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婚約者の妹が可愛すぎて溺愛してしまう話

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 私は未来の義妹を見て、呆気に取られて言葉を失いました。

 ふわっふわしている金の髪、透き通るような碧の瞳、もちもちのきめ細やかな白い肌。

 いずれも婚約者なんかより、数段も上の美しさに至っています。

 いや、比べるのも烏滸がましい程でした。

 それに何より美しくも可愛らしい。

「メアリ、君ねぇ。仮にも婚約者に『なんか』とは失礼じゃないの? あと僕の可愛いマリアに近づくな」

「うるさいですよエドガー様。もう少し視界の外に出ていて下さいません? それと貴方のではないでしょう。マリアちゃんは私のです」

 私と婚約者が顔を近づけてメンチを切り結んで決闘の雰囲気を作っている中を、私のマイラブリーマリアちゃんがちょこちょこと小さく歩いてきて、一生懸命に言いました。

 ――おにいちゃんもおねえちゃんもなかよくしなきゃだめ!

 泣きそうな顔も可愛すぎる……!

 とはいえ、泣かせてしまうのは胸に大きな喪失感を抱きます。泣かせたことはありませんが、そうなることは容易に想像がつきました。ゆえに私と婚約者はすぐに仲良い態度を取り繕って寄り添い、しかしその後ろでは密かに背中を抓り合い、マリアちゃんを心配させないように柔らかな笑顔を見せました。マリアちゃんも、天使が消失するほどの眩い笑顔を見せてくれました。

 私がエドガー様と婚約したのは、家のためではなく、国のためでもなく、マリアちゃんと巡り合うためだったわけですね。
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