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1章 関東編
第2話 目を覚(冷)まさせる竜1
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体育の時間 グラウンド
「え、スイリュウ君とタケル君の試合をする
時間をくれって?」
ジェドがキリエ先生に2人の時間を割いてくれとたのむ。
授業前にウオバト勝負をする時間がほしいと言う。
休み時間でやりたかったが、着替えの準備で
間に合わなかったので授業中にやりたいとのこと。
転校がてら、さっそくクラスの子たちと
何かを試そうとする動きがあると見て分かった。
(さっそく実せんするのね)
キリエは彼がさっそくアクションにうつすつもりなんだと、
内心さぐるように思う。
総理の指示でわざわざここまでやって来たくらいだから、
学校のメンツ上げにどこまではくしゃがかかれるのかと
悪魔のほほえみでお手なみはいけんとOKをだした。
金髪ポニーテール先生の許可をもらい、
さっそく始める2人。
タケルは先で言ったふつうにはない1:1でいどむ。
人数は5:5、10:10、30:30の
3種類で行われる。
今回使うガンタイプは共にアサルトライフル型。
ピストン式という電動ガンを用いることにした。
ライフは最大100からスタート。
水玉はそれぞれ当たった体の部位につき、
ビート[ライフ0]となる。
胴にヒットしたら5、うで、脚にヒットしたら10へる。
頭にヒットした場合は40、計3発でビート。
試合では審判がいるが、水の当たり判定は
腕時計型のタブレット“ウオッチ”が計るので
誤審がおこらない。[ウォッチでなくウオッチ]
ライフがなくなった時は引き金をひいても
水が出ない仕組み。
支給されたウォーターガンとウオッチでウオバトが
成り立つ。
この組み合わせだけは全国どこでも同じ規格である。
後、必ず顔にゴーグルを付けるのも
義務付けられているので、
水による痛みはないものの、眼球にダメージを
与えてはならないはいりょがなされていた。
以上のルールをもって始まる。
2人ならではの心情をもっておたがいに準備を進めてゆく。
たとえ小学生といえども、大人子ども、男女の
身体能力差が小さいウオバトだけど、
1人1人ちがった動きになるのが時たま見えてくる。
どんな試合になるんだろうとクラスの子どもたちが
見守る中に対して、スイリュウは水をくむ様子がない。
コトミはやらないのかとさいそくした。
「水、入れないの?」
「もう入れてある、こっちの準備はすんだ」
「やる気マンマンだな、面白くなってきた」
ここに来る前からとっくにくみ終えていたと言う。
タケルも対戦相手を見ながらマガジンポットに
水を入れ始める。
600Lくらいの
学校用ビニールプールからくんでいた。
公式ルールでつめかえ用は2つまで携帯できる。
1:1は不足しないが、水が空になる前にいかに
ムダなく打てるか正確に射撃する能力も
かけひきだ。
ゴボゴボゴボ
ちなみに補給する水そうは
亜空間バブルという装置で水をためている。
中で小重力を発生させて水滴を集めて
ウォーターガン用に使う。
湿度が高い日に集めて水道代の負担をなくす。
日本は海洋国なので、夏入りにいくらでも得られるのだ。
ただ、8月なかばには空気がかわいてくるので、
初夏から準備。
たいてい梅雨明けまでにできるだけ吸いこんでおいて
水がくさりにくくするように、
特殊な成分が中にまぜられて保管できる機能が
そなえられていた。
なに、どうやって重力を発生させているのかって?
君は実に良い着眼点をもっている。
空間というものは空ではなく、
+と-の電気みたいな性質をもっていて
-の周りに物がいっぱいギュウギュウづめになるほど
+の作用が高まって重力は強くなる。
人によっては“ゆらぎ、わいきょく”とかいわれる力で、
ある日本の科学者が開発した
謎の青白い物質が中心部の-を強めて空気中の水蒸気を
集めている。
もちろん、強すぎると色々な物も引きよせてしまうから、
ほどほどの小重力で水分のみかき集めている
仕組みとなっていた。
この世界ではすでに反重力がつくられて、
ウオバトの試合にも利用。
けがの時、ライフ0の時にリフターがおりて陣地、
キャンプにもどる設計もある。
[スキー場で上に登るロープウェイが宙に浮くようなもの]
主に試合場の広いところで使われることもあった。
そのために、あらゆるところで用いる
便利な技術なのである。
人はいつしか空を目指さなくなっていた。
外側を見ることをやめ、
内側の異性という+-ばかり見るように
多くの集まりという人間の重力現象にとらわれてしまう。
だから、そんな便利なものあるわけがないと
ご都合と思われようが、空間をみたす水と同じく
宙に浮かぶ設定をつくった。
反重力は良いぞお。
重力に逆らえば、地震や津波の回避など
色々なことができるんだから。
さみしさまぎれで横のつながりにとらわれすぎれば、
テクノロジーという縦の文明理解からおきざりに
されてしまうのだ。
ぜひ、将来の役に立つ浮遊物を作れるように目指して
世界の空皇――
「――というわけで、もう始めるの?」
「ああ、先生。合図をだして!」
「はいよ!」
というわけで、2人の勝負は奇妙な前ふりをへて始まる。
クラス一のやりたがりだけに、タケルはせかしながら
フィールドにのりこみ
足を広げて幅とびしながら登場。
スイリュウも入場しておたがいに見えないよう、
はしによっていく。
ルールはチームデスマッチという、
ライフ0になったら終わりの形式。
チームといっても、1:1の特別形式だから
きちんとしたものではない。
試合場は背丈より大小のクッションが適当にしかれた
600㎡のはんい。
いわゆる、立体的なきょ動でじゅうおうむじんに展開する。
地面は芝生なので、下はとくに
何もしいていない仕様。
本場とちがって大がかりな設備にはできないので、
学校のグラウンドに合わせた
縦20m、横30mのたんじゅんな作りわく中で行う。
試合中はウォーターガンでなぐる、
手でつかんで打つのは禁止。
細かなルールはまだあるけど、
今ここであげれば長くなるので省略。
先のように、規格は地方によってまちまちだけど
勝つ方法はただ1つ、
相手に目がけて水を発射するだけだ。
「え、スイリュウ君とタケル君の試合をする
時間をくれって?」
ジェドがキリエ先生に2人の時間を割いてくれとたのむ。
授業前にウオバト勝負をする時間がほしいと言う。
休み時間でやりたかったが、着替えの準備で
間に合わなかったので授業中にやりたいとのこと。
転校がてら、さっそくクラスの子たちと
何かを試そうとする動きがあると見て分かった。
(さっそく実せんするのね)
キリエは彼がさっそくアクションにうつすつもりなんだと、
内心さぐるように思う。
総理の指示でわざわざここまでやって来たくらいだから、
学校のメンツ上げにどこまではくしゃがかかれるのかと
悪魔のほほえみでお手なみはいけんとOKをだした。
金髪ポニーテール先生の許可をもらい、
さっそく始める2人。
タケルは先で言ったふつうにはない1:1でいどむ。
人数は5:5、10:10、30:30の
3種類で行われる。
今回使うガンタイプは共にアサルトライフル型。
ピストン式という電動ガンを用いることにした。
ライフは最大100からスタート。
水玉はそれぞれ当たった体の部位につき、
ビート[ライフ0]となる。
胴にヒットしたら5、うで、脚にヒットしたら10へる。
頭にヒットした場合は40、計3発でビート。
試合では審判がいるが、水の当たり判定は
腕時計型のタブレット“ウオッチ”が計るので
誤審がおこらない。[ウォッチでなくウオッチ]
ライフがなくなった時は引き金をひいても
水が出ない仕組み。
支給されたウォーターガンとウオッチでウオバトが
成り立つ。
この組み合わせだけは全国どこでも同じ規格である。
後、必ず顔にゴーグルを付けるのも
義務付けられているので、
水による痛みはないものの、眼球にダメージを
与えてはならないはいりょがなされていた。
以上のルールをもって始まる。
2人ならではの心情をもっておたがいに準備を進めてゆく。
たとえ小学生といえども、大人子ども、男女の
身体能力差が小さいウオバトだけど、
1人1人ちがった動きになるのが時たま見えてくる。
どんな試合になるんだろうとクラスの子どもたちが
見守る中に対して、スイリュウは水をくむ様子がない。
コトミはやらないのかとさいそくした。
「水、入れないの?」
「もう入れてある、こっちの準備はすんだ」
「やる気マンマンだな、面白くなってきた」
ここに来る前からとっくにくみ終えていたと言う。
タケルも対戦相手を見ながらマガジンポットに
水を入れ始める。
600Lくらいの
学校用ビニールプールからくんでいた。
公式ルールでつめかえ用は2つまで携帯できる。
1:1は不足しないが、水が空になる前にいかに
ムダなく打てるか正確に射撃する能力も
かけひきだ。
ゴボゴボゴボ
ちなみに補給する水そうは
亜空間バブルという装置で水をためている。
中で小重力を発生させて水滴を集めて
ウォーターガン用に使う。
湿度が高い日に集めて水道代の負担をなくす。
日本は海洋国なので、夏入りにいくらでも得られるのだ。
ただ、8月なかばには空気がかわいてくるので、
初夏から準備。
たいてい梅雨明けまでにできるだけ吸いこんでおいて
水がくさりにくくするように、
特殊な成分が中にまぜられて保管できる機能が
そなえられていた。
なに、どうやって重力を発生させているのかって?
君は実に良い着眼点をもっている。
空間というものは空ではなく、
+と-の電気みたいな性質をもっていて
-の周りに物がいっぱいギュウギュウづめになるほど
+の作用が高まって重力は強くなる。
人によっては“ゆらぎ、わいきょく”とかいわれる力で、
ある日本の科学者が開発した
謎の青白い物質が中心部の-を強めて空気中の水蒸気を
集めている。
もちろん、強すぎると色々な物も引きよせてしまうから、
ほどほどの小重力で水分のみかき集めている
仕組みとなっていた。
この世界ではすでに反重力がつくられて、
ウオバトの試合にも利用。
けがの時、ライフ0の時にリフターがおりて陣地、
キャンプにもどる設計もある。
[スキー場で上に登るロープウェイが宙に浮くようなもの]
主に試合場の広いところで使われることもあった。
そのために、あらゆるところで用いる
便利な技術なのである。
人はいつしか空を目指さなくなっていた。
外側を見ることをやめ、
内側の異性という+-ばかり見るように
多くの集まりという人間の重力現象にとらわれてしまう。
だから、そんな便利なものあるわけがないと
ご都合と思われようが、空間をみたす水と同じく
宙に浮かぶ設定をつくった。
反重力は良いぞお。
重力に逆らえば、地震や津波の回避など
色々なことができるんだから。
さみしさまぎれで横のつながりにとらわれすぎれば、
テクノロジーという縦の文明理解からおきざりに
されてしまうのだ。
ぜひ、将来の役に立つ浮遊物を作れるように目指して
世界の空皇――
「――というわけで、もう始めるの?」
「ああ、先生。合図をだして!」
「はいよ!」
というわけで、2人の勝負は奇妙な前ふりをへて始まる。
クラス一のやりたがりだけに、タケルはせかしながら
フィールドにのりこみ
足を広げて幅とびしながら登場。
スイリュウも入場しておたがいに見えないよう、
はしによっていく。
ルールはチームデスマッチという、
ライフ0になったら終わりの形式。
チームといっても、1:1の特別形式だから
きちんとしたものではない。
試合場は背丈より大小のクッションが適当にしかれた
600㎡のはんい。
いわゆる、立体的なきょ動でじゅうおうむじんに展開する。
地面は芝生なので、下はとくに
何もしいていない仕様。
本場とちがって大がかりな設備にはできないので、
学校のグラウンドに合わせた
縦20m、横30mのたんじゅんな作りわく中で行う。
試合中はウォーターガンでなぐる、
手でつかんで打つのは禁止。
細かなルールはまだあるけど、
今ここであげれば長くなるので省略。
先のように、規格は地方によってまちまちだけど
勝つ方法はただ1つ、
相手に目がけて水を発射するだけだ。
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