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ドラゴンの肉編
22ー④.魔王の城へ向けて
しおりを挟む「う、……うぅ。一体ここは?」
「近くの宿屋さんですよ、ゆうしゃさん。」
「そうか、あの後私は眠ってしまっていたのか。」
そう、私達はあの後眠っていたゆうしゃさんを近くの宿屋さんまで連れてきて、起きるのを待っていました。
「おにいちゃん、おはよー!」
「あははは、おはよう。君は元気だね。」
娘は相変わらず元気です。
「それでゆうしゃさん。娘はテスト合格なのでしょうか?」
私はゆうしゃさんに尋ねます。
「当たり前の合格ですよ。文句なしの百点満点です。」
「やったー!」
娘は大喜びです。
私は娘とハイタッチをしました。
「ただの子供だと思っていたこちらが悪かったです。」
ゆうしゃさんは娘の恐ろしさを知ったようですね。
「それでこれからはどうしますか?」
私はゆうしゃさんに今後の事を尋ねます。
「そうですね、今すぐにでも魔王の所へ向かう出発しようかなと思っています。」
「『今すぐ』ですか?」
「はい。本当は仲間探しにもっと時間がかかると思っていたので、もう少し先になる予定だったんですけど。」
「それでここからまおうさんの所まではどのくらいかかるのですか?」
「だいたい3日ぐらいですね。」
「3日ですか!?それは困ります。」
そんなに家を空けている訳にはいきません。
「私に策があるので明日出発しましょう。」
「え?…………あっ、わ、分かりました。」
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しかし、策があるのは本当です。
私は娘にあることを頼んで、ゆうしゃさんに話します。
「私達は一度帰るので、また明日よろしくお願いします。」
「………………??」
私がそう言うと娘は何もないところに手をかざします。
ゆうしゃさんはその娘の行動と私の発言が意味不明といった顔をしています。
しかし次の瞬間ゆうしゃさんは理解してくれました。
何もないところにあの大きな扉が出てきたからです。
「それでは、また明日。」
「あ、はい。お疲れ様です。」
困惑しているゆうしゃさんを片目に、私は娘と家に帰っていきました。
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