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サイコラリー
**顔のない女**
しおりを挟む朝方、パトカーのサイレンが
歌舞伎町に響き渡る
リンはまだ覚醒されてない頭で
嫌な予感を感じていた
体を起こし、時計を覗きこむと
時刻は午前5時
外はセルリアンブルーに光り始めている
禿鷹「おはようございます
リンさん、コーヒーいれましよまうか?」
どうやら禿鷹はキッチンに立ち朝食の準備をしているようだ
朝5時に
そういえば、禿鷹の眠っている姿を見たことがない
いつ寝てんだ?
こいつ
ってか本当人間か?
まったくもって気色悪い奴め
【なぁ、禿鷹
お前人間だよね?】
禿鷹は怪訝な顔をしてこちらを振り返る
禿鷹「はぃ?リンさん、寝ぼけておられるんですか?
朝っぱらから変なこと言わないでください」
【あぁ…
腹立たしい奴め】
禿鷹「そんなくだらないこと言ってないで、しっかり目を覚ましてください
どうやら、お客様がいらっしゃったみたいですよ」
はっ?どこに?
******
コンコン
******
「リン、いるか?
出てきてくれ 警視庁の権堂だ
」
禿鷹「ほら、いらっしゃった」
【やっぱお前人間じゃないな、スパーサイヤジンだろ?
ナメック星からきただろ】
禿鷹「リンさん、とうとう、とち狂いましたね、可哀想に」
*************
権堂 一 (ゴンドウ ハジメ)
警視庁捜査一課の刑事
彼とは腐れ縁で、時たまにこうやって訪ねてきては、協力を強要する
厄介なやつ
そしてこの時間に訪ねてくるとは
警察のクセに非常識きわまりないわよねー
ドアを空けると無精髭の中年男性
権堂が小声で耳打ちする
権堂「ちょっと見てもらいたい遺体がある」
【またかーい?
私はおくりびとじゃないんだけどねー(笑)
歌舞伎かい?】
権堂「あぁ、この街の住人の事はお前に聞くのが一番手っ取り早いからな
まさか断らないよな
公務執行妨害で逮捕するぞ?」
【げっ、相変わらずたち悪いねー
ファック、しょうがないチラッと見るだけだからねー
私は低血圧なんだよー
朝は頭回らないのよね】
リンはブツブツ文句を言いながらもTシャツを着る
権堂「……あと、リン、下着で出てくるのだけは辞めろ」
禿鷹「リンさん、お出掛けですか?」
【ああ、ちょっとおくりびとのバイトしてきまーす】
禿鷹「行ってらっしゃい、ハムエッグでも作っておきましょう」
【さようならー】
************
歌舞伎町 繁華街 路地
*************
【あらー
ごんちゃん、これは私でもわからないよー
酷い変わりようだ】
権堂「だよな、でもこういう特殊なの、お前得意だろ?」
路地に転がっているゴミ箱の中で
人間と思われる遺体が発見されたのは
午前4時頃
近隣の店員がゴミ出しの際、発見し、通報したらしい
【見付けた人は大丈夫かい?
トラウマになるねー
顔が無いものねー
性別も解らなくされちゃってるね】
権堂「あぁ、俺も流石に気分が優れない
死亡解剖に出してみないとな、見ただけではただの肉片だ」
リンが遺体に近付き、鼻をクンクンさせている
【うーん】
顔の剥ぎ取られた"それ"を観察するように凝視する
【あー
これは皮を剥ぎ取られたあと、鈍器のようなもので骨格を潰されてるね
歯も抜かれてるし、猟奇的にも度を越えてるね
しかしながら、これは女だね
うん、間違えいないわよ】
権堂「どうしてわかる?」
【検視官のお兄さん、ちょっとここを開いてくれる?】
お兄さんは口と思われる部分を
顔を背けながら開いた
【ここ、見て、盛り上がっている所、この白っぽいの、親知らずが埋もれてるわけ
この位置からして骨格がだいたい解るわけで、このくらいの位置にあると言う事は女ね、多分この人普通の女性より顔が小さい方だね、】
権堂「でも、これだけの知識を持ってる奴が、親知らずがとはいえ、残していったのは不可解じゃないか?」
【おそらく抜かなかったんじゃなくて、抜けなかったんだよ
この親知らずは上に向かって生えてたんじゃなくて、横向きに生えちゃってる
この場合 ‘‘生きている人間ならば’’
一度歯を2つに切ってから、二回に分けて抜かなければならない
普通なら口腔外科でやらなければならない手術だ
手間と時間がかかるんだよね 本来は
死ぬ前に抜いたのか、死んでから抜いたかで状況はまた変わってくるんだけど........
まっ、解剖すれば解ることだけどね
流石に子宮までは抜いてないでしょ】
権堂「うえっ、吐きそうな話だな
ってかお前なんでそんな知識あるんだよ、」
【ごんちゃん、歌舞伎町をなめちゃいけないねー
このくらい普通だよー
ってかみんな知ってるレベル
警察は腕力あっても知識無いわけかぁ】
権堂「ちっ、相変わらずいけすかない奴め」
ってか誰でも結構知ってる事だけどね権ちゃん 笑
しかしながら
無理矢理抜けないわけでもないか....
これだけ荒い手口なのに
うーん、、、
【まっ、そんなこんなでこの子は知らないね、
頑張ってお仕事してくだいなー】
権堂「ちっ、まぁなんか情報が入ったら連絡してくれ、些細なことでいい
誤魔化したらしょっぴくからな!」
【はいはい、じゃあねー
私は眠いんで帰りますわよー】
***********
血の臭いに混ざって
遺体からは甘い匂いがした
あれは
青酸カリ?
でも、なぜあんな酷い殺しかたをするくせに
青酸カリを飲ませたんだろう
わざわざ薬で1度殺してからバラバラにしたってことか………?
もし、サイコパスのような奴の仕業だとしたら、苦しむ姿を楽しむのが彼らのルール
ヤクザの線も薄いし、
身元をわからなくするためだとしたら、やっぱり あれか?
しかし今回の事がスカッシュの件と繋がっていたら
相当ヤバイね
人間という生き物は本当
残酷だよ
*************
【ただいまー】
禿鷹「おくりびとさん、お帰りなさい
朝食の用意出来てますよ
どうでしたか?」
【あぁ、朝っぱらから見たくない光景を見たのだけは確かだね
まったく権堂の奴め
私を何だと思ってるのか】
リンはぷんすかしながら手を洗い
ダイニンクテーブルに座る
禿鷹「ほほぉ
かなりエグかったみたいですね
血の臭いが染み付いちゃってますよ?」
【あぁ、エグイ所の話じゃないわよ
あっ、ハムエッグ美味しい、
happyー★】
リンは美味しそうに頬張る
禿鷹「しかしながらそんなエグイモノ見たあとによくハムエッグ食べれますね」
【えっ?
あーあ、そう言えば、うえっ!
思い出させないでよね】
***************
夏はやはり苦手だ
外はまだ午前10時だというのに
30度を越え、道行く人々の生気を奪っていく
空は青いのに
人の心は醜く歪んで
今日も命を落とす人間がいることを
忘れてはいけない
【こんな日はやはりガリガリ君だねー】
リンはコンビニで買ったアイスを食べながら、日陰で涼んでいた
「リンさん、おはよう」
振り返るといかにもホストな男が立っていた
【おぉ、麗くんじゃないかい
こんな時間に珍しいね
朝帰りかい?
おさかんだねー】
麗「違うよ(笑)
これから新店舗で使うホストの教育があるんだ」
【あらっ、また拡大するのねー
やり手だねー】
麗「ケツモチお願いしますね(笑)」
【ごめんこうむるね、私はヤクザじゃないわよ(笑)】
夜の世界で今となっては
麗を知らない奴は居ないだろう
歌舞伎町No.1ホスト本城麗くん
そしてリンにとってはこれまた情報網の一人である
【ところでさぁ麗くん麗くん
今朝の事件知ってる?】
麗「あぁ、なんか騒がしかったですね
酷い事件だったんでしよ?」
【流石麗くん、情報はやいねー
大変結構
やっぱお前、歌舞伎町に泊まってたな
ニヤリ、】
麗「ひっかけましたね?(笑)
まぁ、大体のことは耳に入りますよ、従業員や大切な姫様方に何かあってからでは遅いですからね」
【大変結構ー
ホストに人生かけてるねー
まぁ、嫌いじゃないようん、
ホストは嫌いだけどね】
麗「相変わらず棘がありますね(笑)
リンさんもたまには店に顔を出して下さい
姫様方が喜びますんで(笑)」
【畜生め、私は生物学的上女だぞ
何度言わせるんだ】
麗「まぁまぁ(笑)知ってますよ?
私の恋人ですから」
【げっ、お前と男女関係になるなんて死んでも遠慮したいね
そもそも人間に興味ないわけよ
クワバラクワバラ(笑)】
麗「フラれるのは初めてです(笑)
まっ、その気になったら何時でも相手になりますよ」
【はいはい、
って、やった!ガリガリ君あたりー
ラッキー】
麗「子供か!(笑)」
麗「あっ、そうだ、リンさん、
スコーピオンのスカッシュとか言う男…
気をつけた方が良いですよ」
【ん?スカッシュかい?
また、なんで】
麗「黒い噂が絶えない、まして国籍すら信用できない奴だとか
アメリカ人といってるみたいだが、容姿だけではわからない」
【あぁ、まあねー
この街じゃさほど不思議なことではないが、麗くんが言うなら
肝に命じておこう】
麗「はい、ではまた
お気をつけて」
【バイバーイ】
スカッシュねー
まぁ、胡散臭い奴ではあるけどね
麗の耳に入るということは
結構悪巧みしてそうだねー
でもまだ泳がしておくのも悪くないねー
【あっ、当り交換してもらお★
すいませーん】
禿鷹へのお土産にしよう(笑)
************
**********
夕方、リンはスコーピオンに向かった
朱色に染まる空を背中に
これから目覚める歌舞伎町の街は
昼間とはうってかわって
人が集まり始めていた
【たのもー】
スカッシュ「HEY、リン、オツカレ!
例の件、なにかシンテンあったか?」
【まぁ、ぼちぼちねー
ところでさ、少し聞きたいことがあってね
マロンの身長は大体、何センチくらいだったかな?】
スカッシュ「そうだなー
シンショウは165?はあったとおもうが……」
【そうか、うん…。
スカッシュも今朝の事件知ってるよね?】
スカッシュ「あぁ、なんかヒドイジケンだったみたいだな、
日本でもブッソウなことがおこるようになったな…
まさか…ケサの遺体、マロンなのか?」
【いや、おそらく違うだろうな
あと、名前、偽名だったよ?
身分証も偽装だねー】
「そう、だったのか…
めんぼくねぇ、すっかりダマサレテタナ」
【とりあえずこのまま捜索つづけるよー
またなんかあったら寄らせてもらうねー】
スカッシュ「あぁ、わるいな……」
くさいねー
スカッシュの奴
何か隠してるねー
店を出るとちょうど出勤して来たルルと出会す
ルル「リン!おはよー
何してるの?」
【あらっ、フランス人形ちゃん
おはよう
ちょっとmydarlingに会いにね】
ルルはあきれた顔をして
ため息をついた
ルル「ねぇ、リン、マロンのことだけどあの子さぁなんかヤバイことでもやってたんじゃない?
それで逃げただけだと私は思うけど、
スカッシュだってお店を飛ぶ子なんて沢山いるのに、今回に限ってリンに頼むなんておかしいよ
リンが変なことに巻き込まれないか、私は心配だよ…」
【あらら、ありがとう、ルル
でも大丈夫さー
一度首突っ込んだんだからね
そう簡単に放り投げたりはしないよー
それに私を甘く見てもらっちゃ困るわよねー(笑)】
ルル「んもっ!人がせっかく心配してあげてるのに!
勝手にすればー知らないからねっ」
そっぽを向くルルの髪をリンが撫でる
【心配してくれてありがとうルル、
それにしても綺麗な髪だ……。】
ルル「もぅ、おだてたってダメだからね」
そう言いながらルルは店に入っていった
【うー怖いねー
女ってのは扱いづらいねー
私も女だけどねー】
ふむふむ
なるほどね
これはまだ想像の世界にしかすぎないんだけど
もし私の考えている
この方向性が合ってたら
ゾッとするような物語だな
今のところ、1番怪しいのはスカッシュなのだが.......
できれば係わりたくないけど
歌舞伎町で起こっていることだ
そうかそうか
しょうがない
とりあえずこれを昴に調べて貰うとするか……
リンちゃん本気だしちゃうからねー(笑)
そしてリンは手を握りしめた
錦織 昴(にしきおり すばる)
生物学の研究者
リンと幼馴染みのこれもまたイカれた
欠落者の一員である
***探偵事務所bond****
禿鷹「リンさん、
鎌鼬からファックスが
あと、Gさんから伝言です」
禿鷹が二枚の紙とメモ書きしたものを差し出す
【はーい
どれどれ?
…………。
わーぉ!】
リンはソファーから飛びがり
目を丸くする
そこにはマロンの素性が書かれていた
【ほほーん……。】
禿鷹「大体の検討はつきましたか?」
【うーん、
でも裏付けが必要だねー
奴らもそう簡単に尻尾は出さないだろうし
でも、なんだかなぁ
プロがここまで情報を漏らすとは
引っかかるんだよねぇ
まっ、私は歌舞伎町が平和ならそれでいいんだけどねー
とりあえず明日にでも昴の研究室に行ってくるわ】
禿鷹「そうですか、昴さんの所へ
まぁ、リンさん
コーヒーでも飲んで頭柔らかくしてください」
【お前のコーヒーは脳ミソが溶けそうなくらい甘いんだけどねー
参ったねー】
真夏だというのに温かいコーヒーを入れる禿鷹に嫌がらせか!
とリンは心の中でで思いながらも
湯気と消えそうな蛍光灯の下で
マロンの姿が少しづつ
見え始めていた
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