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第三部
Sky's The Limit・31-2
しおりを挟む赤いワンピースの襟と袖の縁に青いラインが入っている。
「二色ですよ。サンキュウ!は三人なのでダメです」
「ベルトか靴下か、アクセサリーを緑にすればいいじゃん」
「…確かに」
赤の割合は多いが自担だから問題ない。三色そろっていればサンキュウ!ではある。
「これが気に入らないなら、こっち」
ワインレッドのシャツに、落ち着いた青と緑のチェックの膝丈タイトスカート。
「いいですね…配色の割合的にも」
「こだわりが強いな」
ここでこだわらなかったら、もう二度とその日はやって来ない。絶対に後悔したくない。
「妥協は許されないので」
「あー、喜一のコンサートか」
アンニュイな態度の美人さんは、スッと私から離れた。
私はうんうん唸りながら店中の服を見るつもりで、一つ一つ吟味する。
「なかちゃん、これ新しいやつー!」
ユキさんが持ってきたのは、比較的赤系の服だった。
「赤が基調の方がいいでしょ」
赤と青の組み合わせが多く、やっぱり緑は少ない。赤と緑って、クリスマスのイメージあるもんね。
「緑はスカートで補うか」
「ほら、これは」
横から差し出されたのは、白地に、青い花と葉っぱが散りばめられたワンピース。パフスリーブの袖が赤だった。
「可愛い!」
「あ、それ!先週入ったやつだ、そういえばあったね」
得意げな顔をした美人さんが、私を見下ろしている。
「ありがとうございます!」
きいくんの友達なだけあって、親切だなあ。
「まあ、大切な彼女らしいし、ちょっとくらい手伝ってあげてもいいかと思って」
「えっ、きいくん、美人さんにそんな話してるんですか?!恥ずかしいな…」
「は?美人さんて、俺のこと?」
「そうですけど?」
美人さん以外の形容詞が思い浮かばなくてすみません。語彙が死んでおりまして。
「俺のこと知らないの?」
驚愕の顔で私をご覧になってますが、大変恐縮なことに思い出せません。
「申し訳ございません…職業アイドル以外に興味がございませんでして」
舞台やドラマで共演した方は覚えてるんですが…アイドルが出演してないテレビは見ないし。
「あっはっは!大丈夫だよ、なかちゃん!私も知らなかったから」
「ここは、失礼な人間が多いな」
「申し訳ございません」
アイドルだったら、すぐに覚えるんですけどねえ。やっぱりモデルさんだろうか。
「なかちゃん、前に言ってた喜一くんと一緒に来た美人が、この人だよ」
ん?きいくんと来た美人…
「誕生日プレゼントを買った…?」
「あー、買わせた買わせた」
そういえば、と美人さんが頷いた。
「女の人じゃなかった…?」
「あー!もしかして、なかちゃん浮気の心配してた?!」
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