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爵位が剥奪されたので、婚約破棄を受け入れます

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「婚約を破棄する必要なんか無い! 俺の家なら、君の家を再興させることも可能だ!」

 そのようなことをする必要は、貴方の家にはありません。

 また、その義務も責任もありません。

 そして、私の家は爵位を剥奪されても貴族の血が流れていることに変わりはない。


 つまり、そのような屈辱的な状況を甘んじて受け入れる家ではないということです。


「誇りで家は建たない。領地に住む民の生活も守れない。愚かな、自己満足に過ぎないんだぞ……」


 その正論を立てる心こそが、誇りでしょうに。

 我が家の元領地については、信用できる侯爵家に管理して頂くことになっています。

「だが……!」

 王家の命令は絶対です。

 逆らうことは秩序を乱し、ひいては民の生活を脅かすことになりましょう。


 私は私に相応しい道を征きます。

 貴方もまた、貴方に相応しい方を見出して下さい。

 貴族としての使命を全うできる貴方だからこそ、私は好きになったのですから。
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