30 / 131
1章 中部編
第1話 メカニカルウォーター
しおりを挟む
アイチ 夕新屋エリア 永栄小学校校長室
校長室に2人の大人と子どもがいる。
何かの規格について話しているようだ。
ジュウゾウ校長先生に様子を聞き出された児童が
制作状況を説明。
30丈と広い校長室の中心で
問われていたのは4年生で、きちんとした態度で
近日の進行を報告した。
「もうすぐ完成します。
後1週間と2日のゆうよを必要としておりますが、
以内に必ず成果があらわれるでしょう」
「そうか、射出成型がクリアできたのなら
心配はあるまい。
他は耐久性に問題があるが、
基本がととのえたのならば良い」
水鉄砲の物作りについて話している。
射出、耐久などの専門用語で高度な説明に
小学生と思えない発言をくりだし、
今しばらくまってほしいと時間のもちようを
社員のような様子でたのむ。
対する社長のような校長先生による部品の
どこかしら不安な点に対して、
エメラルド色のメガネをかけた銀髪の少年は
笑みをうかべて答えた。
「そうですね、後はプラスチックと炭酸系の
老朽化を解決できれば、工場への
クレームも少なくなり、修理する手間もなくなって
画期的な仕様をごらんになれると思います・・・これも」
「全地方における規格で最も有効的な展開が
見こめられそうだ。
加圧ポンプが少々不安だが、君ならできる。
このまま残る調整に力を入れるのだ」
「お任せ下さい」
上の会話をもって少年は退出する。
銀色のタイルがならび、はりめぐらすろうかに
だれもいない時を歩く中、
さっそうとクラスへもどっていった。
4年C組教室
その後のバイキング給食が終わった昼休み時間。
5人しかいないクラスの中で勉強をしている児童たちの中、
先の話の続きに体と頭とメガネを動かしていく。
ボクはタブレットでウォーターガンの設計図を見回して、
わずかな未完成ポイントにすき間が生まれないように
創造と組み立てをくり返す。
ウォーターガンとは水鉄砲。
子どもがあそぶような玩具と同じ。
しかし、大人でいう任務を果たすつもりで
責任感をもちながら取り組んでいる。
ふだんから頭を回転させているから、学校の科目なんて
もはやどうでも良いとばかり意識していないほど
オモチャに夢中になっているように思われるだろう。
だからといって、幼稚な物に
熱が入るくらいに知能が低いわけではない。
もう6年生の分野も理解している。
数ヶ月前の診断テストではIQ150という結果。
そんな学ぶべき学問を差し置いても、
目の前の物体にだけ集中していた。
どちらかと足りないのは時間。
今まで用いていた型とはちがうからもちろん、
新たなジャンル[種類]にいどむので
部品を正確に組むための思考に
どうしても時を費やしてしまう。
机にすわりながらペットボトルに似たタンクと
射出口[バレル]を近づけて測ると、
後ろから質問がきた。
「ノア、パテの接着強度はこえた?」
「もう終わる、5か月の水もれ問題はクリアしたけど、
接続部だけにあまり長い時間をかけられない。
CO2タンクの故障率を下げるよう、
上から言われた」
クラスメイトの友、メルに聞かれる。
彼にも少し協力してもらっていて、
サポート役として助言されていた。
発射にたえられる安全性も考えておかなければならない。
小学校で教わらない機械的な専門用語を使っているので、
あたかも、子どもの会話じゃないと思われるだろう。
自己紹介する意味があるのか不明だけど、
一応書いておく。
スミス・ノア、自分のフルネームで深い意味はない。
永栄に通っている児童の1人で、
ある工作にかかわっている。
それは新型ウォーターガンで、
ふだんの児童が行わない仕事を与えられた。
これらの言葉を見て分かった通り、
もう小学生のすることじゃないと分かるだろう。
だけど、プロの専門家が関わるような設計をしているのは
本当のこと。
わけがあって、ある物を学校とれんけいしながら
開発を進めていた。
「大きいな」
「これで東と対抗するのか、期待値上がるわ」
勉強の手を止めたクラスメイトの関心を引く。
1人の子がフラグを発言したことから、
くわしい仕事の内容は明らかになる。
理由は関東への対策、8割をしめるアサルトライフル型と
異なるバランスの長けた連射性能に
対抗するべく新たな規格を開始。
これはガトリング型という試合時間をまたぐほどに
長時間射出できるタイプで、
多量の水玉を連続で打ち出す電動式と加圧式を重ねて
中部から製造していた。
短い時間でたくさん打ち出すことで相手の動きをふうじる
けんせいができるから、
関東よりすぐれた超連射を意識、
勝利への優位性を一歩ふみだしたい。
元のアイデアは大人が発案したものだけど、
水を打ち出す作りはボクが中心で作成。
大人が子どもを通してなぜここまで進めているのかは
水鉄砲の仕様より細かな事情があった。
2100年、温暖化がすすんだこの世界で政府は
水鉄砲で打ち合うスポーツを推進。
ウォーターバトルフィールドとよばれるそれは
肉体行動を起こしながらの冷涼を求め、
合理的な人体と環境克服として
またたく間に広まってゆく。
以来、全国でいっせいに様々なタイプの
ウォーターガン製造をこころみている。
型を作る規格は基本的に設計を行うのは大人だけで、
小学生がエンジニアだなんてありえないと思われるだろう。
もちろん、素材や図面作成などすべて一から
自分で始めたわけではないが、まだ問題がのこっている。
先の校長先生が述べた耐久性なども目を通して
いかなければならなかった。
「ノア君、うまくできた?」
「先日、完成度が90%をこえました。
先ほど、校長先生とお話した内容は加圧ポンプの
破裂をおさえることをしんちょうにしろと」
オレンジ色のロングヘアーで丸メガネをかけた女性に
様子を問われる。
校長とかけ合った内容を伝えて、次の課題解決に取り組む。
彼女はイリーナ先生、ボクのクラス担任であり
ちょっとした監督員でもある。
当然ながら、1人の子どもが教室や図工室で
勝手に作れるわけがないので、
学校から許可をもらって着手していた。
「向こうで造った物を教育界で本当に通すなんてね」
「ボクもビックリしたくらいです。
中部で新展開を規格できればという話をしただけで、
ここまでの物を作るなんて」
「元は大人のために造っていた物なのに。
たとえ、子どもの道具といえども型の戦略を
広げるため・・・あの方らしい」
「ええ・・・」
彼女に少し皮肉がふくまれる感想を聞かされる。
確かに、内容が内容なので元々子どもの仕様でない物で
大人にも手伝ってもらっているのだけれど、
ボクが先生からお目付けされているほど
大きい役割をもっているのも事実。
お下がり感覚で作らされているのは同意。
だから、今の発言はだまってないしょにしておく。
にもかかわらずに、先生が1人の児童に
設計を任せているのも訳がある。
実はそれを決定したのは自分や学校ではなく、
父だったからだ。
1か月前 ノア邸 食堂
「これが基本設計書だ、後はお前自身で作ってみろ」
話のきっかけはここで受け取った物で始まる。
父から差し出された8枚の書類は豊日エリアの会社、
タマヨリヒメで作っている極秘
[決して知られてはならないこと]の企画書だった。
食事前に見せられたものを確認すると、
関東とは比にならない仕様に思考がとまる。
「これは・・・今まで見たことがないタイプだね?」
「4回の会議を経て、どうにか通せた。
アルミニウム合金以外でも成功したから、
素材を変えても使用できるはずだ」
会社の方でも実用化[本当に使えるかどうか]の見こみを
何度も検討していたらしい。
6つの砲筒をもつ約1.5mのシロモノを
見たボクは今まで見てきた水鉄砲というわくから
飛び出た世界を思い知った気がした。
下を向きすぎて顔からメガネがズレかける。
水を10Lもためられる
容量の大きさからして、
かなり長い間打ち続けられる戦闘機に
そうちゃくするような兵器そのものだ。
重さもあるので、こしから上にかかえて打つことが
できないものの、場を制するはんい力は
どの地方にも勝る仕様であった。
「パッと見でも、数十分は打ち続けられそう。
金属性の射出物を水に代えても、
同様の効果をはっきできるんだ?」
「CO2タンクによる圧力で連続放射ができるから
射出構造にちがいはない。
ただ、材質が問題で小学生の部において本物の合金は
使用を許されない。
電動モーター部分の規格は当初から通っていたのは
幸いで、プラスチックの性質から適応する
部品を製作してみるんだ」
モーターは関東より早く伝わった電動ガンで、
どの地方でも使用は許されている。
しかし、容器は国からの制約でまったく同じ材質で
作れない。
シリンダー[細長い円筒]を金属から
灰色のプラスチックに代えて
軽量化させるのが目的で、
子どもがあつかえるよう改良。
そして、大人の目がとどくイリーナ先生に素材などの
協力をしてもらっている。
彼女もタマヨリヒメの元出身者だった。
校長から監査役[問題が起こらないか見張ること]
として着く。
ただ、先生が理系関係だからといって
なんとなく協力しているのではない。
実は、永栄は会社からお金を出資されているため、
ガトリング型の設計を堂々と作ることができたのだ。
父のつとめる所は中部で有数の工場を置いて
、細かい部品を造れるメーカーだ。
だから、校長先生にも注目されるような立場でじきじきに
はげましを受けるくらいに
身内による助力で素材にこまらず組み立てできた。
しかし、初期段階の性能はあまり高くなく、
射程きょりもとぼしい。
他の地方に同じ物を作られたら、
またふりだしにもどってしまう。
一度試合で使おうものなら、すぐにマネをされるだろう。
実際に完成させても中部に大きな利点ができるのかと
思っていたところ、
父は手を打ってあると理由を明けた。
「特許庁の申請が通った。
これでしばらくは他地方をおさえられる」
「なるほど」
特許というワードで理解できた。
すなわち、日本の中心機関を後ろだてにすることで、
他が“マネをさせない、できない”期間を生み出す事で
差を図る。
国のルールを利用するすべをとっていた。
ガトリングと同様に場をおさえさせることまで
父は考えていたからだ。
校長室に2人の大人と子どもがいる。
何かの規格について話しているようだ。
ジュウゾウ校長先生に様子を聞き出された児童が
制作状況を説明。
30丈と広い校長室の中心で
問われていたのは4年生で、きちんとした態度で
近日の進行を報告した。
「もうすぐ完成します。
後1週間と2日のゆうよを必要としておりますが、
以内に必ず成果があらわれるでしょう」
「そうか、射出成型がクリアできたのなら
心配はあるまい。
他は耐久性に問題があるが、
基本がととのえたのならば良い」
水鉄砲の物作りについて話している。
射出、耐久などの専門用語で高度な説明に
小学生と思えない発言をくりだし、
今しばらくまってほしいと時間のもちようを
社員のような様子でたのむ。
対する社長のような校長先生による部品の
どこかしら不安な点に対して、
エメラルド色のメガネをかけた銀髪の少年は
笑みをうかべて答えた。
「そうですね、後はプラスチックと炭酸系の
老朽化を解決できれば、工場への
クレームも少なくなり、修理する手間もなくなって
画期的な仕様をごらんになれると思います・・・これも」
「全地方における規格で最も有効的な展開が
見こめられそうだ。
加圧ポンプが少々不安だが、君ならできる。
このまま残る調整に力を入れるのだ」
「お任せ下さい」
上の会話をもって少年は退出する。
銀色のタイルがならび、はりめぐらすろうかに
だれもいない時を歩く中、
さっそうとクラスへもどっていった。
4年C組教室
その後のバイキング給食が終わった昼休み時間。
5人しかいないクラスの中で勉強をしている児童たちの中、
先の話の続きに体と頭とメガネを動かしていく。
ボクはタブレットでウォーターガンの設計図を見回して、
わずかな未完成ポイントにすき間が生まれないように
創造と組み立てをくり返す。
ウォーターガンとは水鉄砲。
子どもがあそぶような玩具と同じ。
しかし、大人でいう任務を果たすつもりで
責任感をもちながら取り組んでいる。
ふだんから頭を回転させているから、学校の科目なんて
もはやどうでも良いとばかり意識していないほど
オモチャに夢中になっているように思われるだろう。
だからといって、幼稚な物に
熱が入るくらいに知能が低いわけではない。
もう6年生の分野も理解している。
数ヶ月前の診断テストではIQ150という結果。
そんな学ぶべき学問を差し置いても、
目の前の物体にだけ集中していた。
どちらかと足りないのは時間。
今まで用いていた型とはちがうからもちろん、
新たなジャンル[種類]にいどむので
部品を正確に組むための思考に
どうしても時を費やしてしまう。
机にすわりながらペットボトルに似たタンクと
射出口[バレル]を近づけて測ると、
後ろから質問がきた。
「ノア、パテの接着強度はこえた?」
「もう終わる、5か月の水もれ問題はクリアしたけど、
接続部だけにあまり長い時間をかけられない。
CO2タンクの故障率を下げるよう、
上から言われた」
クラスメイトの友、メルに聞かれる。
彼にも少し協力してもらっていて、
サポート役として助言されていた。
発射にたえられる安全性も考えておかなければならない。
小学校で教わらない機械的な専門用語を使っているので、
あたかも、子どもの会話じゃないと思われるだろう。
自己紹介する意味があるのか不明だけど、
一応書いておく。
スミス・ノア、自分のフルネームで深い意味はない。
永栄に通っている児童の1人で、
ある工作にかかわっている。
それは新型ウォーターガンで、
ふだんの児童が行わない仕事を与えられた。
これらの言葉を見て分かった通り、
もう小学生のすることじゃないと分かるだろう。
だけど、プロの専門家が関わるような設計をしているのは
本当のこと。
わけがあって、ある物を学校とれんけいしながら
開発を進めていた。
「大きいな」
「これで東と対抗するのか、期待値上がるわ」
勉強の手を止めたクラスメイトの関心を引く。
1人の子がフラグを発言したことから、
くわしい仕事の内容は明らかになる。
理由は関東への対策、8割をしめるアサルトライフル型と
異なるバランスの長けた連射性能に
対抗するべく新たな規格を開始。
これはガトリング型という試合時間をまたぐほどに
長時間射出できるタイプで、
多量の水玉を連続で打ち出す電動式と加圧式を重ねて
中部から製造していた。
短い時間でたくさん打ち出すことで相手の動きをふうじる
けんせいができるから、
関東よりすぐれた超連射を意識、
勝利への優位性を一歩ふみだしたい。
元のアイデアは大人が発案したものだけど、
水を打ち出す作りはボクが中心で作成。
大人が子どもを通してなぜここまで進めているのかは
水鉄砲の仕様より細かな事情があった。
2100年、温暖化がすすんだこの世界で政府は
水鉄砲で打ち合うスポーツを推進。
ウォーターバトルフィールドとよばれるそれは
肉体行動を起こしながらの冷涼を求め、
合理的な人体と環境克服として
またたく間に広まってゆく。
以来、全国でいっせいに様々なタイプの
ウォーターガン製造をこころみている。
型を作る規格は基本的に設計を行うのは大人だけで、
小学生がエンジニアだなんてありえないと思われるだろう。
もちろん、素材や図面作成などすべて一から
自分で始めたわけではないが、まだ問題がのこっている。
先の校長先生が述べた耐久性なども目を通して
いかなければならなかった。
「ノア君、うまくできた?」
「先日、完成度が90%をこえました。
先ほど、校長先生とお話した内容は加圧ポンプの
破裂をおさえることをしんちょうにしろと」
オレンジ色のロングヘアーで丸メガネをかけた女性に
様子を問われる。
校長とかけ合った内容を伝えて、次の課題解決に取り組む。
彼女はイリーナ先生、ボクのクラス担任であり
ちょっとした監督員でもある。
当然ながら、1人の子どもが教室や図工室で
勝手に作れるわけがないので、
学校から許可をもらって着手していた。
「向こうで造った物を教育界で本当に通すなんてね」
「ボクもビックリしたくらいです。
中部で新展開を規格できればという話をしただけで、
ここまでの物を作るなんて」
「元は大人のために造っていた物なのに。
たとえ、子どもの道具といえども型の戦略を
広げるため・・・あの方らしい」
「ええ・・・」
彼女に少し皮肉がふくまれる感想を聞かされる。
確かに、内容が内容なので元々子どもの仕様でない物で
大人にも手伝ってもらっているのだけれど、
ボクが先生からお目付けされているほど
大きい役割をもっているのも事実。
お下がり感覚で作らされているのは同意。
だから、今の発言はだまってないしょにしておく。
にもかかわらずに、先生が1人の児童に
設計を任せているのも訳がある。
実はそれを決定したのは自分や学校ではなく、
父だったからだ。
1か月前 ノア邸 食堂
「これが基本設計書だ、後はお前自身で作ってみろ」
話のきっかけはここで受け取った物で始まる。
父から差し出された8枚の書類は豊日エリアの会社、
タマヨリヒメで作っている極秘
[決して知られてはならないこと]の企画書だった。
食事前に見せられたものを確認すると、
関東とは比にならない仕様に思考がとまる。
「これは・・・今まで見たことがないタイプだね?」
「4回の会議を経て、どうにか通せた。
アルミニウム合金以外でも成功したから、
素材を変えても使用できるはずだ」
会社の方でも実用化[本当に使えるかどうか]の見こみを
何度も検討していたらしい。
6つの砲筒をもつ約1.5mのシロモノを
見たボクは今まで見てきた水鉄砲というわくから
飛び出た世界を思い知った気がした。
下を向きすぎて顔からメガネがズレかける。
水を10Lもためられる
容量の大きさからして、
かなり長い間打ち続けられる戦闘機に
そうちゃくするような兵器そのものだ。
重さもあるので、こしから上にかかえて打つことが
できないものの、場を制するはんい力は
どの地方にも勝る仕様であった。
「パッと見でも、数十分は打ち続けられそう。
金属性の射出物を水に代えても、
同様の効果をはっきできるんだ?」
「CO2タンクによる圧力で連続放射ができるから
射出構造にちがいはない。
ただ、材質が問題で小学生の部において本物の合金は
使用を許されない。
電動モーター部分の規格は当初から通っていたのは
幸いで、プラスチックの性質から適応する
部品を製作してみるんだ」
モーターは関東より早く伝わった電動ガンで、
どの地方でも使用は許されている。
しかし、容器は国からの制約でまったく同じ材質で
作れない。
シリンダー[細長い円筒]を金属から
灰色のプラスチックに代えて
軽量化させるのが目的で、
子どもがあつかえるよう改良。
そして、大人の目がとどくイリーナ先生に素材などの
協力をしてもらっている。
彼女もタマヨリヒメの元出身者だった。
校長から監査役[問題が起こらないか見張ること]
として着く。
ただ、先生が理系関係だからといって
なんとなく協力しているのではない。
実は、永栄は会社からお金を出資されているため、
ガトリング型の設計を堂々と作ることができたのだ。
父のつとめる所は中部で有数の工場を置いて
、細かい部品を造れるメーカーだ。
だから、校長先生にも注目されるような立場でじきじきに
はげましを受けるくらいに
身内による助力で素材にこまらず組み立てできた。
しかし、初期段階の性能はあまり高くなく、
射程きょりもとぼしい。
他の地方に同じ物を作られたら、
またふりだしにもどってしまう。
一度試合で使おうものなら、すぐにマネをされるだろう。
実際に完成させても中部に大きな利点ができるのかと
思っていたところ、
父は手を打ってあると理由を明けた。
「特許庁の申請が通った。
これでしばらくは他地方をおさえられる」
「なるほど」
特許というワードで理解できた。
すなわち、日本の中心機関を後ろだてにすることで、
他が“マネをさせない、できない”期間を生み出す事で
差を図る。
国のルールを利用するすべをとっていた。
ガトリングと同様に場をおさえさせることまで
父は考えていたからだ。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。


Condense Nation
鳳
SF
西暦XXXX年、突如としてこの国は天から舞い降りた勢力によって制圧され、
正体不明の蓋世に自衛隊の抵抗も及ばずに封鎖されてしまう。
海外逃亡すら叶わぬ中で資源、優秀な人材を巡り、内戦へ勃発。
軍事行動を中心とした攻防戦が繰り広げられていった。
生存のためならルールも手段も決していとわず。
凌ぎを削って各地方の者達は独自の術をもって命を繋いでゆくが、
決して平坦な道もなくそれぞれの明日を願いゆく。
五感の界隈すら全て内側の央へ。
サイバーとスチームの間を目指して
登場する人物・団体・名称等は架空であり、
実在のものとは関係ありません。
狭間の世界
aoo
SF
平凡な日々を送る主人公が「狭間の世界」の「鍵」を持つ救世主だと知る。
記憶をなくした主人公に迫り来る組織、、、
過去の彼を知る仲間たち、、、
そして謎の少女、、、
「狭間」を巡る戦いが始まる。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる