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出会い
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今日から私は、学園に通うことになる。
けれど、フィンが通っていた学園とは違う学園だ。フィンと学園で顔をあわせたくなかったので、両親に頼み込み、王都ではなく、少し王都から外れた学園を選んだ。
全寮制、というところと共学なのも一緒。
でも、なんだか特殊な制度があるみたいだ。
ペア、といって、先輩と新入生が組になって一年間新入生が先輩から指導を受けるらしい。
私の先輩はどんな人なのかしら。
優しいひとだといいな。
そんなことを考えながら、学園の門をくぐった。
入学式はつつがなく終わった。
「27かぁ」
入学式のあと、くじを引かされた。このくじの番号が同じ人が、私のペアとなるんだって。
きょろきょろと辺りを見回しながら、私の先輩を探す。
「君がもってるの、27?」
「あ、はい。そうです」
声をかけられて、顔をあげる。翡翠の瞳と目があった。ふわふわな茶髪は柔らかそう。それになりより、その顔はとても整っていた。あまりの美しさに思わず、息が止まる。
「僕も27だ。僕の名前は、リード。これからよろしくね。僕の後輩」
握手を求められて、ようやく呼吸を思い出した。
「私は、ドロシーです。よろしくお願いします。リード先輩」
そういいながら握手をすると、リード先輩は微笑んだ。
優しそうな人だ。よかった。
「ドロシーと呼んでも?」
「もちろんです」
「それじゃあ、ドロシー。校内を案内するから着いてきて」
「はい」
けれど、フィンが通っていた学園とは違う学園だ。フィンと学園で顔をあわせたくなかったので、両親に頼み込み、王都ではなく、少し王都から外れた学園を選んだ。
全寮制、というところと共学なのも一緒。
でも、なんだか特殊な制度があるみたいだ。
ペア、といって、先輩と新入生が組になって一年間新入生が先輩から指導を受けるらしい。
私の先輩はどんな人なのかしら。
優しいひとだといいな。
そんなことを考えながら、学園の門をくぐった。
入学式はつつがなく終わった。
「27かぁ」
入学式のあと、くじを引かされた。このくじの番号が同じ人が、私のペアとなるんだって。
きょろきょろと辺りを見回しながら、私の先輩を探す。
「君がもってるの、27?」
「あ、はい。そうです」
声をかけられて、顔をあげる。翡翠の瞳と目があった。ふわふわな茶髪は柔らかそう。それになりより、その顔はとても整っていた。あまりの美しさに思わず、息が止まる。
「僕も27だ。僕の名前は、リード。これからよろしくね。僕の後輩」
握手を求められて、ようやく呼吸を思い出した。
「私は、ドロシーです。よろしくお願いします。リード先輩」
そういいながら握手をすると、リード先輩は微笑んだ。
優しそうな人だ。よかった。
「ドロシーと呼んでも?」
「もちろんです」
「それじゃあ、ドロシー。校内を案内するから着いてきて」
「はい」
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退会済ユーザのコメントです
お読みくださり、ありがとうございます。またご指摘ありがとうございます。修正しました。リードは何者なのか。続きもお楽しみいただけましたら幸いです。
名前が「フィン」と「フィル」と2種類になっています。
お読みくださり、ありがとうございます。またご指摘ありがとうございます。修正しました。
よかったね!邪魔な彼女もいなくなったし、これで新しい恋人と思う様いちゃつけるよ!やったねフィン君!(暗黒微笑)
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