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夏の合宿編
合宿1日目ー出発する朝
しおりを挟む『ジリリリリリ!』
けたましいアラームの音が部屋中に響く。
私は手探りにアラームを止めて、窓の外をカーテンから覗きこんだ。
今日の空は雲一つない綺麗な空だった。
「よし、今日は晴れそうだな。」
私は上機嫌で一階におりる。
「おかあさんおはよ~。」
「おはよう、桜。」
下に降りるとおかあさんが朝ごはんを作ってくれていた。
私は椅子に座り「いただきます。」といって朝ごはんを食べ始めた。
(まだちょっと眠いなぁ………。)
そんなことを思いながらご飯を食べていた。
ご飯を食べ終えると、私は学校へ行く支度をした。
先に身支度を済ませ、今度は持ち物の確認をする。
今日は持っていく物が違うので何度もチェックした。
「よし!忘れ物はなし。」
ちょうどチェックを終えた頃、玄関のチャイムが鳴った。
おそらく吹雪がきたのだろう。
私は学校用のかばんと、旅行用の少し大きめのバッグを持ち、急いで一階へと降りた。
「さくら、おっはよー!」
玄関を開けると、ウキウキな吹雪が待っていた。
昨日あれだけ楽しみにしていたので朝からテンションが高い。
でもそれより気になるのは……。
「……吹雪、その荷物なに?」
吹雪は驚きながら言う。
「え!合宿で使う荷物に決まってるじゃん。」
私の持っていく荷物の3~4倍はあるであろう量は明らかに二泊三日の域を越えていた。
「……吹雪ちょっとおいで。」
私はその大量の荷物を整理しに、吹雪と自分の部屋に戻った。
そして、いざバッグを開封してみると大量のお菓子やら、雑誌やらがでてきた。
「………。」
無言で見つめる私に対して、吹雪は言い訳を始めた。
「ほ、ほら、万が一に備えて……餓死するかもしれないし…。」
私はそう言う吹雪を尻目に整理を始めた。
「あぁ、私のお菓子達っ!」
吹雪は何かいろいろ言っていたが、お構い無しに進めていった。
結果的に私と同等ぐらいにまで収めることができた。
整理を終えた私達は再び玄関へと向かう。
「さくら、吹雪ちゃんいってらっしゃい、楽しんできてね。」
おかあさんに見送られたあと、吹雪の家にさっきの不要な荷物を運びに行く。
「さよなら、お菓子達……。」
「ほら、早く行くよ。」
ようやく私達は学校へ向かうことができた。
学校に近づくにつれて大きな荷物を持った二年生達が多く見られる。
吹雪もいつの間にか、朝一番のテンションに戻っていた。
そして校門を通ると何台かバスが止まっていた。
「桜さん!こっちです。」
星宮ちゃんの声だ。
声のする方を見てみると、星宮ちゃんに笹山君、それに松白君が揃っていた。
「二人ともおはよう。」
朝から爽やかな笑顔で松白君が挨拶をする。
「よしっ!俺達の班は欠席、遅刻無しだな。」
私達の班のリーダーになった笹山君は先生のところに報告へ行く。
そうだ、いよいよ出発だ。
きっと普段の桜海高校生活とは違う経験が待っているんだろう。
(思いっきり楽しむぞ~~。)
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