上 下
6 / 43
ドラゴンの肉編

5.準備の時間

しおりを挟む



また、来ちゃいました。




あの3階の部屋の扉の前に。








「おかーさん。はやくいこー。」




最近買っってあげたおもちゃのステッキをもって娘は、はしゃいでおります。




娘はどうしようかと思いましたが、家に一人にさせるわけにもいかないので連れていくことにしました。







そして、今日はいろいろあると思うのでバッグにたくさんの物を入れてきました。






備えあれば憂いなしというやつです。







「よし、行こうか。」





娘の手を握り、私は扉を開けます。












そして、入っていった先は…………。









昨日の玉座の間でした。







私も驚きでしたが、そこに居た人達はもっと騒然としておりました。









「おぉ……、あなた方でしたか。」




ヴァーグ将軍は驚いた顔でこちらを見ております。








「しかし、慣れないものだな……。」




王様は不思議そうな顔でこちらを見てきます。






「……ゴホンッ、さて本題だが。」





王様の顔が真剣な顔になります。





「国中から選りすぐりの兵士達を集めた。武器に、装具もある。……先日の戦いで痛手を負ったが、充分に戦える用意はしてある。」




「あとは、あなた方が望むものを用意しよう。」










私達の望むものですか…………。









「あの……………。」





「何だ?」





私は王様に話します。












「……馬車を一台だけ用意して頂ければ、それだけで大丈夫です。」




恥ずかしながら、歳をとると歩くのも少し辛い場面がありますので乗り物は欲しいです。








そして玉座の間が騒然とします。





「まさか、二人で向かわれるおつもりか?」





「はい、そうですが……。」






「なんと………………。」






王様は愕然がくぜんとしておられます。






他所様の家に大人数で押しかけるのは不躾ぶしつけですし、私達だけでいいかなと思ったのですが………。






「………確かに、我々では足手まといになるのかもしれないですな。」





ヴァーグ将軍は話します。







「いえっ!そういうわけでは………。」






「分かった。」





王様は話します。






「馬車を用意しよう。他の者達も万が一に備えて準備はさせておく。」





「はい、ありがとうございます。」







そして王様はヴァーグ将軍に命令します。





「ヴァーグよ!今すぐに馬車を手配するのだ。」





「はっ!」






そして、ヴァーグ将軍は兵士さん達に指示を出し城内は慌ただしくなってきました。






私も頑張らないといけないですね。







私は娘と一緒に用意された馬車へ向かいました。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

もう死んでしまった私へ

ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。 幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか? 今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!! ゆるゆる設定です。

私の部屋で兄と不倫相手の女が寝ていた。

ほったげな
恋愛
私が家に帰ってきたら、私の部屋のベッドで兄と不倫相手の女が寝ていた。私は不倫の証拠を見つけ、両親と兄嫁に話すと…?!

王が気づいたのはあれから十年後

基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。 妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。 仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。 側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。 王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。 王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。 新たな国王の誕生だった。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

『ラズーン』第二部

segakiyui
ファンタジー
謎を秘めた美貌の付き人アシャとともに、統合府ラズーンへのユーノの旅は続く。様々な国、様々な生き物に出逢ううち、少しずつ気持ちが開いていくのだが、アシャへの揺れる恋心は行き場をなくしたまま。一方アシャも見る見るユーノに引き寄せられていく自分に戸惑う。

お嬢様はお亡くなりになりました。

豆狸
恋愛
「お嬢様は……十日前にお亡くなりになりました」 「な……なにを言っている?」

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

骸骨と呼ばれ、生贄になった王妃のカタの付け方

ウサギテイマーTK
恋愛
骸骨娘と揶揄され、家で酷い扱いを受けていたマリーヌは、国王の正妃として嫁いだ。だが結婚後、国王に愛されることなく、ここでも幽閉に近い扱いを受ける。側妃はマリーヌの義姉で、公式行事も側妃が請け負っている。マリーヌに与えられた最後の役割は、海の神への生贄だった。 注意:地震や津波の描写があります。ご注意を。やや残酷な描写もあります。

処理中です...