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結論から言うと、あの手この手で反論してみたが、公爵家に嫁ぐことは決まってしまった。

アンドレア様とは、その後一度も顔合わせもしないまま結婚式当日を迎えた。

正直、お飾り妻に壮大な結婚式は不要だ。
準備期間もほぼなく、ごく近しい人だけを集めて簡単な式だけを挙げた。

そして、式が終わるとアンドレア様は王宮から呼び出され、初夜にも戻らなかった。

ーーーーそれから3ヶ月。
アンドレア様は、一度も屋敷に戻らなかった。

◇◇◇◇
「……ナタリー。正直に答えて?使用人達の間では私はどんな存在なの?」

ーーーー初夜すら行われず、夫に見向きもされない日陰妻。
そんなところか?

ナタリーは、公爵家に嫁いでから私付の侍女として頑張ってくれている。

「……正直なところ、旦那様が一向に屋敷に戻られないため、使用人達もどうしたらよいものかその……。でも、私はいつも奥様の味方ですっ!」

「ありがとう、ナタリー。私は結婚前からこうなることを予想していたからあんまり驚いていないのだけど……。アンドレア様には一体何人の愛人がいるのかしら?はぁ……。私はお飾りにしても、せめてせっせと出している手紙くらいには返事が欲しいわ。これでは、公爵家で私はどうしたらいいのか?何をしたらいいのか全く分からないし……。マルクスも何も知らないらしいし……」

仕方ないので、後でマルクスと交渉してハーブを育てる畑を貸してもらおう。

(それに、暇!暇すぎるっ!)

そんなことを考えていたら、とんでもない手紙がマルクスから手渡された。

「……奥様、こちらのお手紙。差出人不明につきいかがなさいますか?」

明らかに王宮からの手紙。
が、差出人はなかった。

「……もしかしたら、アンドレア様かも知れないから私宛だし私か読むわ」

私は王宮からの手紙であるその封印をゆっくりと開けた。

内容はーーーー。
驚愕すぎて、一度手紙を綴じたくらいだ。

「ま、マルクス!王宮からの呼び出しみたいなの。急だけれど馬車の手配をお願いするわ」
分かりました、とマルクスが部屋を後にする。

その手紙には、こう書かれていた。

『アンドレア・ターナーは、毎晩王太子妃とベッドを共にしている』

と。

(……いやいや、アンドレア!愛人は愛人でも王太子妃って!何でそんなところに手をだしちゃうかな……)

飽きれ半分。ため息しか出ない。

とにかく、指定された時間に指定された場所にいくまでだ。

(しっかし、何で結婚したんだろ?私と。ますます分からない……)
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