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とある乙女ゲームの裏側の話

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「なに? 敵対派閥が揺らいでいる?」

 私は一つ頷いて、学園における昨今の情勢を語りました。

 端的に言うと、敵対派閥の貴族子息が一人の女生徒に現を抜かしているという状況です。

 公爵子息、魔法師団長の息子、大商家の息子、司教の息子、そして私の婚約者である第一王子。

 上記の五人が謎の女生徒に惚れ、配下のように付き従っている有様です。

 私としては、好きでもない婚約者の目を向けてくれて感謝しかありません。

 しかし、本当にお父様の手勢ではないのでしょうか。あの女生徒。

「そんなあからさまな手を打てるなら、わざわざお前を馬鹿王子の婚約者には据えん」

 ですよね。

 しかし、こうもあっさりと状況が変わるのなら、国内情勢にも影響を及ぼすのではありませんか?

「その辺りは、私の仕事だ。お前はその連中から距離を置き、学園生活を謳歌してくれれば良い」
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