わたし、メリーさん

osho

文字の大きさ
上 下
9 / 24

おでかけー①

しおりを挟む
キッチンについたら、朝ご飯のいい匂いがするなかあわただしく朝食を食べてる制服を着た零さんがいた。




私は零さんに「おはようございます。」というと、零さんは「おはよう。」と返してくれた。






今朝はトーストにスクランブルエッグとベーコン、野菜がたっぷり入ってるスープだ。







私が席につき食べ始める頃には、零さんは食べ終えていた。





「ひってひます(行ってきます)」





口一杯に頬張った零さんは、朽崎さんに行儀が悪い事を指摘されながら、玄関へと向かっていった。
  



呆れた顔をしている朽崎さんと私も続けて玄関へと向かう。


すると、零さんが靴をはき家を出ようとしていたので、



「行ってらっしゃい、お気をつけて。」というと、




「ありがとう行ってくるよ。」と言い出ていった。




零さんがドアをバタンと閉めると、朽崎さんは大きなため息をついた




「はぁ~、忙しいやつだなぁ零は。」





零さんを見送った私と朽崎さんは再び朝食を食べ始めた。













今日は朽崎さんとおでかけすることになった。



幽霊専門の役所に行ったり、買い物に行ったりするらしい。







でも人前に出ることはまだ不安ではある。






(大丈夫かなぁ……。)







私と朽崎さんは朝食を食べ終えたら、出かける準備をすることにした。



私は朽崎さんが用意してくれていた服に着替えた。





「やっぱり服でかいなぁ、メリーちゃんの服も買いに行かなきゃだね。」




サイズは少し大きめだったが、女の子っぽい可愛い服だ。


今まで着ていた服より可愛いらしく私は少し照れる。






朽崎さんは私と違って大人っぽい服装だ。




(やっぱり朽崎さん綺麗だなぁ。)



朽崎さんは私に念のためにとハンカチやポケットティッシュなどの入ったポーチも渡してくれた。







「よし、メリーちゃん行こうか。」





私と朽崎さんは戸締まりを確認して、玄関へと向かった。





朽崎さんは靴も用意してくれていた。


履いてみたら靴のサイズはピッタリだった。



朽崎さんは「ちょっと古い靴でごめんね。」ということだったが、私はいろいろと用意してもらえて嬉しかった。









外に出ることは今まで普通だったが、少し緊張と不安がある。

朽崎さんは「心配しなくていいよ。」といい手を繋いでくれた。




人になってはじめて外にでる。





太陽の日射しがいつもより、眩しい気がした。





朽崎さんが家の鍵を閉め、私は朽崎さんの横を歩く。





(外歩いて大丈夫かなぁ。)






私はうつむいて歩いていたので気づかなかったが前からおかあさんとその子供と思われる女の子が歩いていた。




私は思わず朽崎さんの後ろに隠れてしまった。




「おはようございます、山口さん。今日はいい天気ですね。」




朽崎さんの知り合いだったのか、朽崎さんは笑顔で挨拶をしている。


「あらー、朽崎さんおはよう。今からおでかけ?…………あら、その金髪の子は誰?」






私のことだ、どうしよう。





頭の中で電話したときのことがよぎる。






怖がられ、悲鳴が聞こえた時のことが。








朽崎さんは小声で「大丈夫だよ。」といって、手をしっかり握ってくれた。



私は、恐る恐る挨拶をした。









「は、はじめまして、私メリーと……言います。」








緊張して凄い小さな声になったが、言えた。




今どういう表情になっているだろうか




緊張で耳まで赤くなってるのが分かる。











「お姉ちゃん、お人形さんみたいで可愛い。」






私は驚いた。




子供がキラキラとした目で私のほうを見ている。



何ともないのだろうか。



その子のおかあさんも笑顔で挨拶してくれた。







どうやらいつの間にか私のほうが人のことを怖がっていたのかもしれない。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ヲタクな妻は語りたい!!

犬派のノラ猫
ライト文芸
これはヲタクな妻と夫が交わす 普通の日常の物語である!

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

今日の授業は保健体育

にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり) 僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。 その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。 ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。

古屋さんバイト辞めるって

四宮 あか
ライト文芸
ライト文芸大賞で奨励賞いただきました~。 読んでくださりありがとうございました。 「古屋さんバイト辞めるって」  おしゃれで、明るくて、話しも面白くて、仕事もすぐに覚えた。これからバイトの中心人物にだんだんなっていくのかな? と思った古屋さんはバイトをやめるらしい。  学部は違うけれど同じ大学に通っているからって理由で、石井ミクは古屋さんにバイトを辞めないように説得してと店長に頼まれてしまった。  バイト先でちょろっとしか話したことがないのに、辞めないように説得を頼まれたことで困ってしまった私は……  こういう嫌なタイプが貴方の職場にもいることがあるのではないでしょうか? 表紙の画像はフリー素材サイトの https://activephotostyle.biz/さまからお借りしました。

J1チームを追放されたおっさん監督は、女子マネと一緒に3部リーグで無双することにしました

寝る犬
ライト文芸
 ある地方の解散された企業サッカー部。  その元選手たちと、熱狂的なファンたちが作る「俺達のサッカークラブ」  沢山の人の努力と、絆、そして少しの幸運で紡ぎだされる、夢の様な物語。 (※ベガルタ仙台のクラブの歴史にインスパイアされて書いています)

キャバ嬢とホスト

廣瀬純一
ライト文芸
キャバ嬢とホストがお互いの仕事を交換する話

処理中です...