男性に対する理想が高過ぎる妹でしたが、思いの外にあっさりと結婚してくれました。私を置いて。

男性に対する理想が高過ぎる妹でしたが、思いの外にあっさりと結婚してくれました。私を置いて。

　妹は子どもの頃から恋人への理想が高く、白馬の王子様でなければ嫌だと宣言していました。

　彼女の言う「白馬の王子様」とは、文字通りの意味ではありません。

　自身の想定する理想の男という意味で、「白馬の王子様」という言葉を使っていたわけです。

　高い地位、高い身長、優しくて性格が良くてうんぬんかんぬんといった、まあ、人外の何かですね。

　しかしそんな理想を掲げていた妹も、婚約話をあっさり受け入れ、相手の令息とあっさり結婚してしまいました。


　あの、私は特に理想とか無いんで……父上？　婚約話とか、ありませんかね……？

　いや、政略結婚でも良いんですよ。相手が年上過ぎなければなお良しで。あと太ってなければ良いし、痩せすぎてなければもっと良いです。性格も優しいとは言わないまでもほどほどで、爵位も高くなくて良いし、それなりの暮らしができればそれで……って、なんでそこで首を横に振るんです！？