31 / 45
第3獣
怪獣3-6
しおりを挟む
怪獣が向かって来たが、イーグルドライバーたちは慌てることなく、操縦桿やラダーペダルを操作して、回避行動を取った。二度とお前には撃墜されないという信念をもった動きであった。
しかし怪獣にとって、そんな信念は関係なかった。
あざ笑うかのように、F15Jに体当たりをくらわす。一瞬でバラバラに吹き飛び、破片が宙を舞って落ちて行く。
何機かは反転して、20ミリバルカン砲を撃ち込んだ。20ミリ口径弾は怪獣に当たらず、全弾音速の壁に阻まれ、砕け散って行く。
また同じことを繰り返したのか。怪獣は内心笑いながら、再びF15Jへと向かって飛んで行く。
F15Jと衝突する寸前で、急上昇し上から体当たりを加える。再びバラバラになって破片が飛び散り、機体同士をぶつけ合う。バラバラになった破片が飛んで行く。
F15Jを文字通り、全機叩き落した怪獣は羽を羽ばたかせ、一気に急上昇する。
逃がさんと言わんばかりに、ふゆつき、えちごが艦載砲を撃ったが、全弾外れ空に黒い煙の塊を作っただけで終わった。両艦船とも満足な対空兵器を持っておらず、指を咥えて航空自衛隊のF15Jが、怪獣によって、全機撃墜されるのをただ見ているだけであり、そして怪獣を逃す大失態を犯したのだ。
舞い上がった怪獣は大空を見まわしながら、大勢の野蛮人を殺害できる場所は無いのか、探した。その時、等間隔に並んだ鉄塔と建物が目についた。
一気に急降下しながら羽を羽ばたかせ、速度をつけ、残っていた、2隻の艦船へ体当たりをくらわした。
音速の壁にぶつかった、ふゆつきとえちごは、船体を真ん中からへし折られ、艦橋は吹き飛び、全ての兵器は粉々になって粉砕され、海中へ沈んで行く。乗組員はソニックブームに触れて、一瞬でミンチになるか、船の破片や海に投げ出されるかして、全員死んで行った。最初に撃沈された、みょうこう、ひだと同じ運命をたどった。
抵抗する兵力を全て破壊した怪獣は、野蛮人共を殺害する目的のために、目についた建物に向かって飛んで行った。
それは東京電力ホールディングスの柏崎刈羽原子力発電所なのだが、怪獣にとっては、どうでもいいことであった。大勢の野蛮人を殺すことが出来たら、それでいい。野蛮人は死ぬべきなのだ。
柏崎刈羽原発にサイレンが鳴り響いた。怪獣接近に伴って鳴らされたものである。
原子炉の中央制御室は、蜂の巣をつついたような騒ぎに見舞われた。蒸気タービンを回すための原子炉は停止中であったが、その中にはまだ核燃料が入っている。
以前、青森県六ケ所村の核燃料処理施設が、別の怪獣によって襲われている。あの時の怪獣は、再処理のための核燃料を大量に捕食した後、去って行った。その時に放射能は全く検出されず、調査に当たった研究者たちは全員首を捻っていた。
一部の科学者は全ての放射能を襲った怪獣が全て吸収してしまったのではないか……。と、発言していたが、あまりに荒唐無稽すぎて、誰も真剣に取り合おうとはしていなかった。
だが、今度こそ怪獣によって、原子炉が破壊されたら大規模な放射能汚染が引き起こされるかもしれない。そうなったら、汚染によって日本が真ん中から分断されてしまう。それだけは何としても防ぎたかった。
その為に日本政府はすべての原発に、海上自衛隊や海上保安庁の対怪獣のための定期哨戒任務を行っていた、怪獣によって艦船は破壊され、柏崎刈羽原発に向かって怪獣は進んでいる。もう、なすすべはない。日本の壊滅が引き起こされようとしていた。
しかし怪獣にとって、そんな信念は関係なかった。
あざ笑うかのように、F15Jに体当たりをくらわす。一瞬でバラバラに吹き飛び、破片が宙を舞って落ちて行く。
何機かは反転して、20ミリバルカン砲を撃ち込んだ。20ミリ口径弾は怪獣に当たらず、全弾音速の壁に阻まれ、砕け散って行く。
また同じことを繰り返したのか。怪獣は内心笑いながら、再びF15Jへと向かって飛んで行く。
F15Jと衝突する寸前で、急上昇し上から体当たりを加える。再びバラバラになって破片が飛び散り、機体同士をぶつけ合う。バラバラになった破片が飛んで行く。
F15Jを文字通り、全機叩き落した怪獣は羽を羽ばたかせ、一気に急上昇する。
逃がさんと言わんばかりに、ふゆつき、えちごが艦載砲を撃ったが、全弾外れ空に黒い煙の塊を作っただけで終わった。両艦船とも満足な対空兵器を持っておらず、指を咥えて航空自衛隊のF15Jが、怪獣によって、全機撃墜されるのをただ見ているだけであり、そして怪獣を逃す大失態を犯したのだ。
舞い上がった怪獣は大空を見まわしながら、大勢の野蛮人を殺害できる場所は無いのか、探した。その時、等間隔に並んだ鉄塔と建物が目についた。
一気に急降下しながら羽を羽ばたかせ、速度をつけ、残っていた、2隻の艦船へ体当たりをくらわした。
音速の壁にぶつかった、ふゆつきとえちごは、船体を真ん中からへし折られ、艦橋は吹き飛び、全ての兵器は粉々になって粉砕され、海中へ沈んで行く。乗組員はソニックブームに触れて、一瞬でミンチになるか、船の破片や海に投げ出されるかして、全員死んで行った。最初に撃沈された、みょうこう、ひだと同じ運命をたどった。
抵抗する兵力を全て破壊した怪獣は、野蛮人共を殺害する目的のために、目についた建物に向かって飛んで行った。
それは東京電力ホールディングスの柏崎刈羽原子力発電所なのだが、怪獣にとっては、どうでもいいことであった。大勢の野蛮人を殺すことが出来たら、それでいい。野蛮人は死ぬべきなのだ。
柏崎刈羽原発にサイレンが鳴り響いた。怪獣接近に伴って鳴らされたものである。
原子炉の中央制御室は、蜂の巣をつついたような騒ぎに見舞われた。蒸気タービンを回すための原子炉は停止中であったが、その中にはまだ核燃料が入っている。
以前、青森県六ケ所村の核燃料処理施設が、別の怪獣によって襲われている。あの時の怪獣は、再処理のための核燃料を大量に捕食した後、去って行った。その時に放射能は全く検出されず、調査に当たった研究者たちは全員首を捻っていた。
一部の科学者は全ての放射能を襲った怪獣が全て吸収してしまったのではないか……。と、発言していたが、あまりに荒唐無稽すぎて、誰も真剣に取り合おうとはしていなかった。
だが、今度こそ怪獣によって、原子炉が破壊されたら大規模な放射能汚染が引き起こされるかもしれない。そうなったら、汚染によって日本が真ん中から分断されてしまう。それだけは何としても防ぎたかった。
その為に日本政府はすべての原発に、海上自衛隊や海上保安庁の対怪獣のための定期哨戒任務を行っていた、怪獣によって艦船は破壊され、柏崎刈羽原発に向かって怪獣は進んでいる。もう、なすすべはない。日本の壊滅が引き起こされようとしていた。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
琥珀と二人の怪獣王 二大怪獣北海道の激闘
なべのすけ
SF
海底の奥深くに眠っている、巨大怪獣が目覚め、中国海軍の原子力潜水艦を襲撃する大事件が勃発する!
自衛隊が潜水艦を捜索に行くと、巨大怪獣が現れ攻撃を受けて全滅する大事件が起こった!そんな最中に、好みも性格も全く対照的な幼馴染、宝田秀人と五島蘭の二人は学校にあった琥珀を調べていると、光出し、琥珀の中に封印されていた、もう一体の巨大怪獣に変身してしまう。自分達が人間であることを、理解してもらおうとするが、自衛隊から攻撃を受け、更に他の怪獣からも攻撃を受けてしまい、なし崩し的に戦う事になってしまう!
襲い掛かる怪獣の魔の手に、祖国を守ろうとする自衛隊の戦力、三つ巴の戦いが起こる中、蘭と秀人の二人は平和な生活を取り戻し、人間の姿に戻る事が出来るのか?
(注意)
この作品は2021年2月から同年3月31日まで連載した、「琥珀色の怪獣王」のリブートとなっております。
「琥珀色の怪獣王」はリブート版公開に伴い公開を停止しております。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
セルリアン
吉谷新次
SF
銀河連邦軍の上官と拗れたことをキッカケに銀河連邦から離れて、
賞金稼ぎをすることとなったセルリアン・リップルは、
希少な資源を手に入れることに成功する。
しかし、突如として現れたカッツィ団という
魔界から独立を試みる団体によって襲撃を受け、資源の強奪をされたうえ、
賞金稼ぎの相棒を暗殺されてしまう。
人界の銀河連邦と魔界が一触即発となっている時代。
各星団から独立を試みる団体が増える傾向にあり、
無所属の団体や個人が無法地帯で衝突する事件も多発し始めていた。
リップルは強靭な身体と念力を持ち合わせていたため、
生きたままカッツィ団のゴミと一緒に魔界の惑星に捨てられてしまう。
その惑星で出会ったランスという見習い魔術師の少女に助けられ、
次第に会話が弾み、意気投合する。
だが、またしても、
カッツィ団の襲撃とランスの誘拐を目の当たりにしてしまう。
リップルにとってカッツィ団に対する敵対心が強まり、
賞金稼ぎとしてではなく、一個人として、
カッツィ団の頭首ジャンに会いに行くことを決意する。
カッツィ団のいる惑星に侵入するためには、
ブーチという女性操縦士がいる輸送船が必要となり、
彼女を説得することから始まる。
また、その輸送船は、
魔術師から見つからないように隠す迷彩妖術が必要となるため、
妖精の住む惑星で同行ができる妖精を募集する。
加えて、魔界が人界科学の真似事をしている、ということで、
警備システムを弱体化できるハッキング技術の習得者を探すことになる。
リップルは強引な手段を使ってでも、
ランスの救出とカッツィ団の頭首に会うことを目的に行動を起こす。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる