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拾い人

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 私は相変わらずのメイドライフと別宅通い、執筆と忙しい日々を送ってた。

 とある日、休みのために別宅を訪れた私。
 別宅で事件です!事件っ――!

 別宅は、もちろん同じ領地にあるものの、ひっそりと森の中にたたずむためまず知らないと辿り着けない場所にある。

 繁華街から少し外れた通りから繁みに続いている道をいく。夜は暗すぎてもちろん怖くて歩けないから、私はだいたい陽が落ちる前に使用人棟に戻るようにしていた。

 そんな環境だから、私は帰るときはいつもダニエルに一緒に来てもらっていた。

「ん?」

 前方に、黒い影が横たわっていた。
 明らかに人間、だった。

 私は思わず駆け寄ろうとしたけど、ダニエルに制止された。

「お嬢様、私が見ます」

 ダニエルが影に近寄り覗きこむと肩を掴み、影を正面に向けた。

「お嬢様は――」

 見ないで下さい、といいかけたダニエルの声と同時に、私はお腹辺りに突き刺さる短剣を目の当たりにしてしまった。

 腹部にはどす黒い血が固まり、顔にも複数の切り傷がみられた。見たところ着衣からは身分が良さそう、としか判断がつかなかった。

 漆黒の髪に、キレイな鼻筋。目を閉じていてもかなりの容貌であることは明白だ。

(……キレイな人)

 女性の私が見惚れてしまうほどの透き通るような肌に、長い睫毛。きっと女性にモテるんだろうなあ。

「とりあえず、人命救助ね。悪いけど、お医者様を読んで。看病をお願いできる?身なりから、身分は高そうね。まあ、厄介者かも知れないけど、協力者になるかも知れないし。次の休みに私がいろいろ聞きたいから、それまでは何とかいてもらって?あと、何者か探れそうならお願い」

 私はダニエルにそう告げると、使用人棟に向かった。
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