8 / 147
1章.サバイバル編
7話.出立準備
しおりを挟む
『いつまで森の中で原始生活をするつもりよ!!!!!!!』
「ナビよ、何を怒っておるのじゃ?
サバイバル生活にもすっかり慣れて、満喫しておるというのに?」
『少しだけ仙人っぽい口調で何ふざけたこと言ってるのよ!!
もう一か月よ!??
あんた…… この森で寿命迎える気なの??』
サバイバル生活もすっかり板についたクロムは、悠々自適なサバイバル生活をなんと一か月も続けていた。
『あんた昨日、レベルが30になったって言ってたわよね?
そろそろ他のこともしたくならないの?』
「想像以上にこの生活楽しくてさ……
ただまぁ……
せっかく異世界に来たのに異世界人の一人にすら会わずに死ぬってのはさすがにカオスに悪いか……」
『そ、そうよ!! カオス様を少しは楽しませなさいよ!
カオス様は絶対に今頃飽きて傍観もしなくなってるわよ……』
「別に覗かれたいわけじゃないから、それはそのままでいいけどさ
でも、そろそろ異世界人とのふれあいを楽しむのもいいかもな♪
たださぁ……
こいつらを町には連れていけなくね?」
クロムが指指す方向にいたものは……
ゴブリン10匹と狼3匹であった。
「レベル20になったころに魔眼のレベルあがって覚えた従属眼《じゅうぞくがん》で従属契約したこいつらをここに放置はできないでしょ?」
クロムが新しく開眼した魔眼は<従属眼>と言って、屈服させたものを自らの奴隷にできる魔眼であった。
『あんた…… レベル25になったときに、新しい空間術覚えたわよね?』
「あぁ…… ルームだっけ?」
『確か……
あんたが許可したものだけが出入りできる無制限の規模の亜空間を作れる空間術って言ってたわよね?
そこにゴブリンと狼の部屋作って住ませれば問題解決じゃないの?』
「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ナビって頭弱い子じゃなかったのか……」
『!!!!!!
失礼な!!!!!!!!!!!!!!!!!』
ナビの的確な指摘によって解決策を見つけたクロムは、さっそくルームにゴブリンたちの部屋を生成し始めた。
亜空間の中はクロムの意思通りの形状に生成できるようだったので、最初に広大な広場を生成し、その中に巨大なマンションのような建物を作り上げた。
「よし、できた!
ゴブリンたち中に入って~」
ゴブリンたちが続々とルーム内に移動している中、ナビがクロムにふと疑問を投げかけるのであった。
『ねね? この子たちって名前ないの?
個体の識別ができないってのは不便じゃないのかな??』
「ん~、こいつらの中では区別できてはいるみたいだけど……
まぁ、リーダーっぽいこいつだけでも名前があると便利かもな」
クロムはゴブリンたちのリーダーを呼び止めて、こちらを向かせた。
「お前の名前は…… ゴブ太 だ」
すると、クロムはわずかではあるが魔力が吸い出される感覚を味わうこととなり、それと同時にゴブ太の身体が淡い光に包まれた。
「主様、ありがとうございます!
まさか、お名前を賜れるとは思いませんでした!」
「!!!!
お前喋れたのか!??」
「主様にお名前を賜りましたので、ネームド持ちとなり進化することができました。
その結果、人族様の言語を操ることができるようになりました」
「そ、そうか…… 魔物に名前つけるとこういう展開になるわけか」
『そういえば言ってなかったわね?
従属した魔物に自分の魔力を分け与えつつ名前をつけると、進化してネームド持ちになるのよ。
でも分け与える魔力量は相手の魔物の強さに比例して大きくなるから注意してね?
最悪の場合、魔力を吸い尽くされて廃人になることもあるから!!』
「お、おい!!!!
そんな大事なことを今言うのか!!???」
『魔力バカのアンタがゴブリン程度でそんなことになるわけないじゃん……』
「まぁ、実際そうだったわけだけどさぁ……」
『こんなことでイチイチ拗ねてるんじゃないわよ。
そんなことより、これでここから旅立てる準備完了じゃない?』
「ん~……、まぁいいや。
家具をストレージに片づけるかな」
一ヶ月も住みつくと仮の住居にもそれなりの家具が揃っていた。
しかし無制限に物質を収納できるストレージを使えるクロムは、淡々と収納を続けていった。
「あとはこのベットだけだな」
お気に入りとなっていたベットをストレージに収納したときにクロムは違和感を覚えた。
「なんか…… この床だけ材質が違わね?」
『言われてみれば…… 掘ってみたら?
お宝が出てくるかもよ?』
「そんな都合よく……
でも気になるし、掘ってみるか」
ナビの軽いノリに乗ってみることにしたクロムは軽い気持ちでアイスランスと名付けた氷の杭を材質の違う床に向けて放つのであった。
この軽率な行動がどんな結果に結びつくのか……
今のクロムたちに知るすべはなかったのである。
「ナビよ、何を怒っておるのじゃ?
サバイバル生活にもすっかり慣れて、満喫しておるというのに?」
『少しだけ仙人っぽい口調で何ふざけたこと言ってるのよ!!
もう一か月よ!??
あんた…… この森で寿命迎える気なの??』
サバイバル生活もすっかり板についたクロムは、悠々自適なサバイバル生活をなんと一か月も続けていた。
『あんた昨日、レベルが30になったって言ってたわよね?
そろそろ他のこともしたくならないの?』
「想像以上にこの生活楽しくてさ……
ただまぁ……
せっかく異世界に来たのに異世界人の一人にすら会わずに死ぬってのはさすがにカオスに悪いか……」
『そ、そうよ!! カオス様を少しは楽しませなさいよ!
カオス様は絶対に今頃飽きて傍観もしなくなってるわよ……』
「別に覗かれたいわけじゃないから、それはそのままでいいけどさ
でも、そろそろ異世界人とのふれあいを楽しむのもいいかもな♪
たださぁ……
こいつらを町には連れていけなくね?」
クロムが指指す方向にいたものは……
ゴブリン10匹と狼3匹であった。
「レベル20になったころに魔眼のレベルあがって覚えた従属眼《じゅうぞくがん》で従属契約したこいつらをここに放置はできないでしょ?」
クロムが新しく開眼した魔眼は<従属眼>と言って、屈服させたものを自らの奴隷にできる魔眼であった。
『あんた…… レベル25になったときに、新しい空間術覚えたわよね?』
「あぁ…… ルームだっけ?」
『確か……
あんたが許可したものだけが出入りできる無制限の規模の亜空間を作れる空間術って言ってたわよね?
そこにゴブリンと狼の部屋作って住ませれば問題解決じゃないの?』
「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ナビって頭弱い子じゃなかったのか……」
『!!!!!!
失礼な!!!!!!!!!!!!!!!!!』
ナビの的確な指摘によって解決策を見つけたクロムは、さっそくルームにゴブリンたちの部屋を生成し始めた。
亜空間の中はクロムの意思通りの形状に生成できるようだったので、最初に広大な広場を生成し、その中に巨大なマンションのような建物を作り上げた。
「よし、できた!
ゴブリンたち中に入って~」
ゴブリンたちが続々とルーム内に移動している中、ナビがクロムにふと疑問を投げかけるのであった。
『ねね? この子たちって名前ないの?
個体の識別ができないってのは不便じゃないのかな??』
「ん~、こいつらの中では区別できてはいるみたいだけど……
まぁ、リーダーっぽいこいつだけでも名前があると便利かもな」
クロムはゴブリンたちのリーダーを呼び止めて、こちらを向かせた。
「お前の名前は…… ゴブ太 だ」
すると、クロムはわずかではあるが魔力が吸い出される感覚を味わうこととなり、それと同時にゴブ太の身体が淡い光に包まれた。
「主様、ありがとうございます!
まさか、お名前を賜れるとは思いませんでした!」
「!!!!
お前喋れたのか!??」
「主様にお名前を賜りましたので、ネームド持ちとなり進化することができました。
その結果、人族様の言語を操ることができるようになりました」
「そ、そうか…… 魔物に名前つけるとこういう展開になるわけか」
『そういえば言ってなかったわね?
従属した魔物に自分の魔力を分け与えつつ名前をつけると、進化してネームド持ちになるのよ。
でも分け与える魔力量は相手の魔物の強さに比例して大きくなるから注意してね?
最悪の場合、魔力を吸い尽くされて廃人になることもあるから!!』
「お、おい!!!!
そんな大事なことを今言うのか!!???」
『魔力バカのアンタがゴブリン程度でそんなことになるわけないじゃん……』
「まぁ、実際そうだったわけだけどさぁ……」
『こんなことでイチイチ拗ねてるんじゃないわよ。
そんなことより、これでここから旅立てる準備完了じゃない?』
「ん~……、まぁいいや。
家具をストレージに片づけるかな」
一ヶ月も住みつくと仮の住居にもそれなりの家具が揃っていた。
しかし無制限に物質を収納できるストレージを使えるクロムは、淡々と収納を続けていった。
「あとはこのベットだけだな」
お気に入りとなっていたベットをストレージに収納したときにクロムは違和感を覚えた。
「なんか…… この床だけ材質が違わね?」
『言われてみれば…… 掘ってみたら?
お宝が出てくるかもよ?』
「そんな都合よく……
でも気になるし、掘ってみるか」
ナビの軽いノリに乗ってみることにしたクロムは軽い気持ちでアイスランスと名付けた氷の杭を材質の違う床に向けて放つのであった。
この軽率な行動がどんな結果に結びつくのか……
今のクロムたちに知るすべはなかったのである。
0
お気に入りに追加
160
あなたにおすすめの小説
(完)そこの妊婦は誰ですか?
青空一夏
恋愛
私と夫は恋愛結婚。ラブラブなはずだった生活は3年目で壊れ始めた。
「イーサ伯爵夫人とし全く役立たずだよね? 子供ができないのはなぜなんだ! 爵位を継ぐ子供を産むことこそが女の役目なのに!」
今まで子供は例え産まれなくても、この愛にはなんの支障もない、と言っていた夫が豹変してきた。月の半分を領地の屋敷で過ごすようになった夫は、感謝祭に領地の屋敷に来るなと言う。感謝祭は親戚が集まり一族で祝いご馳走を食べる大事な行事とされているのに。
来るなと言われたものの私は王都の屋敷から領地に戻ってみた。・・・・・・そこで見たものは・・・・・・お腹の大きな妊婦だった!
これって・・・・・・
※人によっては気分を害する表現がでてきます。不快に感じられましたら深くお詫びいたします。
『異世界は貧乳が正義でした』~だから幼馴染の勇者に追放されても問題がない~ざまぁ? しませんよ!マジで!
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のリヒトは、とうとう勇者でありパーティリーダーのガイアにクビを宣告されてしまう。幼馴染も全員ガイアの物で、居場所がどこにもないことを悟った彼は、一人去ったのだった。
実は彼は転生者で幼馴染には全く興味が無かったからだ。
そして彼は…此処からは読んでからのお楽しみです。
『美醜逆転』『男女比』で異世界系のリクエストを貰ったので書き始めてみました。
ただ、それだと面白味が無いので少し捻ってみました。
実験を兼ねた思いつきなので中編になるか長編になるか未定。
1話はいつもの使いまわしです。
(完結)その女は誰ですか?ーーあなたの婚約者はこの私ですが・・・・・・
青空一夏
恋愛
私はシーグ侯爵家のイルヤ。ビドは私の婚約者でとても真面目で純粋な人よ。でも、隣国に留学している彼に会いに行った私はそこで思いがけない光景に出くわす。
なんとそこには私を名乗る女がいたの。これってどういうこと?
婚約者の裏切りにざまぁします。コメディ風味。
※この小説は独自の世界観で書いておりますので一切史実には基づきません。
※ゆるふわ設定のご都合主義です。
※元サヤはありません。
今夜、元婚約者の結婚式をぶち壊しに行きます
結城芙由奈
恋愛
【今夜は元婚約者と友人のめでたい結婚式なので、盛大に祝ってあげましょう】
交際期間5年を経て、半年後にゴールインするはずだった私と彼。それなのに遠距離恋愛になった途端彼は私の友人と浮気をし、友人は妊娠。結果捨てられた私の元へ、図々しくも結婚式の招待状が届けられた。面白い…そんなに私に祝ってもらいたいのなら、盛大に祝ってやろうじゃないの。そして私は結婚式場へと向かった。
※他サイトでも投稿中
※苦手な短編ですがお読みいただけると幸いです
今、姉が婚約破棄されています
毒島醜女
恋愛
「セレスティーナ!君との婚約を破棄させてもらう!」
今、お姉様が婚約破棄を受けています。全く持って無実の罪で。
「自分の妹を虐待するなんて、君は悪魔だ!!」
は、はい?
私がいつ、お姉様に虐待されたって……?
しかも私に抱きついてきた!いやっ!やめて!
この人、おかしくない?
自分の家族を馬鹿にするような男に嫁ぎたいと思う人なんているわけないでしょ!?
【完結】転生少女は異世界でお店を始めたい
梅丸
ファンタジー
せっかく40代目前にして夢だった喫茶店オープンに漕ぎ着けたと言うのに事故に遭い呆気なく命を落としてしまった私。女神様が管理する異世界に転生させてもらい夢を実現するために奮闘するのだが、この世界には無いものが多すぎる! 創造魔法と言う女神様から授かった恩寵と前世の料理レシピを駆使して色々作りながら頑張る私だった。
【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです
yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~
旧タイトルに、もどしました。
日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。
まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。
劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。
日々の衣食住にも困る。
幸せ?生まれてこのかた一度もない。
ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・
目覚めると、真っ白な世界。
目の前には神々しい人。
地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・
短編→長編に変更しました。
R4.6.20 完結しました。
長らくお読みいただき、ありがとうございました。
婚約者が王子に加担してザマァ婚約破棄したので父親の騎士団長様に責任をとって結婚してもらうことにしました
山田ジギタリス
恋愛
女騎士マリーゴールドには幼馴染で姉弟のように育った婚約者のマックスが居た。
でも、彼は王子の婚約破棄劇の当事者の一人となってしまい、婚約は解消されてしまう。
そこで息子のやらかしは親の責任と婚約者の父親で騎士団長のアレックスに妻にしてくれと頼む。
長いこと男やもめで女っ気のなかったアレックスはぐいぐい来るマリーゴールドに推されっぱなしだけど、先輩騎士でもあるマリーゴールドの母親は一筋縄でいかなくて。
脳筋イノシシ娘の猪突猛進劇です、
「ザマァされるはずのヒロインに転生してしまった」
「なりすましヒロインの娘」
と同じ世界です。
このお話は小説家になろうにも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる