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61話 実力の差

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ラクレスはオルロ・リットンに近づくと、魔法を使用した。

「魔法付与土魔法地神槍グングニルっ!!!!!!」ビアンカの得意だった魔法。

ラクレスは魔法を付与した剣でオルロ・リットンを突きにいった。

オルロ・リットンはそれを回避しようとするが、わずかにわき腹にかすってしまった。

「くっ!!!!!!」

オルロ・リットンはラクレスとの距離を取ろうと、後ろに下がった。しかし、ラクレスはすぐに追ってもう一突き加えた。

「くそっ!!!!!!」

オルロ・リットンはそう言葉を吐くと、魔法を発動した。

「土魔法奈落蟻ヘル・アントっ!!!!!!」

オルロ・リットンはラクレスの剣に魔法をぶつけるが、一瞬にして魔法を無力化されてしまった。

「くそっ!!!!!!」

オルロ・リットンは死を覚悟した。

しかし、

固有魔法オリジンスペル神速」

ロッド・ゲルマンが固有魔法でラクレスを蹴っ飛ばした。

飛ばされたラクレスは何とかガードしていたが、ダメージが大きかったようで血を吐いていた。

「リットン、リーシャ、今だっ距離を取れっ!!!!!!」

ロッド・ゲルマンはオルロ・リットンにそう言うと、今度はロッド・ゲルマンがラクレスの前に立った。

「俺の固有魔法オリジンスペルをくらっても、まだ立てるのかよ..............トイ・トークはこれで倒したんだけどなぁ?」

「........トークを倒した?」

ロッド・ゲルマンの言葉がラクレスの目の色を変えた。

「お前だったか..............」

「あぁ、ちなみに....あの仮面野郎は狂戦士ゼノ・ビアンカをやってるぞ?どうだ?なかなかやるだろ?」

ロッド・ゲルマンはラクレスにさらに言った。

「あいつがビアンカさんを..............」

ラクレスはそういうと、標的をロッド・ゲルマン、仮面の騎士の二人に定めた。

そして、

「魔法付与水魔法三叉槍トライデントっ!!!!!!」トークの得意だった魔法。

ラクレスはロッド・ゲルマンめがけて剣を突いた。

「はっは、S級を2属性も....お前まじでナニモンだ?」

ロッド・ゲルマンはそう言いながらも何とか避けた。しかし、固有魔法の反動から、少し息が切れていた。

それを見たラクレスは、再びロッド・ゲルマンに向かっていった。

すると、「固有魔法オリジンスペル竜化ドラゴンフォルム」今度は仮面の騎士が固有魔法を使用して、ラクレスを爪で突き刺した。

「あぁっ!!!!!!」

ラクレスは急所を何とか避けたが、わき腹をかすめていた。

「はっは、ナイスタイミングだ。さすが、我が隊の副隊長.............」

「.............早く前を見ろっ。」

仮面の騎士が小さな声でロッド・ゲルマンに言った。

誰にも聞こえてないはずの声で.............

しかし、

「.............ん?」

ラクレスは何か感じた。

(何だ?今の感じ..........こんなこと考えている余裕はないのに..........駄目だっ切り替えだっ。)

ラクレスは心の中でそう誓い、再び立ち上がった。

オルロ・リットンは思ったより傷が深かったようで、今だにオッド・リーシャに傷の手当てをしてもらっていた。

「さぁ、続きだ..........」

ラクレスはそういうと、再び魔法を唱えた。

「魔法付与土魔法地神槍グングニルっ!!!!!!」再び使用したビアンカの得意魔法。

ラクレスは仮面の騎士との間合いを詰めると、それを振りかざした。

仮面の騎士はそれを何とかガードすると、ラクレスの足を払おうとして、全力で足を振りかざした。

しかし、それをよんでいたラクレスは軽やかに躱すと、仮面の騎士の腹に剣を持つ逆の手で魔法を放った。

「土魔法地神槍グングニルっ」

ラクレスからゼロ距離で放たれた魔法は仮面の騎士の腹に直撃した。

仮面の騎士は飛ばされ、その場に倒れた。

(何なのよ..........この威力..........ゼノ・ビアンカとは比べ物にならないわ..........それに、私の爪が圧されるって..........何なのよあいつの剣..........)

仮面の騎士はそう思いながらも、なんとか立ち上がろうとしていた。

そして、「次はお前か..........」

ラクレスはロッド・ゲルマンに体を向けそう言うと、魔法を使用した。

「魔法付与水魔法三叉槍トライデントっ!!!!!!」ロッド・ゲルマンにはトークの得意だった魔法をぶつけた。

「はっはっは、馬鹿の一つ覚えみたいにそればっか使ってきやがって.....まるで、俺に殺されたどこぞの馬鹿を思い出すぜっ。」

ロッド・ゲルマンはそういうと、魔法を放った。

「行くぜっ、火魔法迦楼羅炎カルラエンっ!!!!!!」

ロッド・ゲルマンはラクレスめがけてS級の火魔法を放った。

(俺の火魔法は水魔法にも負けない威力だっ)

ロッド・ゲルマンは心の中でそう呟きながら、次の攻撃の手を考えていた。

しかし、

「何っ!?」

ラクレスは魔法を付与をした剣でロッド・ゲルマンの魔法を撃ち消すと、勢いそのままに突っ込んできた。

「覚悟しろっ!!!!!!」

ラクレスはそう言いながら、ロッド・ゲルマンを刺した。

ロッド・ゲルマンは固有魔法を発動させ、ギリギリのところで急所は外した。

しかし、ロッド・ゲルマンはその場にうずくまってしまった。

「何だ?もう終わりか?」

「ちくしょー。こんなはずじゃなかったのに.........俺の火魔法は最強なのに.........」

「じゃあ、もう一度チャンスをやる。」

「....はぁ、チャンス...だと?」

「あぁ、お前の火魔法は最強なんだろ?じゃあ、勝負しよう。」

「やってやるよっ、その勝負。負けたら、ノーガードの俺を斬っていいぞ?」

「ふんっ、そうかなら遠慮なくいかせてもらう。」

「次こそは、てめぇの水魔法に打ち勝ってやる。」

ロッド・ゲルマンはそういうと、

「何を言っている?水魔法を使うと俺に有利だろ?だから、俺は風魔法でやってやるよ。」

「はっ..........?」

ロッド・ゲルマンの腑抜けた声が辺り一帯に響いた。

「何言ってんだ?お前。俺の事なめてんのか?」

「あぁ。魔法に関してはな..........全力で来い。」

ラクレスはそういうと、少し距離を取った。

「お前、負けても知らんぞ?」

「負けたら、おとなしく帰ってやるよ。」ラクレスはそういうと、集中力を高めた。

そして、

「じゃあ、行くぞっ、火魔法迦楼羅炎カルラエンっ!!!!!!」

ロッド・ゲルマンの放った魔法がラクレスを襲う。

「風魔法天叢雲アマノムラクモっ!!!!!!」

ラクレスはロッド・ゲルマンが放った魔法に自身の魔法をぶつけた。

性質上、火魔法は風魔法との相性が良い。

しかし、

「えっ..........」

ロッド・ゲルマンの放った魔法は一瞬にして消え、ラクレスの放った魔法がロッド・ゲルマンを襲った。

驚きのあまり動かなくなったロッド・ゲルマンは魔法を回避できなかった。

「はぁぁ」

ため息を一息ついたラクレスは瞬時に動き、自身の魔法を打ち消した。

「何突っ立ってんだ?お前。俺がやる前に、お前がやられるとこだったぞ。」

ラクレスが言葉をかけるが、ロッド・ゲルマンは何も反応しなかった。否、反応できなかった。

このことは、その場にいたオルロ・リットン達も同様であった。

それぐらい先程の出来事が衝撃的であった。

「..........やれっ。」

ロッド・ゲルマンは大人しく首を差し出した。

ラクレスは、

「行くぞっ」

と言い、剣を高らかに掲げた。

そして、ロッド・ゲルマンの首めがけて剣を振りかざした。
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