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しおりを挟むそんなこんなであの後1人で静かな場所で、スマホをいじりながら弁当食べたわけだが、その前に説明させてくれ、いつもはぼっち飯じゃないからね!ね!
まぁその日から七瀬の視線を感じるようになった。
今も、英語の授業中だけど、斜め後ろからの視線が俺の背中に突き刺さる…痛い、痛すぎる。痛いからやめてほしい。
Don't look me,Nanase!!!
このままじゃ変な噂が立って、俺いじめられるのかもしれない…。
嫌だ!ものすごく嫌だ!
この際はっきり言えばいいのではないか、そう考えた俺は、七瀬に見るのをやめて欲しいと言うことに決めた…
までは良かったのですけれど、
「七瀬って人気者だったや」
普通に話しかけられるかなと思ってたけど、全然しゃべったことないし、そもそも七瀬人気だから周りに囲まれてて近付けない。
これじゃあ言えない。
「何を今更。もしかして、女に興味湧いてきたの?」
「そうじゃないよっ!!!」
じゃあなんだよ。
そう冷たく言い放つ彼は、1年の時からの唯一の友達の春乃 葵だ。こいつは冷たい。俺に冷たい。でもいつも一緒に帰ったり弁当食べたりする仲ではある…優しいやつだ。
「葵は彼女つくらないの?」
「は?」
唐突な振りに驚いたみたいだ。こんな葵みたことない…へへ、ちょっと得したな。
「俺、今は彼女とか気分じゃないし」
「そっか…葵イケメンなのにね」
「……ハイハイドウモ」
なんだよ、人が褒めてるのにさ!!
まぁいい。いつもの事だ。
葵には隠れファンが多い。いつも面倒くさそうな顔してて誰も近寄れないみたいだけど、七瀬が女子が好きな王子なら、葵は……葵は……んん…モデル?モデルみたいな感じだ…!うん。
顔がいいっていいな。
心底羨ましい。
とりあえずどうやって近付こうか、考えないといけない。
男に見られてもいいことないし、なんせ七瀬だからなぁ…。
もしかして、俺、結構イケメンなのか?
「馬鹿かよお前がイケメンだったら世の中イケメンだらけだ」
「あれ、声に出てますた?」
「出てますた」
なんだかんだ仲良くしてくれるし話聞いてくれる葵はイケメンだ。
「葵は優男ですね」
「今頃気付いたのかよ…澪はもっと俺を褒めてもいいんだよ」
「機嫌いいの?なんか、キモイ」
「ぁあ?」
痛い、やめて、蹴らないで!!
あっ、首、しまる…無理!!
声にならない声が廊下に響いた。
「あぁ、…澪」
漸く1人になれた彼は、誰もいない美術室で、窓から見える外のふたつの影のひとつをじっと見つめていた。
「今日は、俺のこと気にかけてくれてたな…嬉しい」
するりとキャンパスの縁をなぞり、描かれてる 彼 を見ていた。
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