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リーゼロッテ様が出産されしばらくすると、王女の御披露目会をするから夫婦で出席するように、と招待状が届いた。
(……悪い予感しかしないわね…)
アンドレア様から渡された招待状を手にため息をつくも、出席以外の選択肢がないのだ。
アンドレア様は自分も一緒にいくから問題ないというが、きっと何かを企んでいるにちがいない……。
リーゼロッテ様は、お飾り妻よりも愛されている実感が欲しいのだろう。
嫉妬……。
憎しみ……。
自分の夫と、自分の夫の愛人とその子供に会いに行く正妻ってどんな構図?
とにかく、無事帰宅できることを祈るしかない。
◇◇◇
御披露目会は、親しい人を集めてのこじんまりとした会だった。
殿下とリーゼロッテ様と、乳母に抱かれた王女が揃うと圧巻のロイヤルオーラだった。
案の定、お決まりのリーゼロッテ様取り巻き令嬢に絡まれ軽くあしらっていると、どうやらアンドレア様がリーゼロッテ様に呼ばれたようだ。
私はここで大人しくしているしかない。
「……公爵夫人。久しいな」
「……で、殿下!その説はいろいろ手配をありがとうございました」
「……いや、こちらこそ、逆に危険に晒してしまったようで済まない……」
「……くれぐれも、しっかり手綱を握って下さいませ」
ああ、と殿下は言うと、他に呼ばれそそくさと私の前から消えていった。
すると、リーゼロッテ様の侍女が私を呼びにきた。
(まさか、また情事を見せつけようとしている?)
すっかりトラウマになってしまった。
案内された部屋には、アンドレア様とリーゼロッテ様が仲睦まじそうに談笑していた。
「……うふふ。アンドレアったら!ほら、目や鼻なんて特にあなたにそっくりじゃない?」
王女を囲んで話に花が咲いているようだ。
(……本当の家族だしね……)
アンドレア様も満更でもない様子で、王女を抱っこしていた。
(……どこが王家の秘密なんだか)
「それにしても、いつまでたってもローザさんは妊娠しないのね!公爵家は大丈夫かしら?」
私がきたことを見越して話をしているのだろう。
(自分だって、三年以上に渡り妊娠しなかった癖に……!!)
私は子供は欲しくなかったし、避妊薬を飲みたかったが、それは無理だった。
「ローザさん、ほら来てちょうだい?王女、本当にそっくりでしょう?私、本当に嬉しくて!」
身分が高い愛人は、本妻に容赦ない。
「……ねぇ、ローザさん?あなた、全然妊娠しないのだからまたしばらくアンドレア様を独占させてもらうわよ」
(第二子のために、ね…)
「……かしこまりました。仰せの通りに」
アンドレア様は始終無言で下を向いていた。
(……愛しの妻を守るんじゃなかったの?)
「ローザさんが承諾したわっ。……アンドレアっ!早速今晩からはどうかしら?」
リーゼロッテ様はあからさまにアンドレア様に腕を絡める。
今日は妻同伴だから、明日からにしてくれとアンドレア様が伝えると私の手を取り王宮を後にした。
(……悪い予感しかしないわね…)
アンドレア様から渡された招待状を手にため息をつくも、出席以外の選択肢がないのだ。
アンドレア様は自分も一緒にいくから問題ないというが、きっと何かを企んでいるにちがいない……。
リーゼロッテ様は、お飾り妻よりも愛されている実感が欲しいのだろう。
嫉妬……。
憎しみ……。
自分の夫と、自分の夫の愛人とその子供に会いに行く正妻ってどんな構図?
とにかく、無事帰宅できることを祈るしかない。
◇◇◇
御披露目会は、親しい人を集めてのこじんまりとした会だった。
殿下とリーゼロッテ様と、乳母に抱かれた王女が揃うと圧巻のロイヤルオーラだった。
案の定、お決まりのリーゼロッテ様取り巻き令嬢に絡まれ軽くあしらっていると、どうやらアンドレア様がリーゼロッテ様に呼ばれたようだ。
私はここで大人しくしているしかない。
「……公爵夫人。久しいな」
「……で、殿下!その説はいろいろ手配をありがとうございました」
「……いや、こちらこそ、逆に危険に晒してしまったようで済まない……」
「……くれぐれも、しっかり手綱を握って下さいませ」
ああ、と殿下は言うと、他に呼ばれそそくさと私の前から消えていった。
すると、リーゼロッテ様の侍女が私を呼びにきた。
(まさか、また情事を見せつけようとしている?)
すっかりトラウマになってしまった。
案内された部屋には、アンドレア様とリーゼロッテ様が仲睦まじそうに談笑していた。
「……うふふ。アンドレアったら!ほら、目や鼻なんて特にあなたにそっくりじゃない?」
王女を囲んで話に花が咲いているようだ。
(……本当の家族だしね……)
アンドレア様も満更でもない様子で、王女を抱っこしていた。
(……どこが王家の秘密なんだか)
「それにしても、いつまでたってもローザさんは妊娠しないのね!公爵家は大丈夫かしら?」
私がきたことを見越して話をしているのだろう。
(自分だって、三年以上に渡り妊娠しなかった癖に……!!)
私は子供は欲しくなかったし、避妊薬を飲みたかったが、それは無理だった。
「ローザさん、ほら来てちょうだい?王女、本当にそっくりでしょう?私、本当に嬉しくて!」
身分が高い愛人は、本妻に容赦ない。
「……ねぇ、ローザさん?あなた、全然妊娠しないのだからまたしばらくアンドレア様を独占させてもらうわよ」
(第二子のために、ね…)
「……かしこまりました。仰せの通りに」
アンドレア様は始終無言で下を向いていた。
(……愛しの妻を守るんじゃなかったの?)
「ローザさんが承諾したわっ。……アンドレアっ!早速今晩からはどうかしら?」
リーゼロッテ様はあからさまにアンドレア様に腕を絡める。
今日は妻同伴だから、明日からにしてくれとアンドレア様が伝えると私の手を取り王宮を後にした。
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