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本編
07話
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理屈の上で成り立つ愛なんか、それを愛と呼ぶべきではない。
「は、見合い?」
名ばかりの親戚からいきなりの電話で、見合いをしろというから驚いた。
先日、榎戸と晴れて付き合うことになって浮かれていたというのに。
――迷惑だ。
「透も、もう28でしょ? そろそろ結婚を考えないと――」
「おばさん、言っときますけど…俺にだって相手くらいいますよ? 残念ですけど、見合いを断ってもらえますか?」
「あら。そうなの? でも、断れないのよ。相手は夫の上司の娘さんなの」
自分勝手な言い分に、思わず電話を切りそうになったが…俺も大人だ。冷静に対応することにする。
「会うだけならいいですよ」
***
「――それで、お見合いするの?」
「そうだ」
いつものように榎戸が準備室にきていて、自分の部屋のようにくつろいでいた。少し不機嫌な表情をしているのだが。
「この、浮気もの――っ!」
「…な、なんでそうなる?」
「だ、だって…私という彼女がいながら、見合いをするって言うんだもん。これは、立派な浮気だわっ」
憤慨する彼女でさえ、可愛いと思ってしまう。10歳も年下の彼女に、女を感じてしまう俺は変なのだろうか?
「…俺は榎戸以外の女なんてどーでもいいんだが。それじゃ不満か?」
「な、先生…それは殺し文句ですよ…」
「?」
榎戸はなぜか顔を真っ赤にさせて慌てふためく。
「ど、どーして先生はさらりと言えるのかな。私も、もっと先生を喜ばしたいのにっ」
「俺は榎戸といるだけで幸せだぞ?」
「………え、えぇっ…嬉しすぎますっ」
「それは良かった。」
普段、笑わない柳瀬がにこりと微笑む。
「――はーい、お二人さん。恥ずかしいから余所でやってね」
「雨森!?」
いきなりの訪問者に戸惑う。今までのやり取りを見られたと思うと、恥ずかしくてしょうがない。
柳瀬は、顔が赤いのを誤魔化すように雨森に怒鳴った。
「何でお前がココにいる!? 何度も言うが、ココは俺の担当部屋だっ!」
「いいじゃん。ヒマなんだから♪」
「いいから、帰れ!」
**
「さすが、神出鬼没な雨森先生だねっ」
「何が流石だ! はた迷惑なだけだ。」
「そ、そだね…じゃあ、私もそろそろ教室に戻るねっ」
少し乱れた服を整えて、榎戸は立ち上がった。
その行為に対して、俺は少し罪悪感を覚えた。
さっきまで胸元まで見えていたそれに、小さな花びらをつけたのだ。
真面目な教師の俺が。
「………」
じーっと、彼女を見つめる。
学校でしか会えないという状況なので、良からぬ方向へ誘ってしまう。
いけないと分かっていても俺だって男なのだから。
「…先生? どうしたんですか?」
丁寧に服を直す彼女が妙に色っぽくて…つい見とれてしまった。
「いや、可愛いなーて思ってさ」
「ぶっ………そ、そんなコト、見合い相手に言わないでねっ」
「言うわけないだろ。俺はお前しか愛していないんだからな」
彼女の発言は愚問だろ、と思ったが口には出さないでおく。
「………さ、さすが…先生。その言葉はイチコロですよ」
顔を真っ赤にさせて俯く彼女をいつまでも見つめていたいと思う自分は変態なんだろうか、と真剣に考えてしまう。
このまま彼女を抱きしめて唇を奪ってしまいたい―――端から見たら、間違いなく俺はロリコンだろう。
それでも構わない。だから、彼女のすべてを手に入れたい。
榎戸を見送り、一人部屋で呟いた。
「…どうやって断ろうか。」
空を仰いで深く溜め息をついた。
見合いというのだから、結婚前提でくるのが当たり前だろう。俺は全くもって、見合い相手と結婚する気はない。だからって、今から断る理由を考えるのも相手に失礼なのだが。
「…本当にどうするか」
弱音を吐いても、何の解決にもならないのに。言わないと気が済まない。
でも、云々考えても無駄なわけで。結局は何の解決方法を見い出せないまま、見合い当日を迎えてしまうのだ。
***
見合い当日。
「平内ハナです。はじめまして」
清楚な感じのお嬢さんだというのがはじめの印象だった。
「いつも弟がお世話になってますわ」
「はぁ」
いまいち、言っていることが理解できず生返事をする。
「あら、いやだわ。平内ですよ。平内、ユウが私の弟の名ですよ?」
――あ……あいつか。
あの、軟派野郎か。と良い印象を与えていない生徒の顔を思い出す。
「いえ、こちらこそ。優秀な生徒なんで助かってますよ」
愛想笑いなんて慣れたものだ。女性の機嫌を損ねないためにも俺はにこやかに微笑んでいた。
「…ところで、先生は学校で生徒にピーしてピーまでしたとか」
「ぶ………っ!」
突然の禁句用語に驚き、自慢の笑顔が脆くも崩れおちた。
「そ、そんな事誰がしますか! ……それより、女性なんだからもっと気品をもてないんですかっ!」
「あら、それは男女差別ですわよ」
「差別じゃない、区別と言ってくれ…」
ある程度、落ち着きを取り戻した柳瀬は本題をストレートに打ち明けた。
「…すみません、見合いの最初に言うことではないんですが…」
「何でしょう?」
「この見合いなかったことにして頂けませんか?」
「それは…つまり、破談ということですか?」
何の動揺も見せずに平内ハナは言いきった。
「ええ、そうしてくれると有難いです」
「それはこちらにとっても好都合ですわ。実はこの見合いは私の本意ではありませんでしたの」
「はあ」
「それでも、父が…『 いつまでたっても結婚しないと、いつか嫁の貰い手などいなくなる年になってしまうぞ! 』って言うんですよ? 余計なお世話なんですよ、うちの父は」
にこにこと笑いながら自分の父親の愚痴をこぼす彼女に柳瀬はたじろいでしまった。
恐ろしい…と素直に思った。
「えっと…つまり、まだ結婚したくないってことですか?」
「そうね。…でも、まだ結婚できないと言ったほうが正しいかしらね」
「はあ」
彼女の印象は、清楚というより気風のいい女性と言ったほうが正しいのかもしれない。
そういえば…最後に言った、"まだ結婚はできない"と言ったのはどういうことだったんだろう?
柳瀬はそんな疑問をもちながら、日本の料亭から一人出ていく。平内ハナはこの店のオーナーに話があるとかで俺は先に帰ることにしたのだ。
「……柳瀬、先生」
見ると、ハナの弟――平内ユウが立っていた。俺は無意識に煙草の火をつけて吸った。
「…平内か、お前の姉さん男勝りだな」
女性でもいろんなタイプがいるんだなと改めて知った。
けれども、やはり俺は未侑でないと駄目だ。
「そうですか? ボクは好きですけどね」
急にのろけ話されても困るぞ、こっちは。
「もしかして…お前シスコンか?」
「………」
顔を反らして俯いた。微かに耳が赤い。
「図星かよ」
俺は白い息をはいた。
「――いいですか、僕たちは血は繋がっていないんです。だから…」
必死に何かを弁解するように平内は捲し立てた。
「いいんじゃねえの」
「はい?」
「だから、確かにお前の恋は大変だけど…諦めるより挑戦したほうが後悔は少なくなるだろう? 俺は、教師だけど生徒を好きになった。諦める気持ちなんかさらさらねえよ」
独占欲まる出しの言葉に、平内は目を大きく見開いて驚いた。
「先生がそこまで貪欲な人だとは思いませんでしたよ」
「誰だって好きな奴にはそうだろう? …お前は諦めてもいいなんて思っているほどの想いなのか?」
「違います! ……違うけど、ボクはまだ高校生だ。胸を張って姉に結婚して下さいなんて言えません」
「いや…付き合うとか言えば」
「言えるわけないじゃないですか! ボクなんて相手にもしてもらえないですよ」
なるほど。平内の姉が言っていたことが分かった。コイツじゃ、まだ結婚できないな…
「お前、自分を磨け」
「……は?」
「それで自信を持て!」
「はぁ」
愛なんて自分で手に入れなければダメだろう。いつか立派になったら言えばいいんだ、貴方を愛していますと。
俺も言えたらいい―――未侑、愛してるよ。
「は、見合い?」
名ばかりの親戚からいきなりの電話で、見合いをしろというから驚いた。
先日、榎戸と晴れて付き合うことになって浮かれていたというのに。
――迷惑だ。
「透も、もう28でしょ? そろそろ結婚を考えないと――」
「おばさん、言っときますけど…俺にだって相手くらいいますよ? 残念ですけど、見合いを断ってもらえますか?」
「あら。そうなの? でも、断れないのよ。相手は夫の上司の娘さんなの」
自分勝手な言い分に、思わず電話を切りそうになったが…俺も大人だ。冷静に対応することにする。
「会うだけならいいですよ」
***
「――それで、お見合いするの?」
「そうだ」
いつものように榎戸が準備室にきていて、自分の部屋のようにくつろいでいた。少し不機嫌な表情をしているのだが。
「この、浮気もの――っ!」
「…な、なんでそうなる?」
「だ、だって…私という彼女がいながら、見合いをするって言うんだもん。これは、立派な浮気だわっ」
憤慨する彼女でさえ、可愛いと思ってしまう。10歳も年下の彼女に、女を感じてしまう俺は変なのだろうか?
「…俺は榎戸以外の女なんてどーでもいいんだが。それじゃ不満か?」
「な、先生…それは殺し文句ですよ…」
「?」
榎戸はなぜか顔を真っ赤にさせて慌てふためく。
「ど、どーして先生はさらりと言えるのかな。私も、もっと先生を喜ばしたいのにっ」
「俺は榎戸といるだけで幸せだぞ?」
「………え、えぇっ…嬉しすぎますっ」
「それは良かった。」
普段、笑わない柳瀬がにこりと微笑む。
「――はーい、お二人さん。恥ずかしいから余所でやってね」
「雨森!?」
いきなりの訪問者に戸惑う。今までのやり取りを見られたと思うと、恥ずかしくてしょうがない。
柳瀬は、顔が赤いのを誤魔化すように雨森に怒鳴った。
「何でお前がココにいる!? 何度も言うが、ココは俺の担当部屋だっ!」
「いいじゃん。ヒマなんだから♪」
「いいから、帰れ!」
**
「さすが、神出鬼没な雨森先生だねっ」
「何が流石だ! はた迷惑なだけだ。」
「そ、そだね…じゃあ、私もそろそろ教室に戻るねっ」
少し乱れた服を整えて、榎戸は立ち上がった。
その行為に対して、俺は少し罪悪感を覚えた。
さっきまで胸元まで見えていたそれに、小さな花びらをつけたのだ。
真面目な教師の俺が。
「………」
じーっと、彼女を見つめる。
学校でしか会えないという状況なので、良からぬ方向へ誘ってしまう。
いけないと分かっていても俺だって男なのだから。
「…先生? どうしたんですか?」
丁寧に服を直す彼女が妙に色っぽくて…つい見とれてしまった。
「いや、可愛いなーて思ってさ」
「ぶっ………そ、そんなコト、見合い相手に言わないでねっ」
「言うわけないだろ。俺はお前しか愛していないんだからな」
彼女の発言は愚問だろ、と思ったが口には出さないでおく。
「………さ、さすが…先生。その言葉はイチコロですよ」
顔を真っ赤にさせて俯く彼女をいつまでも見つめていたいと思う自分は変態なんだろうか、と真剣に考えてしまう。
このまま彼女を抱きしめて唇を奪ってしまいたい―――端から見たら、間違いなく俺はロリコンだろう。
それでも構わない。だから、彼女のすべてを手に入れたい。
榎戸を見送り、一人部屋で呟いた。
「…どうやって断ろうか。」
空を仰いで深く溜め息をついた。
見合いというのだから、結婚前提でくるのが当たり前だろう。俺は全くもって、見合い相手と結婚する気はない。だからって、今から断る理由を考えるのも相手に失礼なのだが。
「…本当にどうするか」
弱音を吐いても、何の解決にもならないのに。言わないと気が済まない。
でも、云々考えても無駄なわけで。結局は何の解決方法を見い出せないまま、見合い当日を迎えてしまうのだ。
***
見合い当日。
「平内ハナです。はじめまして」
清楚な感じのお嬢さんだというのがはじめの印象だった。
「いつも弟がお世話になってますわ」
「はぁ」
いまいち、言っていることが理解できず生返事をする。
「あら、いやだわ。平内ですよ。平内、ユウが私の弟の名ですよ?」
――あ……あいつか。
あの、軟派野郎か。と良い印象を与えていない生徒の顔を思い出す。
「いえ、こちらこそ。優秀な生徒なんで助かってますよ」
愛想笑いなんて慣れたものだ。女性の機嫌を損ねないためにも俺はにこやかに微笑んでいた。
「…ところで、先生は学校で生徒にピーしてピーまでしたとか」
「ぶ………っ!」
突然の禁句用語に驚き、自慢の笑顔が脆くも崩れおちた。
「そ、そんな事誰がしますか! ……それより、女性なんだからもっと気品をもてないんですかっ!」
「あら、それは男女差別ですわよ」
「差別じゃない、区別と言ってくれ…」
ある程度、落ち着きを取り戻した柳瀬は本題をストレートに打ち明けた。
「…すみません、見合いの最初に言うことではないんですが…」
「何でしょう?」
「この見合いなかったことにして頂けませんか?」
「それは…つまり、破談ということですか?」
何の動揺も見せずに平内ハナは言いきった。
「ええ、そうしてくれると有難いです」
「それはこちらにとっても好都合ですわ。実はこの見合いは私の本意ではありませんでしたの」
「はあ」
「それでも、父が…『 いつまでたっても結婚しないと、いつか嫁の貰い手などいなくなる年になってしまうぞ! 』って言うんですよ? 余計なお世話なんですよ、うちの父は」
にこにこと笑いながら自分の父親の愚痴をこぼす彼女に柳瀬はたじろいでしまった。
恐ろしい…と素直に思った。
「えっと…つまり、まだ結婚したくないってことですか?」
「そうね。…でも、まだ結婚できないと言ったほうが正しいかしらね」
「はあ」
彼女の印象は、清楚というより気風のいい女性と言ったほうが正しいのかもしれない。
そういえば…最後に言った、"まだ結婚はできない"と言ったのはどういうことだったんだろう?
柳瀬はそんな疑問をもちながら、日本の料亭から一人出ていく。平内ハナはこの店のオーナーに話があるとかで俺は先に帰ることにしたのだ。
「……柳瀬、先生」
見ると、ハナの弟――平内ユウが立っていた。俺は無意識に煙草の火をつけて吸った。
「…平内か、お前の姉さん男勝りだな」
女性でもいろんなタイプがいるんだなと改めて知った。
けれども、やはり俺は未侑でないと駄目だ。
「そうですか? ボクは好きですけどね」
急にのろけ話されても困るぞ、こっちは。
「もしかして…お前シスコンか?」
「………」
顔を反らして俯いた。微かに耳が赤い。
「図星かよ」
俺は白い息をはいた。
「――いいですか、僕たちは血は繋がっていないんです。だから…」
必死に何かを弁解するように平内は捲し立てた。
「いいんじゃねえの」
「はい?」
「だから、確かにお前の恋は大変だけど…諦めるより挑戦したほうが後悔は少なくなるだろう? 俺は、教師だけど生徒を好きになった。諦める気持ちなんかさらさらねえよ」
独占欲まる出しの言葉に、平内は目を大きく見開いて驚いた。
「先生がそこまで貪欲な人だとは思いませんでしたよ」
「誰だって好きな奴にはそうだろう? …お前は諦めてもいいなんて思っているほどの想いなのか?」
「違います! ……違うけど、ボクはまだ高校生だ。胸を張って姉に結婚して下さいなんて言えません」
「いや…付き合うとか言えば」
「言えるわけないじゃないですか! ボクなんて相手にもしてもらえないですよ」
なるほど。平内の姉が言っていたことが分かった。コイツじゃ、まだ結婚できないな…
「お前、自分を磨け」
「……は?」
「それで自信を持て!」
「はぁ」
愛なんて自分で手に入れなければダメだろう。いつか立派になったら言えばいいんだ、貴方を愛していますと。
俺も言えたらいい―――未侑、愛してるよ。
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