悪役令嬢な私が、あなたのためにできること

──これから、よろしくね。ソフィア嬢。
そう言う貴方の瞳には、間違いなく絶望が、映っていた。

 女神の使いに選ばれた男女は夫婦となる。
 誰よりも恋し合う二人に、また、その二人がいる国に女神は加護を与えるのだ。

 ソフィアには、好きな人がいる。公爵子息のリッカルドだ。

 けれど、リッカルドには、好きな人がいた。侯爵令嬢のメリアだ。二人はどこからどうみてもお似合いで、その二人が女神の使いに選ばれると皆信じていた。

 けれど、女神は告げた。

 女神の使いを、リッカルドとソフィアにする、と。


 ソフィアはその瞬間、一組の恋人を引き裂くお邪魔虫になってしまう。

 リッカルドとソフィアは女神の加護をもらうべく、夫婦になり──けれど、その生活に耐えられなくなったリッカルドはメリアと心中する。

 そのことにショックを受けたソフィアは悪魔と契約する。そして、その翌日。ソフィアがリッカルドに恋をした、学園の入学式に戻っていた。
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