1 / 1
婚約破棄を機に、王国に見切りを付けた話
しおりを挟む
ふと気が付けば、私は義母の胸で泣いておりました。
婚約者による浮気、国賓が居並ぶ中での婚約破棄宣言、そして浮気相手との婚約発表。
バカ王子と呼ばれている彼だけならまだしも、その親たる王も彼を支持しているという信じられない軽挙妄動。
貴族の一員として、なんとも情けない。
それにも増して情けないのが、そんな王族を諫められない私の無力さです。
縷々と泣き言を漏らしていたら、義母は楽しげに言いました。
「なら、こんな国から逃げちゃいましょうか」
更に聞けば父上も国の上層に見切りをつけているとのことです。
あれよあれよという間に、私たち一家は義母の実家である帝国に移籍を完了していました。
それから数年後、元居た王国は政情が荒れに荒れ、国としての体裁を失い、帝国主導の連盟管理下に置かれることとなったようです。
婚約者による浮気、国賓が居並ぶ中での婚約破棄宣言、そして浮気相手との婚約発表。
バカ王子と呼ばれている彼だけならまだしも、その親たる王も彼を支持しているという信じられない軽挙妄動。
貴族の一員として、なんとも情けない。
それにも増して情けないのが、そんな王族を諫められない私の無力さです。
縷々と泣き言を漏らしていたら、義母は楽しげに言いました。
「なら、こんな国から逃げちゃいましょうか」
更に聞けば父上も国の上層に見切りをつけているとのことです。
あれよあれよという間に、私たち一家は義母の実家である帝国に移籍を完了していました。
それから数年後、元居た王国は政情が荒れに荒れ、国としての体裁を失い、帝国主導の連盟管理下に置かれることとなったようです。
0
お気に入りに追加
3
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
愛するお嬢様を傷付けられた少年、本人が部屋に閉じこもって泣き暮らしている間に復讐の準備を完璧に整える
下菊みこと
恋愛
捨てられた少年の恋のお話。
少年は両親から捨てられた。なんとか生きてきたがスラム街からも追い出された。もうダメかと思っていたが、救いの手が差し伸べられた。
小説家になろう様でも投稿しています。
先生!放課後の隣の教室から女子の喘ぎ声が聴こえました…
ヘロディア
恋愛
居残りを余儀なくされた高校生の主人公。
しかし、隣の部屋からかすかに女子の喘ぎ声が聴こえてくるのであった。
気になって覗いてみた主人公は、衝撃的な光景を目の当たりにする…
婚約破棄されたおっとり令嬢は「実験成功」とほくそ笑む
柴野
恋愛
おっとりしている――つまり気の利かない頭の鈍い奴と有名な令嬢イダイア。
周囲からどれだけ罵られようとも笑顔でいる様を皆が怖がり、誰も寄り付かなくなっていたところ、彼女は婚約者であった王太子に「真実の愛を見つけたから気味の悪いお前のような女はもういらん!」と言われて婚約破棄されてしまう。
しかしそれを受けた彼女は悲しむでも困惑するでもなく、一人ほくそ笑んだ。
「実験成功、ですわねぇ」
イダイアは静かに呟き、そして哀れなる王太子に真実を教え始めるのだった。
※こちらの作品は小説家になろうにも重複投稿しています。
仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる