聖女になれなかった私の、二度目の人生 改

夕立悠理

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「セリー、今日は何年の何月何日だったかしら?」
セリーは首をかしげながらも、私の問いにちゃんと答えてくれた。その答えによると、過去だった。ちょうど私の10歳の誕生日が来てから一月たった日の。

 たしか、記憶の通りだとこのあと、私は聖女候補として神殿に入ることになる。そしてそのまま、お父様やお母様、セリーと会えなくなるのだ。

 でも、でもでもでも。

 もし、本当にせっかく過去に戻ったんだったら。やり直したい。イーディスのことだって、愛したい。だから、聖女になるのは諦めよう。元々、誰かの特別になりたくて、聖女になりたかったんだし。もう、お父様とお母様、それにセリーの特別だってわかったから、必要ないわ!

 これからは、好きに生きよう。

「セリー」
「どうしました?」
「見ててね。私、あなたにふさわしい主になるわ!」

 「ふふ。楽しみにしております」

 よし。今日から心を入れ換えて、頑張ろう。
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