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冬休みの話

広がる幸せ

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帰ってからはゆっくりしていた
お茶を入れて幸也が運んで来れば

「ネックレス着けようか」

テーブルにお茶を置きながら言われた

「うん、着けて」

箱を開ければ綺麗なシェルのネックレスが見えた、やっぱり綺麗だなぁと思った

幸也が黒のシェルのネックレスを手にすれば首につけてくれた

「ありがとう、幸也にもつけてあげる」

そう言い、白いシェルのネックレスを手に取りつけて上げた

「ありがとう、お揃いだね」
「うん……ちょっと恥ずかしいけど嬉しい」
「喜んで貰えて良かったよ、あとこれ」
「ん?」

そう言われ箱を渡された

「開けてみて」

開けてみればそこにはネックレスとお揃いのひし形のシェルが入った指輪が2個入っていた

「え?なにこれ?」

どういうことなのかわからなかった

「僕のだって言う証、誰にも取られないように」

びっくりして言葉を失った
驚いてる俺の手を取り左手薬指に指輪を通した

「いつも不安なんだよ?誰かに取られるんじゃないかって」
「それは俺の台詞だからっ、いつも取られないか不安で……」
「じゃぁ、僕にもつけて」

幸也に言われればもう1つの指輪を手にして左手薬指に通した

「これでいつも一緒だから」

そう言いながら微笑んでくれれば、幸せが広がった気がした

「大人になったらちゃんとしたの渡すから」

それって……

「待っててね」

言われただけで泣きそうだった、不安を消してくれるようで

いつも先を考えてくれてる気がした、幸也となら大丈夫かもしれない

そう思わせてくれる1日だった
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