上 下
1 / 1

友人の婚約者マウントに付き合わされる話

しおりを挟む
「私の婚約者は公爵子息で、イケメンで、優しくて、周囲にも気遣いができて」

 はいはい、良かったですね。

 適当に相槌を打ちながら頷く私です。

 いや、婚約者がいるからって自慢するのは止めて下さいよ。

 羨ましいことは羨ましいですけど、でも毎日毎日同じことを聞かされる身にもなって下さい。

 婚約者が素晴らしいことは分かりましたけど、少し盲目過ぎでは?

 あまり、良い噂を聞きませんよ、その婚約者。

 と言っても、貴女は耳を貸さないんでしょうけどね。




 とか言っているうちに、彼女の婚約者が浮気をしていることが発覚したようです。

 当然のように婚約が破棄され、彼女は抜け殻のようになってしまいました。

 言わんこっちゃない……。

 ガリガリにやつれ、聞けば食事も喉を通っていないのだとか。

 なんでこう、面倒なことばかり引き起こすんですかね、貴女という人は……。



 まあ、二か月後にはまた婚約者が出来たそうで、元通りの体調に戻りましたけど。

 そして今日も元気に婚約者マウントを私に取ってくる友人なんですけれども。

「貴女にも素敵な婚約者が出来れば分かりますわ」

 本当に馬鹿なんですから……。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

男子から聖女と言われている同級生に彼氏を奪われた。その後、彼氏が・・・

ほったげな
恋愛
私には婚約もしている彼氏がいる。しかし、男子からは聖女と言われ、女子からは嫌われている同級生に彼氏と奪われてしまった。婚約破棄して、彼のことは忘れたのだが、彼氏の友人とばったり会ってしまう。その友人が話す彼氏の近況が衝撃的で……!?

婚約破棄された私は、年上のイケメンに溺愛されて幸せに暮らしています。

ほったげな
恋愛
友人に婚約者を奪われた私。その後、イケメンで、年上の侯爵令息に出会った。そして、彼に溺愛され求婚されて…。

愚か者の話をしよう

鈴宮(すずみや)
恋愛
 シェイマスは、婚約者であるエーファを心から愛している。けれど、控えめな性格のエーファは、聖女ミランダがシェイマスにちょっかいを掛けても、穏やかに微笑むばかり。  そんな彼女の反応に物足りなさを感じつつも、シェイマスはエーファとの幸せな未来を夢見ていた。  けれどある日、シェイマスは父親である国王から「エーファとの婚約は破棄する」と告げられて――――?

婚約を解消したら、何故か元婚約者の家で養われることになった

下菊みこと
恋愛
気付いたら好きな人に捕まっていたお話。 小説家になろう様でも投稿しています。

失礼な人のことはさすがに許せません

四季
恋愛
「パッとしないなぁ、ははは」 それが、初めて会った時に婚約者が発した言葉。 ただ、婚約者アルタイルの失礼な発言はそれだけでは終わらず、まだまだ続いていって……。

もう、振り回されるのは終わりです!

こもろう
恋愛
新しい恋人のフランシスを連れた婚約者のエルドレッド王子から、婚約破棄を大々的に告げられる侯爵令嬢のアリシア。 「もう、振り回されるのはうんざりです!」 そう叫んでしまったアリシアの真実とその後の話。

愛されない女

詩織
恋愛
私から付き合ってと言って付き合いはじめた2人。それをいいことに彼は好き放題。やっぱり愛されてないんだなと…

婚約者に「愛することはない」と言われたその日にたまたま出会った隣国の皇帝から溺愛されることになります。~捨てる王あれば拾う王ありですわ。

松ノ木るな
恋愛
 純真無垢な心の侯爵令嬢レヴィーナは、国の次期王であるフィリベールと固い絆で結ばれる未来を夢みていた。しかし王太子はそのような意思を持つ彼女を生意気と見なして疎み、気まぐれに婚約破棄を言い渡す。  伴侶と寄り添う心穏やかな人生を諦めた彼女は悲観し、井戸に身を投げたのだった。  あの世だと思って辿りついた先は、小さな貴族の家の、こじんまりとした食堂。そこには呑めもしないのに酒を舐め、身分社会に恨み節を唱える美しい青年がいた。  どこの家の出の、どの立場とも知らぬふたりが、一目で恋に落ちたなら。  たまたま出会って離れていてもその存在を支えとする、そんなふたりが再会して結ばれる初恋ストーリーです。

処理中です...