俺たちは魔法が使えるだけの普通の男子ですが？

冬休みの話2 幸也side

居ない

「ただいま」

呼び掛けに返答がない

暁寝ちゃってるのかな？

「暁？」

リビングに居ない、部屋かな？

夕飯の買い出ししたものをカウンターに置いて部屋に見に行った

「暁？寝てるの？」

部屋を見ても居ない……まさか、僕の部屋？

見に行っても三毛猫のぬいぐるみがベッドに座ってるだけだった

居ないことに焦りを感じ電話をかけた、電話にも出ない

心配と不安が重なる

暁と離れた時と同じ……それ以上かもしれない……心配で仕方なくなり部屋を出て、マンションの下まで降りてきて辺りを見回した

どうしよう、暁が居なくなったら……

不安で堪らなかった

そうしてると暁が走ってきた

「あ！暁どこ行ってたの？部屋に居ないし電話しても出ないから心配してたんだよ？」
「ごめん、夕飯の買い出しに……」
「夕飯の？必要なもの連絡してくれれば良かったのに」

良かった……帰って来てくれた……

心配しすぎだったかと暁の言葉を聞いて苦笑した

「いいの、今日は俺が作るつもりだったから」
「え？暁が？」

続く言葉に驚いてしまった

「うん……いつも作ってくれるから……たまには作ろうと……」

思いもよらない話だったけど

「嬉しい、暁が作ったの食べたい」

嬉しかった、今日の嫌な思いが帳消しになるくらい