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ドラゴンの肉編
17.町に入った知らせ
しおりを挟むあの後、私達は町の人達のご好意で美味しい物をいただいたり、船に乗せてもらったりと至れり尽くせりでした。
娘も大変満足なようで、ずっとはしゃいでいます。
いい思い出になったようですね。
町の人達もとても明るく、この町の本来の良さが完全に戻ってきたかのように思います。
とりあえず一件落着ですね。
………と、思っていた矢先。
「大変だー!大変だー!」
ある知らせが町に入ってきます。
その知らせを伝えにきた青年は、かなり急いできたようで、とても疲れています。
「おい、どうしたんだ?そんなに急いで。」
心配した町の人が青年に声をかけます。
「ラスカの町に魔王軍が責めてきたんだよ!」
「なんだって!その話はほんとうか?」
まおうぐん?
もしかしてあの女の子が言っていた『まおうさま』と関係があったりするのでしょうか?
その話を聞いた町の人達はざわざわとしております。
「せっかく、元の生活に戻ってこれたというのに、クソッ。」
まおうさまというのが会ったことが無いのでどういう人かは分かりませんが、あまり誉められた人ではないようです。
町の人達は無念といった表情でで店を閉めています。
「…………。」
娘もどこか落ち込んでいるようにも思えます。
「はぁ………。」
せっかくの楽しい時間が台無しです。
(…………ん?)
よく考えてみたら、青年は急いで来たってことはまだ近くにいるのでしょうか。
来ているのがその『まおうさま』本人じゃなくても、その方々に伝言を頼めば『まおうさま』に伝えてくれるかもしれないですね。
「あの、すみません。えっと……『ラスカの町』というのはどこにあるのですか?」
私は、急いできた青年に尋ねます。
「え、ラスカはここから西に行った所にあるよ。」
「分かりました、ありがとうございます。」
私の次の目的が決まりました。
あまりこういうことは苦手なのですが。たまには心を鬼にして言わなきゃいけないことがあるようです。
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