俺たちは魔法が使えるだけの普通の男子ですが？

冬休みの話3

香り

幸也のバカ……変なこといいやがって……

恥ずかしかった、まるで溜まってるかの言い方されたから

……俺の濃いのかな？……おかしいのかな？
そんなことを考えてたら前から人が来てるのに気づかずぶつかってしまった

「わっ！」
「おっと……大丈夫ですか？」
「あ……すいません、気づかなくて」
「いえいえ、俺も前見てなかったんで」

身長の高い、かっこいい感じの人だった
なんだかいい香りがする

「暁！」
「え？」

そうしてると幸也が走ってきた

「いきなり居なくならないでよ、すいません、僕の連れが何かしましたでしょうか？」
「いえいえ、俺が前見てなくてぶつかってしまっただけですから、怪我してない？」
「は、はい、大丈夫です」

この人、幸也みたいに優しい

「良かった、気をつけようね、お互いに」


そう言い、去っていった

去り際もかっこよくて見蕩れてしまった

「……暁はあんな感じがタイプなの？」
「え？なんのこと？」
「見蕩れてたから」
「別に、大人だなって思っただけ」

見蕩れてはいたけど、かっこいい大人だなって思っただけだしそう思っていた

「ならいいけど……、あ、水族館行くから部屋に1度戻ろう？」
「あぁ、わかった」

そう言い部屋に戻った

★☆★