上 下
85 / 125
冬休みの話 幸也side

笑顔は

しおりを挟む



暁の笑顔は自分にだけ向けて欲しい
他の誰でもない自分にだけ
なのに、なのに……

「痛いってば!」

その言葉に我に返った

「ごめん……」
「いきなりどうしたんだよ?」
「……仲良さそうに話してたから」
「え?」
「2人と仲良さそうに話してたから……暁が笑ってたから……そしたら……嫉妬の気持ちが出て……」

気分悪くさせたかもしれない、こんなことで嫉妬するなんてと思わせたかもしれない

「……ふふっ、幸也って本当に嫉妬するんだな」
「おかしい……?」
「いや、なんて言うか、嬉しかったよ、あの場から離れたかったし」
「なら良かった……」

そう言われ、少し安心した、笑ってくれたと

「帰ろう」

そう言い、暁の方から手を繋いでくれた

しおりを挟む

処理中です...