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あれよあれよと、ラブリーナの販売がスタートし、ありがたいことに生産ラインもフル稼働。ハーブティーはお茶会で大人気に。商会もかなり利益が出たようで良かった!良かった!これで、公爵家と侯爵家に恩返しが出来た。
ルンルン気分のまま、私は遂に出産を迎えることに。
(……たくさんの刺客でも送られるかと思っていたけど、あの薬以来は特になかった……)
逆にそれが怖かった。
いまだに身構えてしまうが、後は産むだけ、だ。
(……ラブリーナにももう思い残すことはないし……。出産なんてドンと来いっ!)
あまりに毎日充実していてすっかり忘れていたが……。
(……アンドレア様、あの妊娠が分かった日以来、お会いしてなかった……)
そう、そんなものである。
私が出産しようが特に帰宅することもないだろう。落ち着いたら、実家にだけ連絡しなくては。
そして、満月だったその日。
私は、これまたアンドレア様にそっくりな男の子を出産した。公爵家が大騒ぎになった。
そして、そして。
出産してからも、やはりアンドレア様は帰宅することすらなく、乳母と公爵家の皆様と共に男の子(ジュニア仮)を育てていた。
困ったことに、アンドレア様不在のため、名前を付けるに付けられず、『ジュニア』と呼ぶことにしていた。
リーゼロッテ様の出産までもう少し。
名付けももうしばらくお預けだ。
そして、そんなことを思っていたその日。
珍しく王宮のアンドレア様から連絡があった。
リーゼロッテ様が、男の子を出産後亡くなられたーーと。
私は一瞬で悟った。
ああ、これは殿下の復讐なんだ、と。
ルンルン気分のまま、私は遂に出産を迎えることに。
(……たくさんの刺客でも送られるかと思っていたけど、あの薬以来は特になかった……)
逆にそれが怖かった。
いまだに身構えてしまうが、後は産むだけ、だ。
(……ラブリーナにももう思い残すことはないし……。出産なんてドンと来いっ!)
あまりに毎日充実していてすっかり忘れていたが……。
(……アンドレア様、あの妊娠が分かった日以来、お会いしてなかった……)
そう、そんなものである。
私が出産しようが特に帰宅することもないだろう。落ち着いたら、実家にだけ連絡しなくては。
そして、満月だったその日。
私は、これまたアンドレア様にそっくりな男の子を出産した。公爵家が大騒ぎになった。
そして、そして。
出産してからも、やはりアンドレア様は帰宅することすらなく、乳母と公爵家の皆様と共に男の子(ジュニア仮)を育てていた。
困ったことに、アンドレア様不在のため、名前を付けるに付けられず、『ジュニア』と呼ぶことにしていた。
リーゼロッテ様の出産までもう少し。
名付けももうしばらくお預けだ。
そして、そんなことを思っていたその日。
珍しく王宮のアンドレア様から連絡があった。
リーゼロッテ様が、男の子を出産後亡くなられたーーと。
私は一瞬で悟った。
ああ、これは殿下の復讐なんだ、と。
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