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高校生編
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「あなたが、好きです」
言い終わって、深く息をつく。頬が熱い。告白って、こんなに緊張するんだな。淳お兄様の表情を伺うと、一瞬きょとん、とした顔をして、それから頷いた。
「僕も楓が好きだよ。……どうしたの、急に改まって」
ち、違う! これ絶対勘違いされている。私が言っているのは、異性としての好き、なのに、おそらく淳お兄様は親愛のそれと勘違いなさっているのだろう。そういえば、幼い頃は気軽に大好きだの、好きだの言いまくってたもんなあ。自分のことながら、頭が痛くなる。
わかっていたが、もうこれは、完全なる脈ナシなのでは……? と思ったが、前川の頑張れよ、の言葉がよみがえったので、もう一度挑戦する。
「いえ、そうではなくて。好きなんです、淳お兄様のことが。……その、異性として」
うん、ここまで言えば、流石に勘違いされないだろう。言っていて、すごく恥ずかしくなってくる。今すぐ、この場から立ち去りたい。
「……えっ」
淳お兄様は、とても驚いた顔をした。それは、そうだろう。妹程度にしか思っていなかった、従妹から告白されたのだ。戸惑いは、相当なものだろう。
「困らせてしまって、ごめんなさい。ただ、それだけ伝えたかったんです。それじゃあ」
恥ずかしい、恥ずかしい、恥ずかしい。やっぱり告白何て、するんじゃなかった。今すぐ、この場から立ち去ろう。幸いにも、もう別荘を出る車は用意されているのだ。
早口で言って、立ち去ろうとすると、手首を掴まれた。
「待って、楓!」
「待てません! 離してください!!」
淳お兄様の顔が見れずに俯く。これから、聞かされるのは想いを受け取れない、という言葉だろう。やっぱり、私にはその言葉を聞くほどの勇気はない。
「だって、零次くんが……」
淳お兄様は、明らかに戸惑った声だった。
「……何でそこで、前川様がでてくるんですか!」
はっ! もしかして、淳お兄様はお姉様ではなく前川のことが好きなのか!? まさか、私のライバルは前川だったのか。涙目になりながら、手を振りほどこうとするけれど、がっちりと掴まれているせいで、中々振りほどけない。
「あっ、淳お兄様の気持ちは十分わかりましたから、離してください!」
「わかってない! 楓絶対誤解しているから、本当にちょっと待って」
「誤解なんてしてません!」
「誤解してる! 僕も楓が好きだよ」
「嘘です!」
嘘だ。そんなの都合がよすぎる。第一淳お兄様は、お姉様のことが好きじゃないのか。
「嘘じゃない。楓が、好きだよ」
淳お兄様の耳は真っ赤だった。真剣な瞳に息ができない。
嘘。でも、そんなの。
信じられないと首をふった私に、淳お兄様は、ぎゅっと私の手を握りもう一回言った。
「僕は楓が好きだよ。……楓は?」
それは、最後のだめ押しで。
──真っ赤になって頷くことしかできなかった。
言い終わって、深く息をつく。頬が熱い。告白って、こんなに緊張するんだな。淳お兄様の表情を伺うと、一瞬きょとん、とした顔をして、それから頷いた。
「僕も楓が好きだよ。……どうしたの、急に改まって」
ち、違う! これ絶対勘違いされている。私が言っているのは、異性としての好き、なのに、おそらく淳お兄様は親愛のそれと勘違いなさっているのだろう。そういえば、幼い頃は気軽に大好きだの、好きだの言いまくってたもんなあ。自分のことながら、頭が痛くなる。
わかっていたが、もうこれは、完全なる脈ナシなのでは……? と思ったが、前川の頑張れよ、の言葉がよみがえったので、もう一度挑戦する。
「いえ、そうではなくて。好きなんです、淳お兄様のことが。……その、異性として」
うん、ここまで言えば、流石に勘違いされないだろう。言っていて、すごく恥ずかしくなってくる。今すぐ、この場から立ち去りたい。
「……えっ」
淳お兄様は、とても驚いた顔をした。それは、そうだろう。妹程度にしか思っていなかった、従妹から告白されたのだ。戸惑いは、相当なものだろう。
「困らせてしまって、ごめんなさい。ただ、それだけ伝えたかったんです。それじゃあ」
恥ずかしい、恥ずかしい、恥ずかしい。やっぱり告白何て、するんじゃなかった。今すぐ、この場から立ち去ろう。幸いにも、もう別荘を出る車は用意されているのだ。
早口で言って、立ち去ろうとすると、手首を掴まれた。
「待って、楓!」
「待てません! 離してください!!」
淳お兄様の顔が見れずに俯く。これから、聞かされるのは想いを受け取れない、という言葉だろう。やっぱり、私にはその言葉を聞くほどの勇気はない。
「だって、零次くんが……」
淳お兄様は、明らかに戸惑った声だった。
「……何でそこで、前川様がでてくるんですか!」
はっ! もしかして、淳お兄様はお姉様ではなく前川のことが好きなのか!? まさか、私のライバルは前川だったのか。涙目になりながら、手を振りほどこうとするけれど、がっちりと掴まれているせいで、中々振りほどけない。
「あっ、淳お兄様の気持ちは十分わかりましたから、離してください!」
「わかってない! 楓絶対誤解しているから、本当にちょっと待って」
「誤解なんてしてません!」
「誤解してる! 僕も楓が好きだよ」
「嘘です!」
嘘だ。そんなの都合がよすぎる。第一淳お兄様は、お姉様のことが好きじゃないのか。
「嘘じゃない。楓が、好きだよ」
淳お兄様の耳は真っ赤だった。真剣な瞳に息ができない。
嘘。でも、そんなの。
信じられないと首をふった私に、淳お兄様は、ぎゅっと私の手を握りもう一回言った。
「僕は楓が好きだよ。……楓は?」
それは、最後のだめ押しで。
──真っ赤になって頷くことしかできなかった。
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