【R18】次に目を開けた時、イケメンのベッドの中に異世界転移してました。

第１章 はじまり

１９・女医さんでした

結局、地面に降ろされることなく横抱きにされたままだったので、ソーヴィを知る人々に認知されてしまう事態となった。
妙齢の女性たちは残念がり、男たちは喜んだ。
そうだよね。顔もスタイルも性格も良くて性欲無尽蔵の手練手管な男がいたら、女の子みーんな取られちゃうもんね。
それが意中の子だったりしたら、たまんないだろうな。
意中の子か…きっとその中にも、ソーヴィのことを本気で好きな女の子が、いるんだろうな。
ほんの少しだけ胸がチクっとした。

連れて来られたのは、白かったであろう壁に蔦植物が絡まった、なんとも大きな建物だ。
開かれている門から中に入ると、ソーヴィは顔パスだった。
「普段、薬を卸してるからね！」
「薬剤師すごーい！」
得意げな表情をする時だけ、ちょっと子どもっぽくて可愛い。
通された部屋には、ベッドが一台、机、椅子が三脚、そしてセクシーな女医さんがいた。ロングワンピースのスリットが太ももまで入っていて、黒いガーターベルトがチラチラ見える。足を組み替えたら中も見えてしまうんじゃないだろうか。
やっぱり、セクシー下着つけてるんだろうな。
どうしてこの国の人は、そんなに性に奔放なんだろう。
「いらっしゃい、ソーヴィ。」
艶っぽい声に、視線を交わす微笑み。
「やあ、メロキー。」
ソーヴィ…この人と絶対セックスしたことあるでしょ…無いわけないわ。
溢れ出るこのエロスに、耐えられる男がいるの！？
なぜかイライラしながら見ていると、ソーヴィが椅子に私を座らせた。やっと降ろされたのに、どうしてかソワソワする。
「可愛いお嬢さんね、お名前は？」
「アユリだよ。」
何で、ソーヴィが答えるのか。
「そう。アユリさんは、どうしたのかしら？」
「生理が来たんだけど…魔法がかかってないから、施術して欲しくて。」
だから、何でソーヴィが答える？
不可解な顔で見上げれば、満面の笑みを称えていた。
えっ、逆に怖いんですけど。
「あら、そうなのね。でも、ソーヴィなら、かけられるんじゃないかしら。」
不思議そうな顔をして、女医さんが首を傾げる。その姿も、えっちな動画のパッケージみたいで、ものすっごく卑猥だ。
「かけ方は知ってるんだけど、やったことないし、痛かったらかわいそうだから。」
ねえ、何回も言うけど、痛いってなんなのー？！
そんなやばいことするの？
「アユリさん怖がってるじゃない、変なこと言わないの。貴方達、セックスしてるんでしょ？ソーヴィのが入るなら痛くなんて無いわよ。」
ほらー！やっぱり、やっぱりしてるよこの二人！
してなきゃ、アレの大きさなんて知らないもん！
っていうかやっぱり、ソーヴィと一緒にいるとセックス済みって、公然の認識なのね。
なんなの…恥ずかしくて死ぬ…
「そうなんだ？」
「そうよ。じゃ、かけちゃいましょっか。ベッドに仰向けに寝て、足を開いてくれる？」
「はい…分かりました。」
なんかムカムカしながらベッドで足を広げると、女医さんがうっとりした顔で私を見つめた。
「アユリさんて…可愛いわね。」
ここの国の人は、美的感覚がおかしいのか、私のことをすごく褒めてくれる。前の世界では、そんなこと言われなかったのに。
ありがたいような、恥ずかしいような。
「ありがとうございます。」
「メロキー！」
ソーヴィが怒ったような声を出す。
「やだあ、分かってるわよ。」
薄く笑ってソーヴィにウィンクをするから、思わず問いかけてしまった。
「あの…服、めくりますよね？」
潤んだ瞳と目が合う。
「ええ、そうしないと施術できないもの。」
「ソーヴィに見られるの…ちょっと…」
「えっ、なんで？！」
当たり前じゃん！何で見せなきゃいけないの！
「そうねえ、気持ちは分かるけど…ソーヴィが施術の仕方を見ておかないと、何度もここへ通うことになるし…施術料も馬鹿にならないから。」
そうか、施術料がかかるよね。話し振りからすると、私が払える金額じゃなさそうだし…ソーヴィが立て替えてくれるんだろう。
果てしなく申し訳ない。
次回からソーヴィにしてもらえば、無料だし…我慢する…！
「分かりました。」
ソーヴィは真剣に頷いた。
「勉強させてもらうよ。」
仕事の顔をしているソーヴィは、ちょっとカッコよかった。ちょっとね！