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ドラゴンの肉編
21ー⑥.ルシアの街
しおりを挟むまんもふさんを救った後は今度はゆうしゃさんが活躍してくれました。
持ち前の顔の広さでいろんな方と話して迅速に対応し、混乱を最小限にとどめて下さったおかげで事態は無事に収束しました。
街の方達も家屋等の被害や軽い負傷者はいたものの、誰一人として死人は出なかったことを喜んでいるようです。
「お待たせしました、話しは無事に終わりました。」
「お疲れ様です、ゆうしゃさん。」
ゆうしゃさんは街で一番偉い人に事の説明をし終わったようです。
それで、街は総力を上げて復興に尽くすということでした。
「ゆうしゃさんのおかげで、被害は最小限にとどまったので良かったです。」
「いえいえ私は何もできてませんよ。この街を救ったのはご婦人、あなたなんですから。」
「そ、そうですか?」
いざ誉められると恥ずかしいものです。
私はあの妙なひょうたんのようなもので、黒い煙を吸っていただけなのですから。
…………ん?そういえば。
「ゆうしゃさん、結局まんもふさんから出ていたあの『黒い煙』って何だったんですか?」
「あれですか。あの煙のようなものは恐らく『魔王』の力ですね。」
「まおうさんの力ですか?」
「そうです。魔王がマンモフに力を与えた影響であの黒い煙が出てきたのでしょう。」
『力を与える』ですか………。
いわゆるドーピングというものでしょうか?
それならマンモフさんの体が大きくなっていたのにも納得がいきます。
「早く……まおうさんの所へ行きたいですね。」
私はぽつりと呟きます。
「そうですね。今まで水面下で動いてきた魔王がここまで派手に動くということは恐らく………。」
「ところでゆうしゃさん。まおうさんはどこにいるのかご存じなのですか?」
「はい。この街での聞き込みで確信が持てました。」
「そうですか!それは良かった。」
ということは、ようやくまおうさんの所へ行けるということですね。
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