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殿下は約束通りに、住む場所と人、そして資金を提供してくれた。
(殿下は信用していいかも知れないわね……)
マルクスには、公爵家にはこれ以上いられないから離婚するまで家を出る、と告げた。マルクス自身も主がいないためどうにも出来ないと判断したのだろう。無言で送り出してくれた。私はまとめた荷物を馬車に積み込んだ。
ーー戻るつもりはないわ!さようなら!公爵家
新居の場所は、公爵家からも侯爵家からも中間くらいの位置にあり、都市部ではないがひっそりとした森が近い自然豊かな町だった。
用意された一軒家の裏には、研究室と作業部屋が用意されていた。
人員配置は、侍女と護衛兼御者、あとは事業になれた人物の3名だった。
とりあえず、伯爵家にはアンドレア様が結婚式から全く屋敷に戻らないため、家を出て自活し、そのうち離婚する旨を手紙にまとめて出した。また、ラブリーナが必要なため、送って欲しいと伝えた。
新居はかなり快適だった。
研究室もあり、ラブリーナの抽出作業も出来る上、簡易の工場のような作業場所もあるため、生産も可能だった。ラブリーナが到着次第、生産を行う。
販売ルートなどは殿下が手配した人物に任せれば良さそうだった。
これで販売ができれば、資金が出来る!
長年の夢が動き出した。
そして、家出早々、物騒な事件も起こった。
恐らく、公爵家を離れた私の命を狙おうとしたのだろう。
(……リーゼロッテ様のやりそうなことね)
殿下に頼んで護衛を増やしてもらわなくては。
そんなことを思っていたら、予期せぬ人物が訪れたのだった。
(殿下は信用していいかも知れないわね……)
マルクスには、公爵家にはこれ以上いられないから離婚するまで家を出る、と告げた。マルクス自身も主がいないためどうにも出来ないと判断したのだろう。無言で送り出してくれた。私はまとめた荷物を馬車に積み込んだ。
ーー戻るつもりはないわ!さようなら!公爵家
新居の場所は、公爵家からも侯爵家からも中間くらいの位置にあり、都市部ではないがひっそりとした森が近い自然豊かな町だった。
用意された一軒家の裏には、研究室と作業部屋が用意されていた。
人員配置は、侍女と護衛兼御者、あとは事業になれた人物の3名だった。
とりあえず、伯爵家にはアンドレア様が結婚式から全く屋敷に戻らないため、家を出て自活し、そのうち離婚する旨を手紙にまとめて出した。また、ラブリーナが必要なため、送って欲しいと伝えた。
新居はかなり快適だった。
研究室もあり、ラブリーナの抽出作業も出来る上、簡易の工場のような作業場所もあるため、生産も可能だった。ラブリーナが到着次第、生産を行う。
販売ルートなどは殿下が手配した人物に任せれば良さそうだった。
これで販売ができれば、資金が出来る!
長年の夢が動き出した。
そして、家出早々、物騒な事件も起こった。
恐らく、公爵家を離れた私の命を狙おうとしたのだろう。
(……リーゼロッテ様のやりそうなことね)
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