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ドラゴンの肉編

21ー②.ルシアの街

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「ふぅ………。」






四方八方にお店があるこの街での買い物は疲れます。







言ってしまえば巨大なショッピングモール。








あちらこちらに同じような物を扱っているお店も多くあり、探すのが大変です。












「おかあさん、あったよー。」







娘がどうやら買い物メモに書いてあるものを見つけたようです。







子供はやっぱり探す力があるのでしょうか?






たくさんの物の中からでも目的の物を見つけるのが得意なようです。














そんなこんなで買い物すること一時間ぐらいでしょうか…………。







ようやく目的の物を揃えることができました。









………しかし、ここは見慣れない物が多いですね。








日本と違うことは当たり前なのですが、それにしては少し中世ぐらいの雰囲気というか………。













ま、考えすぎでしょう。







私達はゆうしゃさんとの待ち合わせ場所まで戻ることにしました。


















「「キャー!!」」







「「うわーなんだあれはっ!」」







その時、遠くから悲鳴が聞こえてきました。











「……………っ!?」







その方角を見てみると巨大な何かがいるではないですか。









「グオアアアアアアア!」






巨大な鳴き声が街中に響きます。







何かの映画の撮影があってるんですかね?












…………いや、あの肌触りの良さそうな毛並み見覚えがあります。








もしかして、まんもふさんでしょうか?







にしては随分と大きくなっていますが、何があったんでしょう。











まんもふさんはその大きい体をコントロールできていないのか上手く歩くことができていません。







しかし、歩くたびにおこる地響きで街の人々は恐怖で混乱しています。












「おかーさん、あの人痛い痛いって言ってる。」








「えっ?」







その鳴き声にしか聞こえないような音から何かを娘は感じ取ったようです。











「ちょっとだけ怖いかも知れないけどついてきてね。」






私がそう言うと、娘はコクりとうなずき私の手をしっかりと握ります。








まんもふさんに何があったのでしょうか?







私達はまんもふさんの元まで向かうことにしました。




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