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ドラゴンの肉編

19-②.ラスカの町で

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白銀の鎧を纏ったその人は、持っていた剣のようなもので骸骨さんを切りつけます。





するとバキッと激しい音を立て骸骨さんはその場でバラバラと崩れ落ちてしまいました。









「怪我はなかったですか?」





その優しそうな青年は私に聞きます。









「えぇ、怪我はなかったですが……。」








「ほかに何か具合が悪い所でも?」





青年は私に聞きます。










「そうじゃないです!あなたまでそんな物振り回してたら危ないですよ。」







「えぇっ!」






青年は驚いた表情をしています。









「たまたま、その骸骨がおもちゃだったから良かったものの人だったらどうしたんですか?」






「いや、これは魔物………。」











「お前ハ……。」






青年と話していると私は横に何かいることに気がつきます。









あ、さっきの大男さんです。











「勇者ガ、こんな所で何の用ダ!」







「お前は、マンモフっ!」







まんもふ?






名前までさわり心地よさそうですね。









「お前達がこの町を荒らしていたのか!」






それにこの青年は『ゆうしゃ』さんとついているんですか。







良い名前ですね。








「ふふふ、この町の財宝は既に頂いタ。もうここには用はなイ。」







「財宝を奪うために、この町の人を傷つけたのか!許せない。」







ゆうしゃさんはそう言って、マンモフさんに持っていた剣のような物で斬りかかります。








「ちょっと、危ないですよっ!」







私の声は二人に聞こえていません。






止まるどころか、二人はますます激しくケンカしています。







ゆうしゃさんは持っている剣で斬りかかり、マンモフさんは大きい腕を振り回して…………。







当然、回りの家屋や花壇かだんなどにも被害がでています。












「………………あっ。」







逃げ遅れた子供でしょうか。






物陰に身を潜めてブルブルと震えています。








怖いんですよね、きっと……。










そんな事も知らない二人は相変わらず、ケンカをしています。
















ーーーーーーープツッ。








その瞬間に何かが私の中で切れたような感じがしました………。




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