由は相次ぐ晴天続きによって熱帯。
亜空間バブルで空気中の水分が検出されないため、
見合わせとのことです」
「ええええええええ!?」
理由は水が出ないから。
しかも、新たに取り組められる見こみがなく、
再開の時期は未定。
たったそれだけの事で、オアシスの様な快適な予定が
しんきろうとばかり蒸発してしまった。
ささやかれていたウワサが現実になってしまう。
前に見た先生たちのヒソヒソ話でまさかと
予想が的中したのかもしれない。
最近、ジメジメ感がなくずいぶんカラッとした
空気ばかりだったから、
元手が取れずに取り止めになったのだろう。
HRで告げられた報告は児童たちを
水なきドン底におとしいれた。
ろうか
「サイアク」
栗毛のツインテールの少女、ミズキはムスッとした顔で
水道で手を洗っている。
作業していたのでなく、トイレに行ったのでもなく、
何かやっていてよごれていたのではないけど
少しでも無意味ながらにふれたかった。
今日の日中気温は48℃。
こりゃ、いつたおれてもおかしくない温度だ。
教室はクーラーが効いていて、
ろうかまではとどいていない。
水道からまだ出るけど、ちょろっとしか出ず。
しかも、5秒たったら自動で止まる。
かべには節水という、超大きな漢字が
二文字で書かれていて、主張感に
大人が危機感をもっているのかが分かる。
「ウオバト、楽しみにしてたってのに!」
「そーだ、そーだ! 再開してくれ!」
クラスメイトのタカとヒロが同じように
ろうかを歩きながら吐く。
楽しみをぬかれるように有無を言わせずに
決められてしまったから、
おっくうな気は共に交じってあらゆる所で
イヤミな声と変わる。
ミズキも加わり、しばらくのイドバタ会議が続く。
「不満に思う子たちがこんなにいるんだから、
何とかしてほしいよね」
「大人なんだから、水をしょっぴく方法なんて
他にもあるだろ。
おれたちのこと、なんも考えてないんだ!」
「そういえば、ミズキの親もそこ関係の仕事を
やってるんだっけ? 何か言ってなかった?」
「まったく、なんにも聞いてないもん。
あたしも今日、初めて知ったから意外だった」
私は以前から知ってるだけの内容で答える。
前もって何も聞かされることなく、
今日の発表で初めて知りえた。
ウオバトは基本夏のみ行われるから、
ここが止められたならば元がない。
なら、引きかえに体育はどうなるのか。
プールは掃除されているだけでいつまで経っても
水がはられる様子もなく、絶ったのは水だけ。
別わくの水泳も始まる気配すらないものだから
小学生ストライキが起こりそうなふんいきで満ちていた。
「ウオバトもダメで水泳もダメ、今年は何をやるんだ?」
「さあ、なんにも聞いてないし。
いつまでも決まらないから、迷ってんじゃないの?」
おそらく、プールも取り止め。
ウオバトはプールと同じくらい楽しみにしていた
行事だっただけに、干からびた
コンクリートブロックだけを見せられるハメとなる。
四国編から読み始めた方に念のためご説明。
ウオバトとはウォーターバトルフィールドの略称で、
水鉄砲で打ち合うスポーツである。
これは元々、国がやり始めたスポーツで近年の暑さの中に
おける運動解消を目的として体力を保たせようと
総理大臣の提案で定められた。
しかし、水泳もプールがない学校も多く、
まともに涼めるような設備がない。
おまけに水を他に利用されるのが大半で、
この地方においては死活問題クラスであり、
学校どころか、人にとって欠かせない環境事情で
止められてしまった。
もっとも期待していた子どもたちが
ショックをかくしきれないから、
責任者である管理者もやりきれない。
「・・・・・・」
少しはなれた所からクラウディオ校長が
杖をつきながら目をひそめる。
不満をあらわにする児童たちの様子に、
もうしわけなさそうな感傷にひたっていた。
楽しみにされていた行事を中止してしまうのもやむをえず。
学校がわも仕方なく供給口をおさえるのみだ。
もちろん、心からすすめて決定したのは自分ではない。
透明で冷涼な液体を提供した者たちによる決定だ。
やって来た事務員に通達を受ける。
「校長、GOPHのニトベさんがいらっしゃってます」
「分かった、すぐにお通ししなさい」
校長室
「まことに残念ながら、
四国はウォーターバトルフィールド開催を停止。
水産事業に資源をそそぐことを要請します」
「やはり、方針はお変わりなく?」
「ええ、45℃ごえする日が続いております。
事態が事態だけに、
市民の生活を先に応じなければなりません」
地球温暖化対策推進本部[GOPH]の者に
水行事をやめるよう言われた。
事前に電話で聞いていた通りに、
四国のみ著しい過不足という理由で
今年はウオバトの対象から除外されてしまう。
ソファーに座りながら現状を伝えるニトベは校長に
取り止めの方向を向かわせる。
「環境大臣より、五万十川の水量が例年よりも
下回っており、生活を最優先として決断されて
利用をスポーツの分野に分けられないとのことです」
「やはり、無効化の流れとなりますか。
1つの行事が気候によって無情にも左右されるとは。
子どもたちの楽しみを失わせてしまうことが
いかんです」
「お気持ちは分かります。
ですが、生活に支障をもたらしては
意味がありません。亜空間バブルも想定より速い消費で
失い、生活を第一とせざるしか」
校庭のはしに設置していた5つの水色のビニールプールは
全て空。
事前にためていた水槽の中身もすでに底をついた。
亜空間バブルとは小さい重力を発生させて
空気中の水分を集める装置で、
湿度が高まる6月ごろからため続けて使用する。
しかし、四国は水の減りが早くて他地方と比べて
多く集められなかった。
気候による都合に使用量が多いので
水鉄砲以外に用いてきたため、
教育界の長も国の決まりごとに従わざるおない。
水だけにすくいようないのが人の手に負えない
自然のおきて。
最も重要なポジションにいる大人の事情だけは
まさにここでひっそりと集められていた。
午後6時 ミズキ家
下校後、学校から帰ったミズキは中止になった
ウオバトの話をする。
ミズキの母は水循環政策本部[WCPH]の支部につとめていて、
不足の代わりになるものがないか相談。
「お母さん、今年はウオバトができないって
どういうこと!?」
「それが、できないの。国から中止されちゃって」
「なんで!? 亜空間バブルからでなくても、
川や海からとれるじゃない!?
五万十川から水をもってくるように言ってよ!」
「農林水産省が干害対策でムダづかいをしないようにって。
海水だと潮で水鉄砲こわれちゃうし、
川からイチイチ持ってくるとコストがかさむから
無しと決めたの」
海の水は水鉄砲の塩化ビニール管に悪いからダメ。
川の水は山付近の作物に使わなければならないと言う。
干害とは水がひからびてなくなる現象で、
毎年の夏にみまわれて特に被害を受けている地域が
四国だった。
米など多くの水分を用いらなければならず、
野菜を育てなくては地域全体が悪化する。
生活が何よりで水鉄砲どころではないと、
国から除外の対象にされてしまう。
「だから、お野菜を育てるのを優先する
対策がだされたの。人が使う方すら満足できないくらい
少ないから使うのはもったいないって」
「ううっ、そんなぁ・・・」
分かりやすく言えば、
“えらい人がウオバトを始めてウオバトをやめる”。
むやみやたらに水を打って干からびて人にダメージを
与えたら元も子もないので、無用のごとくダメ。
体育なんぞに使うなんて2の次。
あくまでも、国民優先課題である農作物に回す。
ただ、それだけのことで子どもの都合なんて
なんとも思ってないんだろう。
母の関係でも、1人のお願いを受け入れてもらえる余裕はない。
どうにもならず、ふくれっ面で
くやしがっている時だった。
ピンポーン
「あら、だれか来たみたい」
玄関のインターホンがなる。
母は台所を出て玄関に向かい、
ドアののぞき窓ごしから見ると
社会人がよく着る背広のすがたがあった。
「こんばんは、スポーツ庁の者ですが」
という声をきいておどろく。
自分と異なる部署の名前があげられて
自宅をたずねられる。
やって来たのはスポーツ庁[SO]のイタクラという人だった。
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