何度でも、君と。

夕立悠理

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幸せなとき2

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 私は、睡眠不足のまま朝を迎えた。やっぱり、夢かな?という気がしたけれど、これが夢なら覚めないでほしい。一生夢から覚めたくない。

「やっぱりあるわ……!」


 私の薬指にはノアール様からもらった、指輪がちゃんとはまっていた。

 内側にはちゃんとノアールからリズへとあるそれを外して確認しようとも思ったけれど、せっかくノアール様がつけてくれたものを外したくないので断念した。

 幸せすぎる。幸せすぎて、もしかしたら私、空を飛べそう。いえ、魔法を使ったら実際に飛べるんだけれど。

 魔法を使わなくても、空を飛べそうなほど、幸福だった。


 興奮がさめないまま、支度を整えて学園に向かう。

 今日はいつもよりも念入りに、鏡で自分の姿を確認した。
 残念ながら昨日今日で特別美人に変わっていることもなく。
 茶色の髪も。緑の瞳も。
 まったく変わっていなかったんだけど、それでも少しでもノアール様に可愛いなって思われたくて、髪の毛一本一本にも気を配った。
 
 私とノアール様はクラスが違うし、選択の授業も今日は入ってなかったから、次会えるのはお昼休みだ。

 ノアール様と出会ったら、なんて言おう。そもそも、ちゃんと顔が見られるかな。

 授業中もずっとそんなことばかり考えていて、上の空だった私は何度も先生からあてられてしまったけれど、とても、幸せだった。
 
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